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無能?勝手に言ってろ!  作者: カシム
17/29

休み3

「雪いい加減機嫌なおして、ね?」


あれからメルと雪は屋敷を後にし街に繰り出していたがしばらく経つのが未だにメルから見た表情では雪の機嫌は斜めのままだった。

 メルは毛布に引きこもる雪を何とかして引き出しご飯を餌に街まで連れてくる事には成功したが、ここまでの道のり雪はメルと一言も話していない。ずっとムッとした表情のままメルの後ろを歩きつずけている。


雪も内心では自分が悪いと理解はしているが恥ずかしさのあまりメルの顔が見れなかった、実は雪は怒ってなどいなかった。ただメルの顔を見るのが未だに難しいだけでありメルのも雪も二人とも怒ってなどはいなかったが状況的に二人ともそう思ってしまっている。


雪は怒ってなどいないと言われたが内心では怒っているのでは?と考えてしまっておりメルに話しかけずらかった。メルはそんな雪を見て盗み見した事に対して怒っていると感じ雪の機嫌が直るまで待っているつもりだったが、その期間が長かった為流石に声を掛けたのだった。


「さっきは盗み見して悪かった、だから機嫌なおして」


「別に怒ってないよ、ただあんな事をしている所見られてメル姉はあぁ言ってくれたけど内心怒っているのかなって?」


「さっきも言ったけど別に怒ってない、変態なんて言ったのは悪かった。ごめん」


真剣な表情のままメルは雪から一瞬たりとも視線をそらす事なく謝罪した。


「うん、分かった。私の方こそごめんね、さっきから嫌な態度とったりして」


 メルの誠意が伝わったのか雪はメルに抱きつきメルも雪を抱きしめ返した。しかし二人は忘れている此処が何処なのかを。往来の真ん中で二人の美女が抱き合えばそれはもう人目を引いてしまう、その結果メルと雪を凝視する視線は多くありそれに早くに気がついたメルは素早くその場から退散した。


人々は去っていく二人が見えなくなると先ほどのように移動を開始し二人の存在を忘れるのだった、しかし二人が去っていく後ろ姿をいつまでも()()()()とした視線-で見てる輩もいたり居なかったり。


***


「それじゃぁ先ずは御飯にしようか、あそこの宿の御飯はかなり美味いぞ」


「へぇ〜何があるの?」


「色々、例えばパスタとかステーキに焼き魚とか種類は豊富だ」


すっかり仲が戻った二人の最初の目的地は勿論食事となっている、雪もそうだがメルも屋敷では食事にありつけて無かった為二人とも腹の虫がおさまらない程には腹ペコになっている。


”へぇ〜この世界ってパスタとかあるんだ、もしかして私と同じように向こうの世界から来た人達が広めたのかな?まぁ良いかそんな事よりも”


「早く食べに行こ!」


お腹が減っている雪は先ほどもでの雰囲気など感じさせないくらいの勢いでメルの手を掴むと宿屋に向かって走り出した。


ここは「宿り木亭」この町の中では一般的な宿である。宿屋の中は至って平凡な木製の大きな宿だった、街では無難な宿屋らしく内装は可もなく不可もなく、食事の品質は良好、雰囲気は最高の人気の宿屋だった。

 勿論食堂の味にもこだわりを持っておりどれもが人気メニューになっている。


二人が中に入ると中には何人ものお客が朝食をとっている最中でかなり賑わっている。そんな中突然入店した二人の美女に宿屋全体の視線が注がれるがメルは気にした様子もなくいつもの席に向かって雪を連れていく。


「おはよう。おばさんいつもの二つくれる?」


「おや、おはようメルちゃんと、そっちの可愛い子は誰だい?」


「はじめまして、私白雪って言います。今はメル姉、じゃなくてメルさんの屋敷にお世話になっています」


「そうだったのかいメルちゃんの知り合いなら歓迎だよ!さぁさぁ!この宿の食事は絶品だ!何でも頼んでね、今日は奮発するから!」


「それは楽しみです!」


「ちょっとおばさん?私にはないの?」


「分かってるよ!メルちゃんにだって奮発するさ!」


「あぁ、ありがとう」


メニューを見ると名前だけが書いてあり写真など何も載っていない、しかも内容に関して何も記載されていないため雪には書かれているメニュー内容は殆ど理解できなかった。 

 何を頼めば良いのかわからなかった雪は結局メルと同じ物を頼む事にした。


メルが頼んだはオーク肉のステーキになっている、雪が頼むことが出来なかったのはこういった魔物の名前が記載されているためその魔物がどういったモノなのかが分からないのだ。このオーク肉のステーキに関しても雪の中ではどんな肉なのか分からない。

 もしかしたら自分に合うものなのか合わないものなのか判断できない為取り敢えず頼むことにした雪だった。


 しばらくして来たのは見た目はただの牛ステーキになっている、火で熱した鉄の皿に載せているため出された今も肉が焼かれているときに出るいい音が響いている。ここまでは雪の中では合格ラインであった。ビジュアル的にもなんの問題もないだたのステーキだった、しかし問題は味であるこのオーク肉などもちろん雪は食べたことなど無いよってどんな味なのか知る由もない。


そのため料理が来てからは食べる覚悟ができるまでは「熱いから」を理由にし気持ちを落ち着かせることに取り組んだがその間にもメルは出されたステーキをナイフで切り分け口の中に放り込んでいった。


オーク肉のステーキはナイフできると中から大量の肉汁が焼かれることで出来た蓋から開放され肉の外に溢れ出ている、その様子を見た雪は思わず口の中に溜まってしまったヨダレを喉を鳴らしながら飲み込んだ。


”見た目はホントにただのステーキだしメル姉も美味しそうに食べてるから大丈夫だよね?”


