スキルの使い方
1週間歩き回ってようやく関所みたいなのが見えた。
短いが列も出来ているから大きい街に続いているのだろう。
「なんか安心する…。さて、スキルを弱めてと」
この1週間。ただ歩いてた訳では無い。
自分なりに何者にも遭遇しない理由を考えていたんだ。
そして、原因を知った。自分のせいだった。
「威圧」をフルパワーで発動していたせいで、周りにいた生物は皆逃げ出したのだ。
ま、その答えにたどり着いたのは2日前だけど。
それとスキルの使い方がわかった。
異世界あるあるの1つ、「ステータスオープン」
試しにやってみたら本当に出た。
極薄の液晶テレビみたいなのが目の前に出てきて自分の名前、種族、ステータスが表示されていた。
そのステータスの項目にスキルがあり、スキル名を触ると更に細かい説明が表示された。
そこでスキルレベルの変更ができるのとできないのがある事が判明した。
俺のスキルで言うと。
「威圧」は変更できる。
試しにレベルを1にしてみたら変更して2日後に鳥が飛んできた。(鳥を見た時泣きかけた)
レベルは0には出来ないらしい。少し考えとかないと感じる奴は感じるからな、強い奴とか。
そして「自己修復」は変更できない。
できたとしてもレベルを下げるメリットが見当たらないから下げないけど。
その代わり修復速度を変更することができた。
最大にしとけばすぐに治る。
腕の骨を折ったら割れながら治った。
多分剣で切られながら治る。
これで某不思議な実を食べたら能力を得る漫画のピエロの海賊の真似ができる。
速度を最低にすれば治るのに何日もかかるようになった。
かかる日にちは壊れた部位によるけど。
細かいのは追々説明するとして、今は目の前に見える関所だ。
鎧着た人が指差したり走ったりしてる。
並んでた人らは周りにいる冒険者?みたいな人らに話してる。
あ、冒険者風の人等が3人走ってきた。
「なんでこんな所にスケルトンがいるんだよ!」
「いや、一体だけなのを感謝するべきだろう。奴等は群れている事が多いからな」
「…なんでこんな明るい時に…?」
あ、そういや俺スケルトンか。モンスターか。
…ファーストコンタクトが敵対かぁ。
ヤバくなぁい?
俺丸腰だし、まあ倒される事は無いけどこれじゃ街に入れないよねぇ。
さてさて、とりあえず走って来てる3人にコンタクトを取るか。
「待ってくれ!俺は悪いスケルトンじゃない!」
「喋った!?リッチだったか!」
「不味いな…。俺達じゃ時間稼ぎぐらいしか…」
「…悪いスケルトンじゃないって…」
「馬鹿!ンなもん嘘に決まってるだろ!」
「嘘じゃなーい。敵対しなーい。ほら、降参降参。平和にいきましょ?平和に」
俺は手を上げて降参の意思を伝える。
「…どうする?信じるか?」
「ここまでされるとな…。どうも…」
「手も上げてる。そもそも意思疎通ができてる」
若くいかにも剣士な男が体格のいいフルプレート戦士とトンガリ黒ハット被った女魔法使いに話しかけてる。
あと少しで何とかなりそうかな?
「あー、この姿はな、呪いのせいなんだ。俺も冒険者だったんだが入った洞窟で罠にかかってな…」
「洞窟で罠…ダンジョンか。何処のダンジョンにいたんだ?」
「来た方向で行くと聖王国か?」
おおっと、他の国なんて知るか。
てか反対方向に進まなくて良かった~。
聖王国って名前からしてアンデッドの俺が行くとヤバいでしょ。
そんな事よりどこのダンジョンかか…
「…すまない。記憶が無くてな、罠にかかった事しか覚えてないんだ。気づいた時には草原に倒れていてな…」
「それは…」
「質の悪い罠だな…。呪いかけて記憶消して転送とか…」
「仕掛けた奴。絶対性悪」
よしよし。このまま不幸な奴を演じて行けば何とかなりそうだな。
「ここはなんて言うところなんだ?俺は街に入れるか?」
「…それは、俺達じゃどうにも…」
「とりあえず衛兵に聞くか?」
「私らじゃ対処できない」
「そうか、なら俺の手を拘束して衛兵の所まで連れて行ってくれないか?そうしないと他の奴らが安心しないだろう?」
「…それが1番いい案か。ダーズ。ロープ出してくれ」
「ま、仕方ねぇよな」
さて、後は衛兵を説き伏せるだけだな。
よーしやったるぞー。
文章考えるのむつかしいなぁ