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無能?勝手に言ってろ!  作者: カシム
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殲滅

 日が傾き辺りはすっかり暗くなってしまった時間メルは自宅に帰るために帰路を走っていた、すると突然メルの視界にアイテムの説明欄にも似た文字が出現した。


【神機の精神状態が著しく不安定になっています】


”何!どういう事!どうして突然雪の精神状態が不安定に!”


考えるよりも今はすぐにでも雪がいるはずのメルの部屋に向かわねばならないと頭が判断しメルは今の走っているスピードを身体強化により大幅に強化し雪がいるであろう自室に全速力で向かった。


***


「何してる?・・・・おまえ?」


全速力で帰ってきたメルは自室に強引に入ると視界に入って来たのは別途の上に下着姿でモーリに覆いかぶされている雪の姿でありモーリの手は雪の下半身の下着に手がかかっている状態であった。

 もしメルが数分着くのが遅ければ雪は大変に事になっていた事はまず間違いないだろうがともかくメルは間に合ったのだ。


「ん?おいおい空気を読んでよ今ボクはお楽しみの途中なんだからさぁっね?さっさと荷物でもなんでも持ってここから出ていってくれる?もうお前はここの人間じゃないだからさぁ!またせたね僕のペットちゃん?待ちに待ったご褒美の時間だよ?」


それだけ言うとメルのは興味を失ったのかモーリは雪に向き直り下着を脱がし始めるが雪も必死に抵抗するが力の差は歴然であり雪の力ではどうすることも出来なかった。そして等々モーリが雪の下着を剥ぎ取る寸前で。


「モーリお前取り敢えず其処から離れろ!」


「はっ?なに・・・がっ!」


再度メルに向き直ろうとしたモーリは振り向いた瞬間メルの攻撃により屋敷の壁を何枚も破壊しながら外へと吹き飛ばされた。


「雪大丈夫・・・じゃないか。遅くなってごめんね?」


「・・・大丈夫じゃなけど助けてくれてありがと」


別途のシーツで体を隠しながらメルに感謝を言うとメルは満足げに微笑みモーリが吹き飛んだ方に向き直った。


「雪、其処に居てね?すぐに片付けるから」


「気をつけてね?」


「えぇ任せて」


メルは雪を安心させると屋敷の外に向かった。


「クソっ!クソっ!何だ!どうなってるんだ!なんで僕が飛ばされてるんだ!畜生!」


吹き飛ばされたモーリは悪態を吐きながらもなんとか起き上がり体に異常がないことを確認する。


「良くもやってくれたな?モーリ今までさんざんいろんな事をやってきたが今回の事は流石の私でも我慢できなくてね」


怒りの感情を隠そうともせず屋敷の上から見下ろすように告げるメル。


「お前!俺に何をした!お前に俺を投げ飛ばす力なんて無いはずだ!」


上から目線にかなり腹を立てったのかいつもの紳士気取りの仮面は剥がれ落ちていた。


「モーリ様!大丈夫ですか!」


其処に屋敷に控えていた何人もの使用人が駆けつけモーリの無事を確認した。


「僕は大丈夫だ!ソレよりもお前達あの女を始末しろ!アイツは公爵家の次男である僕を殺そうとしたんだ!反逆者だ!殺せ!」


使用人に喚き散らすモーリに集まった使用人は一瞬いつものモーリとかけ離れた態度に固まるが直ぐに命令されたことを理解すると一斉にメルに向かって接近していった。


「はぁ~遅いな」


メルと使用人の戦闘は一瞬で終わった。


数十人の使用人はメルに向かっていきそれぞれが携帯していた武器を抜くとメルに向かって攻撃を仕掛けるがメルは全てを読んでいるかのように一人ひとりの攻撃を完璧に捌き捌いた瞬間に反撃し確実に使用人の命を奪っていきメルの手は血で濡れていた。


「素手で瞬殺だと!?ありえない!」


「モーリ次はお前だ」


「舐めるなよ!魔抜けの分際で!」


自身を鼓舞するためにあえて大きな声を出すモーリ対象にメルは至って冷静にモーリを見据えている。先程は怒りに染まっているが今はそんなことはなかった何故なら今からその怒りをぶつけることができるのだ、怒の感情に左右されるよりもどうすれば目の前の男が最も苦しむのかを考えることに頭を使っているためである。


