運命の日の朝
雪をシャワーに連れて行き朝食を早めに済ませつもの日課になっている鍛錬をするために雪を伴い森に入っていった。
あれからメルは鍛錬の質を上げるためにほぼ毎日雪を見つけはダンジョンに潜っている、雪を見つける前はゴブリン以上の魔物ではホブゴブリンくらいしか挑んだことがなかった、しかし今のメルにはそんな魔物は鍛錬の相手としては不十分になっていしまっている。
そのためかなりの魔物がいるダンジョンに潜り雪の性能実験を行うと同時に神力の制御に力を注いでいた。
メルの適応能力はずば抜けており数時間立つ頃にはかなりの精度で神力を操れるようになっており、今では最下層にまでに遭遇する魔物にもなんの苦労もなく倒せるようになっているほどである。
雪の能力内の武装に関してもかなり扱いに慣れて来ておりメルの実力は以前の比ではなくなっている、この鍛錬の日が数日と続いた。
そんな何気ない日常が何日か続くとあっという間に運命の日にがやって来る。
***
「起きて雪お気なさ~い」
いつものようにメルが先の起き雪を起こそうとしているが毎度のことだが雪はそう簡単に起きることはなかった、しかも相変わらず起こそうとするときには服装が乱れに乱れ殆ど裸で眠っているのでは?と勘違いしたくなるような格好である。
しかしメルはこの雪の格好に関しては何も言わなかった、もしこの部屋に誰かが来て雪の存在と裸が見られるのは大問題だがそもそもこの部屋に誰かが来ることは殆どない。仮に来たとしても雪を神機の本体に戻してしまうため雪が見つかる可能性は低いのだ。
「ヤダ~まだメル姉と寝てたい!」
「?!」
いつものようにメルが雪を起こそうとしたが、今回に至ってはいつもと違ったようだ。雪は近づいたメルの首に自身の腕を回しメルを押し倒す形になりメルの胸に顔を埋めながら再び眠りについたのだった。
対処しようとすればいくらでもできたがそんな野暮なことはするはずがない、いつもメルがこういった事をやろうとすると雪はいつも恥ずかしがって逃げてしまうのだが、雪は朝にめっぽう弱く起きてから数十分は頭が完全に働いていない状態になっている為いつもよりも大胆な行動に出てしまうのだ。
「えへへっいいにお~い」
「うグッ!」
メルの胸の中で鼻いっぱいにメルの匂いを吸い込み満面の笑みを浮かべながら眠る雪の姿にメルは完全にノックアウトされてしまっている。
それもそのはず今の雪の攻撃力はまさに女神級なのだから。
それからは起こすに起こすことができず1時間ずっと雪の抱き枕になっていたメルは心底幸せそうな顔をしていたとか。
やっとのこと雪をお越したメルは急いで着替えをしていた、其処にシャワーから上がった雪がちょうど出てきたところだった。
「あれ?メル姉どこに行くの?」
「あの人達のとろこにね。今日は大事な日だから流石に挨拶に行く必要がある」
「・・・そうなんだ。気をつけてね」
「あぁ」
自室を出ると先程までは幸せな気分だったのに一瞬でメルの表情からはそれが抜け落ち無感情な表情になっている。それもそのはずいまメルが向かっている先には彼女がこの世で一番嫌いな人達が勢揃いしているのだから。
自然に足取りは重くなるのは致し方がない事だった。
暫く歩くととある部屋の前にたどり着く扉の前には扉を開けるのが仕事の執事が立っているがメルが扉に近づいても動く気配はなかった、つまりは完全な無視である。
(はぁ~ここは相変わらず嫌な感じ、でもそれも今日までだけど)
意を決して自分で扉を開け中に入ると中にはメルがこの世で一番会いたくない三人が食事を楽しんでいた。家長である父と兄と弟の三人はメルが来るのを待つことなく食事を開始しているしかも以前は粗末だがメルの席には食事がおいてあったが今回はメルの席には何もおいていなかった。
(今回は何もなしかまぁ雪と一緒に食事する気だったからいいけど)
そのままメルは席につくと最初に口を開いたのは父親であるこの家に家長シュナイド・リーデンブルクであった。
「レオン今日はお前の卒業の日だったな」
「はい、父上」
「うん、卒業後は中の良かった殿下の親衛隊に入るそうじゃなか。父として鼻が高いぞ」
「ありがとうございます!」
まさに楽しい食事時に最高の話題である、兄であるレオンと父の会話はこれ以降も弾みしばらくするとメルは「私もう出てってもいいかな?」と思い始めた頃に
「クライメール」
「何でしょうかお父様」
「お前に私を父と呼ぶ資格はないと何度言ったら分かるのだろうな?まぁいいそれよりも今日が貴様の最後の日だ卒業パーティーが終わり次第即刻この家から出ていけそして二度と私の前にその面を見せるな」
「分かりました」
メルが父であるシュナイドに勘当の話をしている横では弟は満面の笑みでメルのことを見ている、完全に蔑んでいる笑みである。
「やっとこの家から汚点が居なくなるんだね!兄さん!」
「あぁ、これで私としても安泰を期待できる」
昔からメルをいじめることが生きがいだったモーリー、いつもメルを汚物でも見るかのように冷たい視線を送っていたレオン。ふたりともメルが子の家から居なくなることをこの上なく望んでいた二人がこの出来事を喜ばないはずがなかった。
「それでは私はこれでパーティーの準備があるので」
メルが席を立ち部屋を後にした後には楽しそうな会話が遠くから聞こえてくる、以前のメルであれば何かしら思うこともあったが今のメルには雪がいる部屋に帰れば雪がメルの帰りを今か今かと待っているはずと考えるといつも間にか足取りは早くなりこの荒んだ心を早く雪で癒やしたと望んでた。
「雪、ただいま」
メルが部屋に入ると中からは
「おかえりー!メル姉!」
と満面の笑みでメルのことを出迎えるた雪がメルの胸に突っ込んできた、それを受け止めると先程までの嫌な感じは一切消え今のメルの中にあるのは早く雪とこの家を出て帝国までの道中いろいろな場所を見て回りたいという願望だけであった。
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