休み
日差しが眩しい最高の朝、メルはいつもの生活どうりに顔を洗おうと考えたが直ぐに昨日体を清めていない事に気がつき洗面所を過ぎシャワー室に行き先を変更すると身に付けていた服と下着を脱ぎ去り中に入っていった。
服を全て脱ぎ去ったメルの体は男性であれば誰でも情欲を感じてしまうほどの美貌が隠されていた、長い淡いピンク色の髪の毛、大きく形の良い胸、括れ引き締まったウェスト、その全てが完璧であった。
メルが歩く度に髪が揺れるが乱れることは一切無く髪は元の位置に戻り絡まる気配など毛ほどもなかった。そのままバスルームに入るとシャワーを使い体に付いた汚れを洗い流し始めた。
昨日は初めての勝利に内心泣いてしまいそうなほど嬉しかったがそんな暇などなく話が進み気が付けばかなり大きな話になっていた、受け入れはしたがこの先の不安は完全には取りきれないが今やるべき事を再度確認し目標を達成する事優先しようと決意した。
いろいろな事を考えていると一人だったメルのバスルームに誰かの気配がした。
「誰だ?」
「メル姉?そこにいるの?」
入ってきたのは先ほどまで眠ていた筈の白雪であった、どうやらメルのシャワー音に目が覚めてしまったらしく音を頼りにメルを探しバスルームまで来たようであった。勿論だが眠っていた時着崩れた格好は起きた瞬間に直し今は裸Yシャツの前を止め胸は隠されてしまっている。
「起きたのか、雪今シャワーを浴びているんだが雪も一緒に入らないか?」
「う〜ん」
努めて冷静な声音でメルは雪をシャワーに誘った目的はあくまで雪の体の汚れを流す為だが雪の体のどこがどれほど汚れているのか不明な為メルは入念な作業をする気満々であった。しかし契約の時の自身の暴走を警戒してか直ぐには頭を縦に振らない雪であった。
”メル姉の顔は見えないけど変な言い方はしていないかな?でも大丈夫かな?また契約の時みたいにされたくない訳じゃないけど、まだ慣れてないし恥ずかしいし。でも昨日は疲れで寝ちゃったから体が気持ち悪いし・・・・しょうがないか”
葛藤の末雪はメルの誘いに乗る事にした。
「わかった」
「え?」
メルは絶対に断られると思っていた為雪のこの判断は完全に予想外で思わず呆気にとられてしまっていたが、直ぐに運の良さに心の中でガッツポーズをしてた。
しばらくすると雪が着替えを持ってきて近くにあった箱に着替えを入れ来ていたシャツを脱ぎ去り掛けてあったバスタオルを体に巻くとメルが待っているバスルームに突入した。
「お、お待たせ」
メルが入口を見るとそこには天使が降臨していた、メルと同じ手かなり長く伸ばした白い髪にメルほどではないが確かな存在感を主張する胸引っ込んだウェストに顔は恥じらいに染まった顔は雪の白い肌が原因で普通よりさらに目立ってしまい誰から見ても丸わかりになってしまうほど赤かった。
ジーーーーーーーーーー
「あ、あのメル姉?そんなにじっと見られたら流石に恥ずかしいっていうか気まずいっていうか」
無意識のうちにメルは雪の体を凝視してしまっていたらしく雪はモジモジしながら抗議の目を向け
ていた。がメルはその視線をあえて無視し雪の体をじっくり観察していた。
”しかし、今思っても雪の体はなんというか何故こんなにも興奮するんだろうか?何なのだその恥じらう姿はもはや誘っているようにしか見えない。しかも湯気の湿気で肌に張り付いたその純白の髪が体に張り付いて更に魅惑的になっている、しかもバスタオル一枚のせいで体のラインが強調されてなんというかとにかくエロ可愛い感じになっているではないのか?”
メルの内心の通り雪は今誰か見ても魅惑的な格好になっている事だろう、しかしそれはメルとて同じで雪の内心では・・
”なんかすごい見られてる?あっでもよく見たらメル姉もすごい体してる。それに私よりも背が高くて、いいなぁ~~こういうのをクール系美人って言うんだよね?”
雪は密かにクール系に憧れていたが自分の見た目を見たときは「うん、これクール系は無理だな」と諦めてしまっていた、そして目の前に自分の理想の体型と見た目が存在すると思い出したくなくても勝手に頭が奥底に封印した記憶を呼び起こしてしまう。
「?、どうした?そんなにじっと私を見て」
”ぐぬぬ、私は裸を見られて恥ずかしいのにメル姉は全く動じていない、私に足りないのはこういう点なのかな?”