 しかもメルは知っている怒りの感情はうまく使えば利点になるがその状況は極限られている、つまり今はその時ではない。この感情は使う場面を間違えると取り返しのつかない事になりかねない代物であるメルはその事を知っている為今は努めて冷静になっているのだ。


メルが殺した使用人の一人が所持していた剣を拾い戦闘態勢を整えるモーリ対してメルは武器を持つ素振りはなくジッとモーリのことを観察している。


両者ともにうかつに動くことが出来ずに数秒が何時間にも感じられるほどに集中している。


「ファイヤーボール!」


最初に痺れを切らしたのはモーリだった、自分が隠したと思っているメルに警戒をしている事が気に食わず感情を優先して先に動いてしまった。


「はぁ~」


メルに迫りくる魔法攻撃をバックステップで簡単に回避したメルはため息を吐いた。


”避けられた?まぁあんな単調な攻撃躱せても不思議じゃないか、だがお前には致命的な欠点がある!確かにお前の身体能力は並外れているこの前の試合に関してもお前は敵の魔法を何回も回避していただが僕は見ていたぞ範囲攻撃に対してはお前は無力だ!”


「ファイヤーボム!」


手段を変え今度は爆発系統の広範囲攻撃をメルに繰り出したモーリ。


”これで決まった!所詮お前は魔抜け僕に勝てるわけ無いだよ!”


いくら身体能力が高くとも身体強化なしの移動速度には限界がある以前の試合での敗北は其処を疲れたのが要因になっているが今のメルは・・・・・・


「・・・・なんの工夫もなしか」


爆発地点を見つめ勝利の確信に浸っていたモーリだったがソレは背後からの聞こえてきた声によって潰される結果となった。


「なに!?どうしてお前が其処にいる!お前の力ではあの攻撃を躱すことは不可能なはずだ!」


「現に今私はここに居てお前の攻撃を避けたが?」


事実を淡々と言いのけるがモーリの中ではそう簡単に納得できる事ではなかった、なにせもし自身が考えていることが正解ならば今まで下に見てきた居あてに敗北してしまう可能性が生まれるからである。


「まさか・・お前魔力が覚醒したのか?」


「さぁ?そんなことよりも自分の心配をしたらどぉ?今度はこっちから行くから」


一歩メルがモーリに近づくと比例してモーリは一歩下がった。


”なぜ僕はこんなにも不安を感じるんだ!幾ら魔力が覚醒したからと言って鍛錬をしてきた年数は僕のほうが何倍も多いはずだ!そんなやつの攻撃僕に防げないはずがない!”


「いい気になるなよ!居つ覚醒したかは知らないがおそらくここ最近なんじゃないのか?もしだいぶ前だったらお前は父上に覚醒の報告をして学園でも使っていたはずだ!なのにお前は最近まで魔力を使わなかった!つまりお前が覚醒したのはここ最近の事だろ!」


モーリの予想は完全に当たっている、メルが力を体にれたのはほんの数日前の話である。


「確かに私が覚醒したのはここ最近の出来事だよ」


「やはりな!だったら・・・っが!」


 何か続けようとしたモーリだったが次の瞬間その口からは嗚咽の声が漏れた、モーリの隙きを付き一瞬でモーリに近づくと胸ぐらを掴み上げモーリを見上げたメル。


「何をべらべらと?今は戦闘の最中だ無駄口叩いてないでさっさと防御の態勢でも整えろ!」


「うがっ!」


 持ち上げた状態から地面にモーリを叩きつけると硬い地面でバウンドするモーリ丁度よい位置に弾んだモーリの襟元を掴むとそのまま近くの壁に向かって投げ飛ばし勢いを殺すことが出来なかったモーリは勢いよく壁に激突し肺の中の空気を血と共に口から吐き出した。


「なんだよこれ?なんでまだ僕は投げ飛ばされたんだ?・・・・・お前か?またお前が!俺を!」


なんとか立ち上がると手に握りしめていた剣に魔力を流し強化しメルに向かっていった。


「しねぇー!!」


 闇雲だが速度は最速を保ったままモーリはメルの心臓を足を腕を顔を縦横無尽に斬りつける、その全てが急所を的確に狙っている。一撃でも入れば勝ちは確定するだろうだが掠りもしない、モーリは今まで幾度も父親や兄に剣術を指南されてきており其処らの人にはモーリを倒すことは出来ない。


