余裕
少し短めです
「お前たちの目的は雪だな?」
襲撃者の首を鷲掴みにしながら投句にいるメルの様子をうかがっている数名に視線を向けて問いかけた、そんな事を言っている間にも首を掴まれた男はメルの手を外そうと奔走するが未だにメルの手はびくともせず暴れるしか無かった。
「・・・・・・」
もちろん襲撃者は答えないここで情報を相手に渡すことはしない、そんな事をすればこの場から生きて帰っても情報を軽んじたつけを払わされることになるそんな事がわからない彼らではない。彼らが顔までも全て隠しているのは顔を見られるわけには行かないのと顔から出る情報の流出を避けるためなのだ。
質問をしたメルはなんの情報も得ることはできなかった、やはり何も答えないし顔も見えないため情報が分析できないがおおよその目的は予想がつく彼らは恐らく足止めまたは抹殺のために自分のもとに来たのだと。
(恐らくこいつら目的は雪なのは間違いない町で雪のことを標的にされたか?確かに雪ならばかなりの高値で売られるだろうがそんな事を私が許すと思っているのか?雪を攫っても居場所なら完全に把握しているアジトに言った瞬間に乗り込み全員殺せば今後の心配もなくなるしなっ!)
ドンッ!!!
何かが地面にめり込む音がすると先程までメルをどういった先方で倒すか悩んでいた彼らは現実に引き戻された、そして音の原因を探るとその答えはすぐに見つかった。原因は先程メルに捕まり暴れていた仲間が地面に叩きつけられた音だった。
男が地面に叩きつけられると本人は一切動くことがなくなった、死んだのか?と一瞬考えるも流石にあの程度の攻撃では死にはしないだろうと考えるのも止め目の前の敵に再び集中するのだった。
(何なのだ?この女は、隙きがまったくないではないか!一体どこをどう攻めればこいつも倒せる?いや、違うな隙がないのなら作ってしまえばいいだけのことだ!)
「行くぞ!我々三人でいの女を殺すぞ足止めなど考えるな少しでも手心を加えればヤられるのは我々の方だ!」
「「はい!」」
彼らが仕掛けるために体に力を入れた瞬間それを感じ取ったのか先程までは下で伸びている男に視線を向けていたが今はこちらをジッと見つめている。果たして彼女には我々はどう写っているのか?取るに足らないネズミか、又は明確な敵か。
そんないらない思考に考えを割く事を止め一人はにメルに向かって他の二人は別の方に向かって走り出した。
(三方向に別れた?これは少し面倒なことになったな、もし逃げられでもしたら雪の今後に差し障るしな)
そんなことを考えている間にメルに向かってきた恐らくはリーダーである男は懐から短剣を二振り取り出すとそのままの勢いを殺すことなくメルに斬りかかった。
狙いは足彼の狙いはまず敵の機動力を削ぎ集団で波状攻撃を仕掛ける事、動きが鈍くなれば三人の攻撃をすべて躱すことは不可能故に彼らの勝率は高い。今回もいつものようにフェイントを混ぜながら確実に足を狙っていった。
視線を首に向けることであたかも敵は自分の首を狙っていると勘違いし首に警戒を向ける、その視線の通り彼は最初は首を狙う其処で終われば良しだが其処で終わらなければもう片方の手の短剣で再度首を狙う。こうして二つの武器で首を狙うことで敵は確信する自分は短期決戦を望みだからこそ首を狙ってくるのだと。
(だがな!俺の真の狙いは首なんかじゃない!)
男はメルの首にめがけて短剣を振るう、その斬撃はメルがいつの間にか持っていた夜桜によっていとも簡単に止められてしまう、続く二撃目に関しも攻撃が形に入る前にメルの片手によっていとも簡単に防がれてしまった。
(かかった!)
いまメルの両腕は彼の短剣の攻撃によって塞がっているそれは男もそうなのだが残念なことに彼の武器はこれで終わりではなかった。
「もらった!」
脚部(つま先の先端)に仕込んだ暗器による一撃これこそが彼の一撃必中の渾身の攻撃なのだ、しかもメルの視線は今彼の顔に向いているため下にまで気を配ることは出来ないはずである。つまりメルはこの一撃を視認していない為避けることも受けることのも出来ない。
この攻撃によって多くに敵が脚部に深い傷を負い彼らに敗れてきた、片足を引きずっては彼らから逃げることは不可能故に彼らは敵を逃したこともない。
(決まった!完璧な一撃だ!これでこの女の足は封じた!)
