帰宅
九尾との話が言わるとメルは「雪こいつらの仲間が来る前に離れるぞ」と言って雪とメルは帰路についた。
「ねぇメル姉あの人達の目的って私だったの?」
「あぁ、恐らく雪と買い物をしている時に目をつけられたんだろう」
話を聞くと雪の表情は目に見えて曇っている。無理もなかった自分のせいで大切な家族であるメルが危険な目にあったのだ原因が自分にあると分かった瞬間の雪の内心はかなり落ち込んでいた。
「雪、私は大丈夫だから。雪と契約したときからこういった事は起きると思っていたし今後またこういった事があっても私は絶対雪を離さないから」
そんな雪を見たメルは雪を自分の胸の中に抱きしめ頭を無である、その手付きはどこまでも優しく一ナデするごとに雪の心から不安の気持ちがなくなっていく。それにメルの胸の中は雪の安心スポットナンバーワンになっている。メルの胸は大きく驚くほど柔らかいそんな二つのマシュマロに顔を埋めると凄まじく安心するのだ。
「うん」
雪もそっとメルを抱きしめ返し、しばらく離れなかった。
【メルの内心】
(不味い!非常に不味い!この状況雪が暗い顔していたから励ますために思わず抱きしめてしまったがまさか抱きしめ返されるとは思ってなかった!
私の心臓の鼓動が早くなっているのがバレてしまう!・・・だけど、雪からなんとも芳しい匂いが~)
普段は落ち着いているメルの内心はかなり荒れている。もちろんいま雪を抱きしめているメルの表情は落ち着いているが内心はこの通りテンパってしまっている。
今までのメルは自身の内側を隠して生きてきたため繕うことに関してはかなり手慣れている、それが雪の前でも出てしまっている為表面上はクールなお姉さまと言った感じになっている。
もちろんクール系はメルの性格の一部ではあるがそれが全てではない彼女の中には雪とあったことで今までになかった独占したい欲望と雪を甘やかしたい二つの感情が芽生えてしまった。
雪が眠っている時に雪の寝顔を見ながらメルはもし雪を失った場合の事を考えた瞬間があった、その過程を想像した瞬間メルの目からは涙が止めどなく溢れた。
いままで家族からは疎まれメルを家族として接した存在など母親以外にいなかったがその母親は既に亡くなってしまっている為、あの家ではメルは常に一人であった。
一人に慣れてしまったメルだがそれは慣れただけで一人が好きなわけではない、常にメルは誰かに必要な存在になりたいと思っているがそれを奥底に封印して生活をしてきたがそんな中、雪という存在がメルの前に現れたのだしかも雪はメルに親しく接してくる唯一無二の存在なのだこれで依存しない訳がなくメルは既に雪がいない生活に戻れなくなってしまっている。
そう理解したからこそメルはある一つの決心をした。
「私から雪を奪わせない!何を犠牲にしてでも私は雪をこの手の中に閉じ込めて見せる!」
何が言いたいかというと今のメルは完全に雪に依存し始めてしまっているそれもかなり重症なほどに。
***
九尾と別れた後メルと雪はまっすぐに家まで帰ってきた、日は既に傾いている時間で街の中は皆晩御飯を食べているか買い出しをしていたりと穏やかな町並みが写っている。そんな穏やかな町並みを歩いている雪は未だに雰囲気が曇っている。
その証拠に未だにメルの手を離さないで握っている。
「雪?少し買いたい物があるから少しだけ手を離してくれる?」
メルがそう言うと雪は目に見えて寂しそうな顔になりメルの腕に体を密着させ更に抱きつく結果となった。
「・・・・・・・ヤダ」
これには流石のメルも少し困った表情をするがこんな弱々しい雪が可愛く結局手を話すことは出来なかった。
仕方なくこの日の買物は断念しメルはそのまま雪と家に帰ることにした。
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