其処までは鍛えられているモーリの攻撃はメルにとってはとても遅く目をつぶっていても回避できるほどである。


「くそっ!どうして!どうしてっ!当たらない!」


「ソレはねっ!」


モーリの攻撃に合わせたカウンターは見事にモーリの腹部に命中しあまりの苦痛にその場にうずくまってしまった。


「ゴホッゴホッゴホッ!」


「殺気を隠しきれてないんからだけど?」


”どうして僕の攻撃が通じないこいつの動きまるで僕の攻撃を完全に見きっているようだった。確かにこいつは接近戦での戦闘に慣れている、だが身体強化を施せば単純な戦闘センスだけではなく魔力の練や量によっていくらでも戦力差は埋められるはずなのに!”


「このっ!」


痛みが和らいで来るとメルに向かって再度攻撃を開始するモーリだがソレすらも予測していたかのようにメルは完璧にモーリの攻撃を避けきる。


「ん?」


数秒間の猛攻をすると突然モーリはメルに対する攻撃をやめ距離を取った。


「降参だ、今の僕では前に勝てない認めるよ。今までいろんな事をして悪かったよコレからは一緒になってこの家を支えていこうよメルクーリ姉さん父様には僕から口添えするからさそうすれば今回の一件も何とかなるからさ」


突然の降参そして突然の協力の申し出そして差し伸べられる手に流石のメルも数秒間面食らったかのように数秒立ち止まってしまった。


「争いはここまでにしようよ姉さん」


ゆっくりゆっくりとメルに近づいていくモーリその顔は優しげで昔の無邪気で仲の良かった記憶が思い出されるメル、そして詰まっていく距離。


”そうだ!油断しろ手を握ったら最後お前を一突きで殺してやる!”


等々モーリがメルの目の前に到着しメルが自身の差し出した手を握るのを今かと今かと待っている。


”握れ!お前には喉から手が出るほどの好条件だろ?断れないよな?ならさっさと僕の手を握れよ!”


「あんたね?殺気出しすぎ」


「えっ?」


突然モーリの視界が落ち地面が勝手に近づいてくる現象に見舞われる。


「隠すならもう少し上手く隠すことだな?ソレすらもお粗末なお前に私が引っかかると思ったか?」


いつの間にかメルの手には怪しく紫色に光る刀が握られている、その刀身には何かが付着している。その付着しているものが自身の血であることに20秒ほどかかったモーリはようやく現象の原因を知った。


「足・・僕の足・・何処?無い無い無い!僕の足が無い!?」


「モーリお前が握った瞬間私にその隠し持ったナイフで攻撃することは丸わかりだ先程も言ったが殺気がまるで隠しきれていないっとそんな説教をしている暇なかったな、雪が待っているからそろそろ死んでくれる?」


「待ってくれ!本気か!?本気で僕を殺すのか!悪かった今までのことは謝るだから・・・ひっ!まっ待って!どうして殺すんだ!確かに今までのことはやりすぎたかもしれないが何も殺すこと」


「いいや?お前が死ぬ理由はソレじゃない」


「なら・・・なんで?もしかしてあの女か?確かにそうそう見ることは出来ないほどの女だけどそんな事で?そんな女のために僕を殺すの?」


「そんな事?雪は私に取ってこの世で最も大事な人だ雪に触れて良いのは私だけだし雪にあんな事をする権利を持っているのも私だけなんだ・・・なのにお前は雪の服を脱がしその柔肌を触り胸を揉みしだき,あまつさえ雪の聖域に手を伸ばした。ソレがお前が死ぬ理由だ」


言うことは終わったかのように刀をモーリの心臓めがけて突きを放った・・・・・・が。


「なんの騒ぎたこれは?」


メルがこの世で一番嫌いで昔は好きだったメルの父親とモーリの兄が其処に居た。







すいません、遅くなりました。


「面白そう!」


「続きが気になるかもしれない」


「期待できそう!」


なんて思った方が居たらぜひとも下の星を1以上お願いします!


ついでにブックマークもしてくれると執筆の励みになります!


感想も受け付けているので辛口でもいいです!ぜひお願いします!

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