彼ら三人はいつもどうりの展開になると確信していたが事はそう毎回予定通りには行かない。
「何ッ?!」
確信を持った一撃は確かにメルの足に命中した、其処までは良かったしかし攻撃が当たると何故か刃が刺さっていかないのだ。当たったところからまるで刃が進まない何かに阻まれているかのように止まってしまっている。
「残念だな、君が足を狙っていることはおおよそ見当がついていた。そのあからさますぎる視線は逆に裏があると言っているようなものだな」
メルの足に刃が刺さらなかったのは魔装が彼の攻撃の刃を完全に阻んでいるせいである。メルは彼のあからさまな視線に勘付き、攻撃を受けた後も敵の全体をくまなく観察していたすると彼の脚部に違和感を感じ両足に魔装を展開したのだった。
驚きのあまり彼はその動きを止めてしまった、闘争の中で動きを止めるのは死に直結する。例にもれず彼のその洗礼を受けてしまった。
「うぐっ!」
動きを止めてしまった彼は彼よりも細い女の腕によって首を捕まれ持ち上げられてしまっていた。しかも今のメルは身体強化を行っていない素の力で自分と同じくらいの身長の男を軽々と持ち上げているのだ。
武装召喚【ヴォルン】
敵を鷲掴みにし何をするのかと思いきやメルは銃型の神機を召喚し周りの林の中に照準を合わせるとおもむろにトリガーを引いた。メルがトリガーを引くと銃の先端から何かが打ち出され視認できるものは少ないほどのスピードで林の中に入っていった。
他人から見れば一見無造作の銃撃だと感じるが彼には違ったその銃撃の先には何があるのか分かっていたからである、そうその先には彼の部下先程別れたうちの一人がその先で罠を仕掛け彼が合図するのを待っているのだ。
遠くから聞こえる何かが草にぶつかる音が聞こえる、かなり小さいが彼には長年鍛えてきた耳には確かに捉えることが出来た。恐らくはもう生きてはいないだろう彼の部下は何が起こったすら知ることなくこの世から消えたのだ、それはある種のラッキーだったのかもしれないその理由はこの後になって理解するだろう。
「さて、これで残りは一人か」
既に残っているのは二人しかもそのうちの一人はメルによって拘束されている、先程から打出を試みるもメルの腕を振りほどくことが出来ずにいる為実質この場で戦力として数えられるのは一人しかいなかった。
(ハァハァ、もしかして俺もバレているのか?ならこの場を移動しなければ!だがもしバレていなければ俺だけでも逃げなければ!逃げてこの事を組織に伝えないと!)
その最後の一人は逃げる算段を考えていた既に勝機などなくどのようにこの情報を持ち帰るのかを考えている。この場でその判断ができる辺り彼らはプロなのだしかし自分は既に見つかっているのでは?という恐怖心から彼はプロにあるまじきミスを犯してしまった。
「発見」
ズドンっ!
その恐怖心からわずかに漏れた気配一瞬ではあったがそれを見逃すメルではなく発見した瞬間に標準を合わせトリガーを引いた。攻撃はもちろん命中隠れていた最後の敵は頭を正確に撃ち抜かれ先程の敵と同じように草むらに倒れ込んだこちらも即死だ。
「これで君とそこで伸びてる間抜けの二人だけ、情報は後で得るとして・・・ん?」
メルは違和感に気がついた先程から雪のいる場所は把握しているその場に敵の別部隊がいることも把握している雪を触らせるのは業腹だが今後の今後のことを考えると裏の組織ともなにかある可能性が高い故に何かが起きる前に壊滅させるために敵にアジトまで雪を運ばせようと考えていたがどうやらそうはいかないらしい。
(敵の反応が消えた?いや殺されたのか?だがあと一人残っているな、だが一体誰が?気配はしなかった)
メルの中に嫌な予感が立ち込め掴んでいた男も地面に叩きつけ昏倒させると直ぐに身体強化を施し雪がいる場所まで全速力で向かった。
「面白そう!」
「続きが気になるかもしれない」
「期待できそう!」
なんて思った方が居たらぜひとも下の星を1以上お願いします!
ついでにブックマークもしてくれると執筆の励みになります!
感想も受け付けているので辛口でもいいです!ぜひお願いします!