「そんなところで立ったままだと風を引くぞ?早くこっちに来るといい」
手を差し伸べた先はメルの腕の中でそこまで移動するとメルは雪をギュッと抱きしめた。
「どうしたの?メル姉」
「ありがとう雪、貴方のおかげで私は脱出することができた。貴方が私を選んでくれたことに今でも夢だと思ってしまう自分がいるんだ。今もそれを少し感じてしまってねこうして雪を抱きしめて夢ではないと感じたかったんだ」
今まで彼女の一番のコンプレックスは魔力がない点であった、今まで夢の中で何度も魔力が使えた夢を見たか数えることすら馬鹿らしくなるほど見てきた、そしてその度に目が覚めそれが夢だと知ると泣きそうになってしまう自分がいた。
だからこそメルは今のこの出来事も長い夢なのでは?とつい考えてしまうのだ。
後ろから抱きしめられながらそんな事を言われている雪はその言葉が終わるとメルの包容から抜け出し正面からメルを抱きしめた。
「大丈夫だよメル姉、私はここにいるよ?どこにも行かないから、私の居場所はメル姉のこの腕の中だけだよ」
「うん、そうだね」
しばらく無言で抱き合っていた二人だが。
「くしゅん!」
雪のくしゃみで終わりを迎えた。
「それじゃあま、まず頭からあらっていくぞ?」
「うん!」
備え付けの椅子に腰を掛けた後、本人の了承が来ると手に石鹸をつけ雪のきれいで長い髪を丁寧に細心の注意をはらいながら隅々まで洗っていく、髪が多いいためかなり手間なのだがメルの場合自身も髪がないため手慣れたものだが敢えて遅くすることで雪に触れる時間を長くしていることに雪は気が付かなかった。
”ふぁ~気持ちいい~誰かに髪を洗ってもらうなんて何十年ぶりだろう?小さい頃は施設の人に洗ってもらってたけどあれもかなりい事務的な感じで全然気持ちよくなかったけど、これは気持ちいい”
今雪の顔は完全に安心しきった顔になっておりいつの間にか体の重心をメルに預けもたれ掛かっていたが今の雪には気づくことはなかった。
髪を綺麗にされ体を自分で洗うためにメルから離れようと雪は立ち上がろうとした瞬間肩を押さえつけられ再び座っていた椅子に座らされた。
「へ?」
「雪、まだ髪を洗っただけだが?」
「うん、体は自分でやろうかと?」
「安心しろ、私がやってやるからそのまま座ってなさい」
「でっでも」
「いいから、ね?・・・ふぅ~」
「フニャ~」
耳元でささやきながら最後に雪の耳に息を吹きかけると先程まで強張っていた雪の体の力は完全に抜け再度メルの体を預けるようにもたれてしまい、最後の抵抗虚しくそのままメルに体を洗われる事になってしまった。
”やっやられた!”
***
「はぁ~気持ちよかった」
結論から言うとエロいことはされなかった、むしろその手の専門店にでも言ったかのような完璧な手際でとても気持ちよかった雪であった、体の汚れと気になっていた気持ち悪も消えさっぱりした二人はバスルームから出ると服に着替えた、雪の服はメルのお下がりになってしまうが残念ながら合うサイズが少なく雪の服は揃えなければならなかった。
「雪」
「なに?メル姉」
「今日、訓練が終わったら雪の服買いにいこうか」
「うん!ありがと!」
グゥ~~
「うっ!」
突然どこからか不穏な音がするとメル発信源であろう雪を見ると当の本人は顔え半熟トマトのように赤くしながら自分じゃないようなフリをしていたが、メルにはバレているのだが雪はメルの顔を見ることが出来ないため顔を確認することが出来ない。
「雪、お腹空いてない?訓練の前にどこかでご飯でも食べようか」
ここで雪のお腹の音を指摘すると雪がせっかく頑張って誤魔化しているのにその可愛い努力が無駄になってしまう為メルは音を聞いた事自体を無かったことのように振る舞った。
「うん、ありがと」
「あっでも少し待ってくれる?行かなきゃいけない所あるから」
「うん・・分かった、はやく帰ってきてね」
雪は今からどこに行くのか聞くことはしなかった、なぜならメルの顔がさっきまでは笑っていたのに今はその笑顔は奥底にに引っ込んでしまっていたからである、だからこそ予想できてしまうメルが行こうとしている場所にはメルの嫌いな人達がいるということに。
「あぁ、できるだけ早く帰ってくる」
それだけ言い残しメルはメル姉からクライメール令嬢に戻った。
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