第6話「卯月は卯月だ。」
ドガアアアアアアアアアアアアアン!!
これで何回目だろうか。爆音が耳から絶えない。
僕たちは今爆破に巻き込まれないように走ってる。
「他に道はないのか!?」
「しらねーよ!先輩、少し口を閉じていてください!!」
「こ、怖いよぅ・・・。ここで終わったら嫌だ・・・!」
「そ、そんなこと言わないでよ!!」
「だ、だって~。」
「止まれ!!」
「!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
目の前で爆発が起きる。
「・・・・!!」
「あ、あぶねぇ・・・」
「も、もう嫌だ!」
「・・・・」
な、なんでこんな日に限ってこんなことがあるんだよ!
「急ぐぞ!」
「ま、まって!」
爆発をよけ続け、ようやく昇降口に着いた時、
「おーい大神~!」
廊下のほうからクラスメイトの悟(だっけ?)とクラスの女子がやってきた。
「あ、悟!」
悟がこっちにくる。その時、
「伏せろ!五月!!」
「!!!!」
急に言われ、慌てて伏せた。その次の瞬間、
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
目の前で、悟とクラスの女子が爆発に巻き込まれた。
「さと・・・る?」
何が今・・・起きた?クラス人が爆発に巻き込まれて・・・え?
「う、嘘だ、嘘だ嘘だ!!」
「嘘じゃない。」
聞こえてきたのは女性の声。
現れたのは、薄い紫のポニーテルに、桃色の瞳の女の人だった
「誰だ!!」
「あたし?」
「お前以外に誰がいる!!」
卯月が怒鳴る。
「まぁ、いいや。あたしはセイレ。この学校を爆破させたのもあたしだよ。」
「お前か!!!」
「そう怒るなって。あたしは命じられたからやってるだけだ。」
「誰に命じられた!!」
「あたしのご主人さ。」
「そのご主人を出しやがれ!!」
「ムリだね。ご主人は非常に忙しんだ。」
こ、こいつが学校を爆破させ・・・おまけに関係のない人まで・・・!!
「お前、斬る!!」
「まぁ、まて。お前たちをちょいと調べさせてもらった。」
「!!」
「まず基山春歌。お前は小学校の頃男子にはモテ、女子からは疎まれる。
そんな自分が嫌なため伊達メガネをかけ男子に悪い印象を持たせるようにした。」
「そ、それが何よ!」
「次、天井弥生。お前は昔、兄がいた。だが、兄が何者かに殺された。
そしてある日、シトリーという夢の悪魔の一体に出会った。
だが出会って24時間も経たないうちにシトリーを殺した。理由は、兄を殺した犯人だったから。」
「そ、そうです・・・。あの悪魔は私のたった一人の兄を殺したの・・・!!」
「次、長月輝。お前の母親は、交通事故で死んで、母親から、形見を貰った。
が、しかし、父親に壊される。そして父親は夜逃げをした。」
「嫌な思い出、思い出されるなよおおおおお」
「落ちつけ!!先輩!!」
「その次は睦月。無表情の無口。笑い方は知らない。泣き方も知らない。
まさに感情が無いと言っていいぐらいだ。それもそのはずだ。
まぁ・・・こっから先は内密にしとく。お前の為にもな。」
「・・・」
「次は大神五月。普通の中学生だったが、夢野卯月に誘われ、FSDに入ると人殺しの風景があり、
一時的にはやめようと思ったこともあった。しかし、人殺し以外の部活のふいんきを見てると
やめられなくなってしなった。特に復讐することなんてない。」
どうしてそこまで知っている・・・。
「問題は夢野卯月。お前だ。」
「何が問題だ。」
「お前のデータだけがなぜかない。特殊な機械で調べても夢野卯月という存在が無い。
これはどういうことだ。」
「なんだよ!あたしは今、生きてるだろ!」
「そうだ。卯月は卯月だ。お前に言われる筋合いはない」
「さ、五月・・・?」
「たとえ、調べて出てこなくても卯月はここにいる!!」
「そうだそうだ!卯月は口は悪いが、ちゃんとこの世界に、ここにいる!!」
「そ、そうだよ・・・。卯月先輩は卯月先輩なんだよ・・・!!」
「そうよ!!卯月先輩を勝手に殺さないで!!」
『卯月の存在を勝手に消すな』
「み、みんな・・・あ・・・う。」
「ん?」
「ありがとうって言ってんの!ちゃんと聞けよ!!」
「ついにデレ期か!」
「う、うるさい!」
「あははは」
「わ、笑うな!」
「(ボソッ)ケッ、くだらねぇ」
(!!)
「皆外へ出ろおおおおおおお!!!」
「!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
「残念ながらあたしにはそういう絆は分からない物で。
なぜならあたしは機械だからだよ。
機械はそういう物は分からないし。」
「あーあー、ここもがれきの山だね。まぁ、お前たちは生きているんだろうし。
忠告する。
あたしはまたお前たちの前に現れる。
そのときは仲間の誰かがあたし達の側についてるかもしれない。
・・・気をつけろよ。
それに1つ引っかかる言葉がある。まぁいい。それはあとで考えるし。
じゃあ、さよなら。」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
あたしのことがばれるところだった。
本当に怖い。恐い。
いつかバレそうで恐い。
でもいつかばれるんだ。
真実を知ったら、皆はあたしのことどう思うんだろう。
普通に接してくれるんだろうか。
怖い。恐い。
ああ、本当にこの世界は恐い。