雪はメルの様子を伺い大丈夫かもしれないと判断し自分の目の前にあったステーキをナイフで切り分けステーキを頬張った。


”・・・美味しい!!味は完全に牛肉だ!肉汁もそんなにしつこくないけど確かな満足感が残る!”


「美味しい~」


「ふふ、良かったな雪」


「うん!ありがとうメル姉、それと・・・え~っと」


「シエスタだよ雪ちゃん」


「はい!シエスタさん!」


「可愛い子だね~うちの息子と交換したいぐらいだよ」


「こらこらおばさん駄目だよ?雪は私のなんだから」


「分かってるよ、アンタにようやく大切な人ができたんだそれを取ったりしないよ」


二人はしばらく見つめ合うと急に笑い始めシエスタはそのまま置くに行ってしまった。


***


食事を済ませ宿屋を後にするメルと雪は次に服を買いにメルのお気に入りの服屋に向かい服を選んでいた。


「雪にはこういうのが合うと思うけど、どう?」


メルが雪に差し出したのはいわゆるYシャツと言われる部類のもので動きやすさを重視した服になっているが。


「メル姉わたしこれが良いんだけど駄目かな?」


雪が欲しがったのは白の色を基調した1本の糸でループを作りながら編まれた生地いわゆる()()()をその手に持っていた。逆の手には灰色のフレアスカートが握られていた。


「でも何かあった場合その格好だと動きにくと思うけど?」


「でもメル姉の選んだ服可愛くないし、それにもしものときは指輪の中に入るから大丈夫!」


「そう?そういうことなら良いけど」


雪の必死の説得と押しに負けたメルはそのまま数着雪の服と下着を買うと買ったものを次元魔法の中に収納した、が先程のニットとスカートを雪が気に入っており着たまま店を後にした。

店を出ると先程までよりも更に注目が集まっていた、主に雪に。


なにせ今の雪はニットを着ている影響で雪の形の良い胸部や鎖骨のラインが見えてしまっており通りすがった男性陣は皆雪の鎖骨部分をチラ見している。


ギロリっ!!!


しかしそんな状況をメルが放置するはずもなく雪をチラミしたり話しかけようとしている男たちに向けて殺気を飛ばし始めた、すると男たちはいつの間にか体が震えていることに気が付き周囲を確認すると雪のすぐ後ろに般若がいることに気が付き雪から視線を外しその場から離れていった。


「雪そろそろ行こうか」


「うん!いこいこ!」


メルは変な輩が雪になにかする前にこの場から離れることを優先し雪の手を引きその場から離れた。


***


やってきたのはいつもメルが一人で修練するいつもの森の中である。


「さて色々試してみたいことがあるから雪は危ないから少し離れたところで待っててくれる?」


「そうなの?ならあっちに良い木陰があったからそこで待ってるね?」


「分かった、何かあったら私を呼ぶこと良いね?」


「分かった」


雪は木陰に向かって離れていき姿が見えなくなるとメルは今朝確認できなかったことの確認と特訓に入った。


「さてとまずは次元魔法の中に収納されていたこれからかな?」


メルが取り出したのは古ぼけた黒いボロボロの長さが120センチある布である。その物の名称は「聖骸布」となっている。


【聖骸布】聖遺物の一つ、大昔に()()()遺体を包んだ布。その布は数千年立ってもその存在を失うことなく存在し続けた。全ての異常状態に耐性がありこれをまとったものは病に侵されることはないという。


”確かに希少なものだと思うのだけどどうやって使ったらいいか?”


この布を加工しようにもこれほどの希少なものをなんのスキルもなしに加工してもし失敗でもしたならもう二度と手に入ることは無いだろう、そう考えると安易にこのアイテムにてを出すことは出来なかった。


しかしこんな希少なアイテムを使わずに無駄にすることはしたくなかった、どうしたものかと思案していると突然其処にメッセージウィンドウが表示された。


【魔装に使用できる素材があります】


”やっぱり魔装は希少なアイテムを媒体にするらしいな、例にもれずこの聖骸布も希少なアイテムだったしな、ならば希少アイテムの数だけ魔装は増やすことができるということか。これは中々良い力を覚醒させたかもしれないかな?”


【魔装に変換しますか】


「もちろんするさ!」


メルがそう望むと手に持っていた聖骸布が発光ししばらくすると手の中にあった布は消え新たにメッセージが表示された。


【聖者の羽織】とある聖者を包んでいた布、聖骸布を変換したマント体に対する以上を完全に防ぐ効果がある。


パット見完全に怪しい者が身につけていそうな感じの魔装が完成した、色は先程と同じように黒で長さはメルの体が完全に隠れるほどの大きさがありフードも付いている。

 これを身につければ怪しいやつの完成間違いなしである、しかしその能力は破格で毒や幻惑などの状態異常を完全に防ぐなどこの世界には存在していない。つまりこの魔装は唯一無二の羽織なのだ。


「よしよしいい感じだ!よし次はこれを出してみよう!」


次に出したのは、その名称を【グレイプニル】というメルはこのアイテムの存在を確認したときから聖骸布の次に確認したかったアイテムである、取り出してみるとそのアイテムは大きく長い。このアイテムを簡単に表現するならばバイクである、それをかなりの大型の。


これを出したメルはかなり興奮した表情でこのバイクを見ていた。






「面白そう!」


「続きが気になるかもしれない」


「期待できそう!」


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