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無能?勝手に言ってろ!  作者: カシム
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確定された未来

最近プロットの重要性を新たにソフトをダウンロードしました!そしたらかなり書きやすくなってはかどります!

 会場には4年生の最後の試合なだけありかなり多くの観戦者がこの試合を見ていた、中に入場し辺りを見渡すと騎士団の重鎮や国の重役の顔があった、もちろんその中には父の姿もあったが私を見つけても何も反応しない、やはり何も期待していないようだった。


後ろを向いていた顔を前に向き直すと其処には今回の対戦相手の「マルーク」がいま会場に入ってきている途中であった。

 性別は男でかなりガタイが良い恐らく接近型のパワータイプの魔剣士であると予想し自身が窮地に立たされたと感じていた。なぜなら私は魔力が使えない故に最大の天敵は固い相手になる絡めてなどは有効打にならない可能性が高いため自身の技などが決定打にならないのだ。相手はこちらの技を何度受けても効かない逆に私は相手からの攻撃を一回でも当てられたら負けは確定、言わずもがな完全に不利であった。


「一回戦からあんたかラッキー!!」


完全になめられていた、しかしそれも仕方がない。この世界で魔力が使えない事はとてつもないハンデになっている。


「それではクライメール・リーデンブルク対マルークの試合を始めます。両者指定の位置に付いてください」


審判から試合を始めるために声を掛けられ両者ともに指定の位置に付き開始の合図を待った。


「それでは良い試合を!はじめーーー!!」


「行くぞ!《身体強化》」


開始の合図とともにマルークは戦闘の常識である身体強化を発動し自身の体を強化した、これで私の攻撃のすべてが通じなくなった合図でもあった。


身体強化をすませたマルークはこの試合を終わらせるべく強化した脚力でお互いの距離を一気に縮め試合前に選んだであろう試合用に刃引きされた剣を上段から振り下ろした。


魔力により強化されたそのひと振りは私からしたら一撃必殺の攻撃になっている。そんな攻撃をまともに受けることは無くメルはその一撃を何とか回避した。

 これにはマルークはかなり驚いていたなにせ相手は魔力が仕え使えない為身体の強化を行っていないつまり現にマルークは身体能力でメルを大きく上回っておりそんな彼の攻撃を一般の動体視力のみで避けたことに対して驚いていた。


「へぇ~なかなかやるじゃないか、よく今の一撃を避けれたね。だったらこれはどうだ!《飛斬》!!」


 今度は剣に魔力を纏わせその剣を振るうと振った直線状に不可視の刃がメルに向かって放たれた。この技は学園では初歩中の初歩の技になっており誰でも避けることが出来るそれが当たり前なのだ。だがそれは体を強化していることが前提であるため強化のできないメルには回避するのがかなり難しく難易度が高いが今までの鍛錬が実を結びこの攻撃にも何とか対応している。


要は敵が振った直線にしか攻撃が来ない為剣の直線状に居なければ当たらないのである、しかし肉体が強化されているマルークの剣筋を目で追うというのはかなり難易度の高い芸当であるがここはメルの唯一の才能である戦闘センスが輝きその芸当を可能にしていた。


「なっ!なぜ当たらない。魔力の使えないお前にはよけ続けることなど出来るわけがない!」


残念ながらよけ続ける事は可能である、相手の剣筋が見えているためメルは最小限の動きだけでその攻撃を避けることが出来るのである。だが悲しいかなメルに出来るの避ける事しかできないもしメルが攻めた瞬間この試合は決着するだろうなぜならマルークはメルの繰り出す攻撃をあえて受けるだろうそして攻撃によって無防備になったメルを攻撃するだろう。


そうなれば避ける事は難しく完璧に避ける事は出来ないだろう、掠っただけでも大ダメージは入ってしまうためそんな状態になったら今のように攻撃を避ける事すらできなくなってしまう。


 だからこそメルは回避だけに力を注ぎマルークの魔力切れを狙っていた。魔力が切れてしまえば同じ土俵に立てるため勝利の確立がグンっと上がる。その時を今のメルは待つしかなかった。


「だったらこれでどうだ!《ファイヤーボム》!!」


効果範囲の小さい攻撃は有効打にはならないと判断したマルークは次に広範囲の魔法を行使し始めた。

 これは中々痛い手であった勿論メルにとって広範囲になってしまえば避ける範囲も増えスタミナをより多く消費してしまうため仮にマルークの魔力が切れてもその後に戦うだけのスタミナは残っていない為負けは確定してしまうが、残念ながら今は後の事を考えている暇などなく今は目の前のマルークの攻撃を避ける事に集中するしかなかった。


だがこれはかなり無理な話であった、なんせ範囲が広いため連続で撃たれれば避けられる範囲が少なくなっていき逃げ場が無くなってしまう。この状況最早詰みの状態に等しかった。


そしてその時は等々訪れたのだった。


ドゴーーーーーン!!!


