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宿屋の少年と、歪み始めた男の日常

旅に疲れ、偶然立ち寄った宿屋。

そこで出会った少年は、ただの宿屋の店員ではなかった。

彼との些細なやり取りをきっかけに、男の毎日は次第に変化を見せる。

日常の歪み、そして世界の違和感——

その先に待つのは、果たして救いか、それとも崩壊か。

―男の視点―

俺はエギス。冒険者だ。

旅に疲れ、たまたま立ち寄った宿屋で、奇妙な体験をすることになる。

宿で働く少年が、いきなり尋ねてきた。

「どこかで会ったことはありませんか?」

冗談だと思った。

しかし、その真剣な目、真っ直ぐな視線に笑えなかった。

「今日、この街に来たばかりだ。お前には会ったことがない」

そう答えると、少年は一瞬黙った。

何かを確かめるように、じっと俺を見つめる。

その日は、それで終わった。

翌日、食事をしていると、再び同じ質問が飛んできた。

あまりにしつこいので、無視して飯を口に運ぶ。

だが、気になって仕方がない。

部屋に戻り、今日あったことを日記に書き留めた。

書き終えると、ベッドに横になり眠りに落ちた――はずだった。

目を覚ますと、俺は宿屋の前に立っていた。

そんなはずはない。

さっきまで部屋で日記を書き、ベッドで横になっていたはずだ。

背中に嫌な汗が伝い、心臓が早鐘のように打つ。胸が張り裂けそうで、手のひらまで熱くなる。

「……これは夢か?」

そう思い、恐る恐る扉を開けると、そこには今朝の少年がいた。

言葉を失う俺に、少年は無邪気に問いかける。

「どうかしました?」

深呼吸して答える。

「大丈夫だ。一泊、頼む」

しかし、その後も同じ質問が続く。

「なあ、どこかで会ったことはあるか?」

昨日と同じ答えを返す。

「ない」

その日は食事もせず、部屋に戻り眠った。

そして、目を覚ますと――また宿屋の前に立っていた。

嫌な汗が背中を伝い、

心臓が耳に響くほど早く打つ。

これは夢ではない。

――彼の、そして世界の日常に歪みが生じていく。

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