回転 〜廻添〜
くるくる。クルクル。
来る来る。繰る繰る。
狂狂。
まわる。マワル。
回る。廻る。
真悪。
ただ永遠に。ただ永延に。
ただじっと。ただずっと。
あなたの傍に。
あなたと共に。
あなたへ愛を。
ただ、捧げたい。
回転 〜廻添〜
いつからこんな無感情な人間になったんだろうか。
昔は違った。
楽しいときは笑った。
辛いときは悲しんだ。
写真にも笑顔で映ったし、友達もそれはもうたくさんいた。
でも、今では。
楽しくても笑ない。
辛くても、悲しめない。
写真には映れず、友達はそれはもうたくさんいなくなった。
むしろ嗤った。
むしろ哀しんだ。
むしろ鬱った。
愉しいときも、連いときも、どんなときでも人間味が無くなった。
きっと、彼が消えてから。
彼は私だった。私は彼で、彼は私だった。
私たちは二人で一人前。一人じゃ半人前で、四人じゃ二人前で、五人なら二人前と半分こ。
それはきっと欠けるはずのなかった存在だったんだろう。共に存在し続ける存在だったんだろう。
どちらが欠けてもいけなくて、どこかが欠けてもよくなくて。
でも、いなくなって。よく覚えてないけど彼はある日突然居なくなって。
お星様になって見守ってくれてるのか、お空に昇っていってしまったのか、それともアスファルトに紅い花を咲かせたのか、はたまた路傍の骨になって雨ざらしになってるのか。
刺殺圧殺撲殺絞殺射殺斬殺轢殺瀟殺爆殺磔殺毒殺扼殺焼殺惨殺。
よく分からないけど彼は死んだ。
うん、やっぱりそれかららしい。よくよく考えればその辺りから私はおかしくなり始めている。
だってほら。コレを綴ってる今だっておかしなことをたくさん書いてる。文法なんて滅茶苦茶じゃん。タメグチだったり違ったり。詩っぽいところもあったりなかったり。
もうグシャグシャで。もう愚者愚者で。
ああもうなにやってるんだろう私は。何を書いているんだろう私は。何故書いてるんだろう私は。本当に、そう本当に。
何故生きてるんだろう私は。
私の望みは何だった? 彼といること、ただそれだけだったはず。
彼はいない。彼と私は二人で一人。彼がいなければ私は半分。人じゃない。
苦しい。切ない。そんな感情ばかりが浮かんでは沈み、泛んでは没み。
たった二人、たった二人きりの存在だったのに。
私は何故生きているんだろう? 何故死なないんだろう? 何故死にたくないんでしょうか?
確か彼は言っていた。人は何かの為だけに在り、何かが消えた人は人では無くそれは只の人に過ぎないのだと。
今よりもずっと幼かった私は、彼の言葉の半分も分からなかったけど今なら少しだけ分かる気がする。
それは、大切なものを見つけて生きろともとれるし、大切なものが消えたら価値は無いともとれる。
今の私に大事なものは、無い。
苦しいは狂しい。
切ないは拙ない。
なら、会いたいは?
多分、愛たい。
会いたくて、逢いたくて、何より愛たくて。
でも会えなくて、逢えなくて、何より愛なくて。
そんなことばかり考えて、くるくると世界が回る。
駄目だ、考えが纏まらない。きっともう私には異常な思考しか求めることが出来ない。
だってそうでしょ? 実の兄を愛して、双子の兄を愛して、同じ顔の兄を愛して。
実の兄に愛されて、双子の兄に愛されて、同じ顔の兄に愛されて。そんな私が正常ですか? そんな世界は正常ですか?
頭が回る。くるくる回る。
頭が廻る。繰る繰る廻る。
世界が真悪。狂狂真悪。
くるくる、くるくる、繰る繰る、繰る繰る、狂狂、狂狂、狂狂、狂狂、狂狂、狂狂、狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂。
回るのは羅針盤。羅針盤は指し示す。指し示されるのは運命。運命は命を運ぶこと。命を運ぶことは意味が無く。意味が無いことは生きることで。生きるというのは素晴らしいこと。素晴らしいことは愛し合うこと。愛し合ったのは私たち。
永遠に続く無限の輪廻。永延に紡ぐ夢幻の燐子。
そして、私たちは回る、廻る。
真悪だす。
くるくる。クルクル。
来る来る。繰る繰る。
狂狂。
まわる。マワル。
回る。廻る。
真悪。
ただ永遠に。ただ永延に。
ただじっと。ただずっと。
あなたの傍に。
あなたと共に。
あなたへ愛を。
ただ、捧げたい。
無償の愛を。
無性に愛を。
霧消へ消えた愛を。
どうか、もう一度。
―――end...
どのジャンルに入れようか、かなり悩みました。好みの分かれそうな作品です……
ある深夜、全く違う小説を書いていたときに、ふと書きたい衝動が沸きあがり、思うまま書きなぐった一品。負の感情にどっぷりでした。
どうか、彼女を否定しないでください。どうか、彼女を愛さないでください。彼女を責めないでください。彼女は愛して欲しかっただけなんです。ただ、共にいたかっただけなんです。ですから、どうか、どうか、彼女を見捨てないでください。