「ぐぁぁぁぁ!!!」


何発目か最早分からなくなった頃逃げ場が無くなり避けることが出来なくなったメルにマルークのファイヤーボムが命中しその爆風により大きく吹き飛ばされたメルはそのまま勢いを殺すことなく壁に激突し壁を大きくへこませるとそのまま力なく倒れるのだった。


「そこまで!勝者マルーク!」


「よっしゃーーーー!」


”あぁ、やはりいくら鍛錬を積んでもここが私の限界なのかな?やっぱり魔力がなければ勝てないのかな?無意味だったのかな?”


意識の朦朧とする中己が今までにやってきたことが無意味だったことを悟りどうすればよかったのかを考えながらゆっくりとメルの意識は遠い世界に旅立っていった。


(担架を早く!医務室まで急いで運びなさい!)


それが最後にメルが聞いた言葉だった。


***


目を覚ませばそこは良く知る天井が視界に飛び込んできた、慣れ親しんだ光景だ。試合があった日や実践訓練があった日などは高確率でここに運びこまれる為私は既にここの常連になっていた。

 もう何回ここに来たの数えることなど当の昔にやめてしまう程ここにはお世話になっていた。この家にベットよりも固い感じのベットに体を預けるたびにこの学園での苦い記憶が今でも鮮明に頭に残っている。その苦い記憶は今日の試合によってまた1ページ増えたことを思うとうっすらと目に涙が浮かんできた。


”頑張ってきた。魔力が無くても敵を倒せると証明したかった、そうすれば父や兄弟を見返せると思ったがいくら頑張ってもやはりだめだったのか”


”はぁー次は何をすればいいのか分からなくなってきた、何を根拠に鍛錬をすればいいのか”


 今回の試合では相手を魔力切れに追い込み同じ土俵に立たせて相手を倒す算段を立てていた為メルは持久力をメインに鍛錬をしていたが、結果は広範囲の魔法を使われてしまえばそれも無意味になるものだった。


この作戦はメルの渾身の唯一の勝機だったのだが実現する事は出来なかった、もしメルに魔力があればあの試合はまず間違いなく勝っていた、正直余裕だっただろう。なにせ相手は攻撃を繰り出すだけで敵の動きを何一つ見ていないのだから。


戦闘経験の低さは目を見るよりも明らかだった、そんな相手は自主鍛錬によって多くの実践を行ってきたメルにして言えば楽勝な敵だったはずなのだが結果は惨敗。メルは敵に近づくことすらもできなかった、ただ魔力攻撃をされ続け被弾し意識を失い試合終了。


これが現実、いくら戦闘経験を積み相手より経験があったとしても魔力がその差を覆してしまう。それほどまでに魔力という存在は大きかった。

 魔力がないだけで己の努力がすべて否定されていく結果に理不尽を感じながらメルはベットを降り自身の教室に向かのだった。


 医務室を出るとメルの顔に夕日が差し込み彼女にまぶしいさを与えていた、どうやらかなり眠っていたらしい。試合は午前に行ったが目がされた時にはすでに夕方になっていた、それだけ今回の試合のダメージは大きかったのだろう。


「はぁぁ、また負けたのか」


 試合を思い出してしまい暗い気持ちを我慢することが出来ずについついため息が出てしまうメルであった。その足取りは重く教室までいつもの数倍の時間が掛った。いつもならここまで落ち込まずに次の試合のためにいろいろと考えるのだが今回はそんな考えなど微塵も考えていなかった、なにせ今回の試合がメルにとっての最後の試合だったのだから。


”結局一回も白星を作る事は出来なかったか”


その現実は彼女の足取りをさらに重くするのだった。


時間はかかったがようやく教室に着くと中にはだれもおらず既に皆帰った後だった、メルは自分の荷物を手早くまとめるとそそくさとその教室を後にし家に帰るべくいつもの鍛錬(イジメ)を開始したのだった。


***


今日の帰りの鍛錬(イジメ)はいつもの倍以上の時間が掛ってしまった為家に着くころには既に空は真っ暗になってしまっていた。屋敷の入り口の扉の目に来てもいつも道理使用人が扉を開ける気配は無い為メルは自分で扉を開けると自室まで一直線に向かった。


 部屋に着くとそのままかばんをそこらへんにほうり捨てキングサイズのベットに倒れこむと顔に枕を押し付け動かなくなってしまった。


コンコンッ


その姿勢から数十分が立ったころメルの部屋の扉にノックが掛った。


「お嬢様、旦那様が執務室にてお呼びになっております」


言う事だけ言うとその使用人は扉から離れていき気配は無くなっていった。


「あの人が?今さら何の用?」


 何か嫌な予感はするがこの家の当主に呼ばれたのだこれを無視するわけにはいかず向かおうと思ったがベットから体を起こすと今の自分はまだ体が汚いことに気が付き急いでシャワー室に向かい体を綺麗にし部屋着に着替え身支を整え父が待っているであろう執務室へと向かった。


嫌な予感を覚えつつ現当主が待っている執務室の扉の前に到着し入室するべくノックをした。


コンコン


「お父様、クライメールです」


「入れ」


「はい」


 シュナイドの声は娘である彼女に向けるべきではない程冷たい感じの声であった、その声音にさらなる嫌な予感を感じるメルであったが来てしまい声までかけたのだ覚悟を決める時間などなく深呼吸をすると意を決して入室した。


