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寝た謎の転校生が来た。

騒がしい昇降口を過ぎ、スタスタと早足ぎみでクラスへ向かう。

すると、突然背後に違和感を感じたので、いきなり止まってみた。「いてっ…」と声を出してしりもちをついている奴に手を差し伸べた。

「おはよ。西田。」

西「いきなり止まるんじゃねぇ!痛ぇじゃねぇかよ!」

「ぴったり後ろにいるからいけないんだろ?何事も細心の注意を払うように〜」

西「そんないちいちそんな事考えられるほどの頭のメモリーは空いてねぇよ!」

「ってか、どーせ俺に悪ふざけしようとしていたんだろ。そんなのお見通しだって。」

西「クソ…次は覚悟してろよ!」

そう言ってアイツは俺より早足にクラスへ向かって行った。

アイツは西田マサキ。俺のクラスメートであり、友人だ。

隙あらばああいう「悪ふざけ」をするが大体失敗している。毎回「やめたら?この遊び。」と皮肉気味に行っているがやめない。まぁ損するのはアイツだから好きにさせてやろう。

クラスに入ると、不機嫌に席に座っている西田の姿が目に付いたが、面倒くさそうなので今は接しないでおこう。

俺の席に着くと、近くにいた友人の大原テツヤ、川島ルイ、小暮ショウが近づいてきた。

大「おはよ〜」

川「おは。」

小「オッハー!」

みんな個別の挨拶をしてきたが、個別に受け付ける訳ではないので、3人まとめて「ん。」と軽く挨拶しといた。

小「なぁなぁ、昨日のイベント回ったか?」

川「別に…」

「結構面倒くさい内容だったけど、3時間で報酬は全部取ったよ。」

大「流石だな〜 俺は寝てたからそもそもやってる事すら気づかなかったわ〜」

「結構今回報酬ウマイから、早めに回っとけ。」

大「りょ〜」

いつも俺たちは始まりは共通のソシャゲの話題から始まる。これは大々的に宣伝されてる人気のあるソシャゲで、このクラスでも俺たち以外にも8人くらいやってるが、この3人以外とはこのソシャゲの話題になった事は1~2回しかない。まぁみんな陰キャという事もあるだろう。

こんなたわいない会話をし、予鈴がなったので皆席に着いた。

「おはよ〜」

俺の隣の席の杉田マイが話しかけてきた。いつもこの時間に話しかけてくれるので、朝の恒例行事のようになっている。

「おはよ。」

杉「ねぇねぇ、今日ってテスト?」

「ああ、一応古文のとこをするらしい。」

杉「マジかぁ〜 何もしてないよ〜」

「今のうちにしときなよ。まだ間に合うと思うし。」

杉「だね〜」

「多分範囲はここらへんで、それから…」

本鈴が鳴った。学級委員が号令をかけ先生がしかめた顔で話す。

先生「今日は転校生がいる。入ってきなさい。」

突然の出来事にクラスが湧く。すると平均的な身長のすらっとした眠そうな男が入ってきた。

「…あ、八雲ソウジ。よろしくお願いします…」

気の抜けた声でそう言い、先生の指した席に座ると同時に、背を伸ばしたまま寝てしまった。

「八雲君。初日とはいえその態度は良くない。起きろ。」

八雲という転校生は聞き耳を立てず動かなかった。もしかしたら熟睡しているのかもしれない。

クラスがざわつく中、ホームルームは終わり、クラスメートはみんな八雲の方に向かった。

とりあえず流れで俺も行ってみると、西田が驚いた顔をした。

西「こいつ…マジで寝てるぞ。しかも結構深い。」

なんで分かるのかは知らないが、俺からもそう見える。他の奴が肩を掴み体を大きく揺らしてもピクリとも反応しない。八雲の呼吸している音だけがよく聞こえる。

小「なんだこいつ…初日からいい度胸だな…」

川「とりま放置でいいだろ。」

大「起きたら色々聞いてみるか!気持ちよさそうに寝てるし!」

大原の言葉に共感したのか、皆八雲の席から離れていき、他の奴と話し始めていた。

俺は、初めて会うのだが、何かこいつに会ったことがあるような。まぁいいか。

そう思い込み、俺は自分の席に授業の準備をしに戻った。

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