#1 オーネ世界の童話
むかしむかし、南の大陸に、ひときわ輝く大きな水晶の塔がありました。
それは、『アルテミス』という名で、人々からは「光の宮殿」と呼ばれていました。
アルテミスには、たくさんの小さな光の糸が絡み合い、無数の星を集めているように見えました。その光の糸は、とても不思議で、人々の心や夢を映しだす力を持っていたのです。
その水晶の中には『魂の鏡』という、不思議な鏡がありました。
この鏡に自分の姿を映せば、誰でも自分の心と同じような世界へ旅立つことができるのです。人々はその鏡で、自分の夢や願いを見つめ、永遠に続く光の旅を楽しんでいました。
ところがある日、深い海からひっそりと闇の竜――それはアヴァガーという名でした――が、現れました。
アヴァガーは、水晶の光の糸を揺らし、鏡を壊してしまいました。
鏡が崩れた瞬間、人々の心は、アヴァガーの手の中へと引き寄せられました。アヴァガーは、鏡の中の人々の心を、自分の中に吸い込もうとしていたのです。
アルテミスは、大きく震え、光の糸が散っていったので、やがてその塔は停止し、そのまま時が過ぎ去りました。
しかし、光の残りかすから、ひときわ輝く星が生まれました。
それが『ヒカル』という名の小さな光の妖精です。
ヒカルは、アヴァガーに奪われた光を取り戻す決意をしました。
ヒカルは光の水晶から出てきた星の塊と、残った魂のかけらを集めて、新しい世界を作る力――『時空の泡』を呼び覚ましました。
それぞれの泡は、小さな宇宙であり、そこでは時間がゆっくり流れたり、逆に速くなったりと、不思議な現象が起きます。ヒカルは、この泡を重ねて大きな世界へと成長させました。
各泡の中で、ヒカルは、優しい手で小さな生き物たちを育てました。
彼らは、自分たちの住む場所に心から幸せを感じ、みんなが仲良く暮らすようになりました。
ヒカルは世界を守るため、アヴァガーのような闇の力が入ってこないように、小さな壁も作り、魂たちを安全に保護しました。
やがて、泡から生まれた新しい世界には、人々の記憶や歌、踊りが宿りました。
それらは、アルテミスで暮らした頃の光と夢を再び形にし、世界全体に温かい風を吹き込んだのです。
ヒカルは、自分が作ったこの世界を見つめながら、ふと思いました――
「本当に、みんなは、自由な心で生きているのでしょうか?」
その問いに答えるため、彼女はさらに新しい泡を生み出し続けました。
こうしてヒカルは、光と愛で満ちた無限の世界を創りながら、永遠に希望を灯し続ける旅へと歩き出しました。
そして最後に、星空に散るキラキラ光る粉が語ります――
「光があれば闇も照らされ、心があれば誰もが自由に笑える。だから私たちはいつでも新しい世界を作り、守り続けるべきだよ」
こうしてヒカルとその泡は、永遠の夢と希望を胸に抱きながら、新しい物語を紡ぎ続けました。
おしまい。
これは、『異世界にゲスト神として召喚されたらしいんだが……』のラストにでてくるヒカルの過去(未来?)の物語が、神話~フォークロアになったような話です。ちょうど、冬の童話祭2026とテーマがかぶっていたので、童話風に致しました。ついでに、AIでイラストもつけたのですが、まあ、イメージでこんな感じと思っていただければ。