入室すると中には父と兄と弟が既に来ており何やら真剣な面持ちで椅子に座っている。

 父は奥の自分の仕事机に兄と弟は来客用の二つの長椅子に向かい合った状態で座っているためどうやら私の座る場所は無いようだ。


「お父様何の用ですか?」


「聞いたか息子たちよ、この娘は今日あのようなことがあったのに」


「まったく、だから前にも言っただろう貴様に試合にでる資格などないと?それを無視して結果がわがリーデンブルク家の顔に泥を塗る結果となった。お前はどれだけ俺や父上に迷惑をかけているのか理解できているのか?」


「これが僕と同じ血を引いていると思うと怖いよ僕は」


「貴様が今呼び出されている理由は今日の試合についてだ。貴様が今日戦った相手は何の変哲もない平民だ、確かに実力はあった方だがこの二人なら問題なく勝てるほどの相手だったなのにお前というやつはあんなのにすら勝てない。この結果は私を大きく失望させた!よってこれ以上お前が試合に関わることは許さん!私の方でお前の辞退を申し込んでおいた、これでお前が敗者復活戦に出る事は出来ない。さらに学園の卒業パーティーの当日まで学園に行くことを禁ずる!」


「そっ!そんな!」


その内容はメルに大きすぎる衝撃を与えた、今行われている試合には敗者復活戦が存在しメルももちろん出るつもりではあったが如何やら既に出る事は出来ないようだ。

 これでメルの学園生活は終了したのだったがまだメルの悲報は終わってはいなかった。


「そして卒業パーティー終了後ただちにこの家から出ていけ!お前など我が血をひいた者だと私は認めん!即刻出ていくように!今すぐではないのは私からの恩情だと思え!私からの話は以上ださっさとこの部屋つまみ出せ!」


とりつく暇もなく会話が終わり部屋外で待機していた使用人によって部屋から放り出されたが、そんなことが気にならない程に私は動揺していた。

 しかしずっとそこにいるわけにもいかず考えがまとまらない中自室へと向かい歩き出した。しかし向かっている最中何も考えられなく廃人のような感じになっており通り掛る使用人はあからさまにメルを避けていた。


 そしてやっと自室に到着し部屋に入ろうとするとある違和感に気が付いた、何故か閉めたはずの扉が少しだけ空いているのだ使用人などは私の部屋に入ってくることは無いためその線は無いだったら誰がメルの部屋に入ったのかその答えを知るためにメルは自室の扉を開け中に入った。


そこにいたのは「モーリ・リーデンブルク」メルの弟だしかもその手に持っているのは学園の制服だった。


「モーリ何をやっているの?その持っている私の制服を返しなさい」


「なに?偉そうに言ってんの?無能の分際で?これはもうお前には必要ないモノだろ?それに俺もこれ以上お前が学園に行くのには反対なんだ。だってそうだろお前が恥を振りまくたびに俺のイメージも下がってしまうかもしれないしな?」


そういってメルの制服を返す気のないモーリだったが次の瞬間その手に火の魔法を出現させるのだった。


「どうせもういらないものだし燃やしてもいいよな?それにこの部屋にあるものも?どうせお前はパーティー後にこの家から出ていくんだから?」


バリーン!!!!


いらしい顔をしながらモーリは近くにあった花瓶に目を向けるとそれをおもむろに破壊した。


「やめなさい!」


「何命令してんだよ?無能分際で?ははははは・・・調子に乗るなよ?《魔弾》」


 《魔弾》これはただ手に魔力を集めて飛ばすといった簡単な技である威力も殺傷レベルには至らない為ほとんど使われないが家具や物などを壊す威力は持っているため間違っても使用人を殺さない為にモーリはこの魔法を選びメルの目の前で家具などを破壊し始めた。


「ははははははははははは!!!!」


 壁などは一切貫通せずきれいにメルの家具だけを破壊していくモーリの魔弾をメルは見ている事しかできなかった、なにせ家具を破壊するだけの威力だ強化をしていないメルに当たればかなりのダメージになってしまうためメルには止めることが出来ないがここまで大きな音を出せばもしかしたら誰かが止めてくれるかもしれないと希望的観測を考えるメルであった。


そしてその考えはだ正しかったようで騒ぎを聞きつけたレオンがメルの自室に入ってきた。


「モーリ何をやっている?こんな無能のために無駄な魔力を使うな」


やはりメルに味方は居なかった。


「はーい兄さん」


それを最後にモーリは部屋を出ていった。


「俺の時間を無駄にさせるな無能が!」


威圧感のある態度でメルを叱ると扉を思いきり強く締め出ていったレオン。


今日は今まで起きた嫌なことの中で断トツで最悪の日だったメルの目には涙が浮かびメルはそのままベットに倒れこみ泥のように眠った。











「面白そう!」


「続きが気になるかもしれない」


「期待できそう!」


なんて思った方が居たらぜひとも下の星を1以上お願いします!


ついでにブックマークもしてくれると執筆の励みになります!


感想も受け付けているので辛口でもいいです!ぜひお願いします!

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