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二人目の自分?

突如視界が赤っぽくなり、原因不明の不調に襲われる黒。

その原因とは一体...!!!

「応答...応答...こちら第五ノ皇帝、着々と計画は進んでいっている。第三ノ皇帝は"プログラム"作成進んでいるか?こちらは四分の一は終了した。」


「応答...応答...こちら第三ノ皇帝、こちらも"プログラム"の作成は進んでおります。」


「了解。...ところで第1ノ皇帝は今何をしているか分かる者は居ないか?」


「一週間程ログインした形跡が無く、消息が不明です。」


「はぁ...何をしているんだこんな時に..."プログラム"が完成し、"CORE,Emperor"が完成してしまえば全てが0に返るにも関わらず...」


「応答...応答...こちら第四ノ皇帝、第一ノ皇帝は多分何かを探してると思うぜ。アイツ、案外努力家なとこあるから。」


「そうか...そうなら良いんだがな...」








──────「よ〜し...ちゃんと手も動く...うんうん。」


「じゃ、始めようかな?」


「あぁはいはい、三次方程式か、しかもまだ楽なやつだし」


「てか、こいつが起きる頃には俺が解いたって事知らずに次のステップに進むんだろうなぁ、寂しいぜ...へへ」


「おし、これで完了」──────










「う...うぅぅ...って...何があったんだっけ...」


体を起こし、下を向いたまま頭を働かせた


「あ、そういえば急な頭痛とめまいに襲われて、ぶっ倒れたんだっけ...」


(それにしても何で急に...?体に悪い事といえば本当に短時間しか寝てない事以外無いけど...)


だが恐らくその可能性は低いだろう


何故ならそれを8年間程続けていたからだ


もしこれが原因なら8年間の間にも何回か起きていたはずだ


「う〜ん...あ、そういえばかな暗号...!」


画面に目を向けると三次方程式は既に解かれていてターミナルにはIPアドレスが表示されていた


「え...一体誰が...」


もう色んな事が起こり過ぎていて理解が追いつかないがとりあえず席に着いた


「ピコン♪」


スマホの通知が鳴った


通知を開くとメッセージが書かれていた


『お見事、よく暗号が解けたね。まぁ三次方程式ぐらい数十秒あれば解けるか...じゃ、アクセス権渡したから次のステップに行ってみて』


案の定0bitからだ


「次のステップか...まってろよ0bit!」


再びアクセス拒否されていたサーバーに訪れた


「本当に許可されてる...マジでどうやって解除したりしてんだろ...」


ボクのIPアドレスは強力な暗号によって保護されているが、まさかそれを解いたなんて...


ターミナルを開きネットワークのログを見てみると何者かがボクのIPアドレスにVPNトンネリング張っている形跡が見えた


恐らく0bitの仕業だろう


「もう入られ放題じゃん...」


「まぁ良いか...とっくに個人情報抜かれてんだし...」


もう手遅れな事に気が付き僕はサイトが表示されるのを待った


「うーん...........」


画面は真っ白な画面で中々サイトが表示されない


「確かにサーバーは起動してるはずなんだけどな...」


ロードが妙に遅い


「こっちの問題かな...?」


ターミナルで接続を確認したが異常は見つからない


「おかしいな.......ってあ!」


ターミナルを閉じるといつの間にかサイトが表示されていた


「やっと表示されたよ...全くもう...」


接続の原因を何も気にせず調査をしようとしたその時だった


「ってside kill....?もしかして0bitって......」


「プルルルル」


またもや急に電話が掛かってきた


誰からかは大体予想がつくだろう


ボクは着信に出た


「やぁ黒くん。サイトは見たかな?」


「あぁ、あんただったなんてな...0bit」


「ふふふ...そうだよ...僕が世界的ハッカーである『side kill』さ。」


0bitはニヤつきながらそう言った


「あんた...何が目的だ?」


恐る恐る0bitに問う


「いや〜目的なんて無いよ、僕は君と遊びたいだけ。君のお父さんはとんでもなく優秀なプログラマーなんだってね。それを知って君の実力も見てみたかっただけ。」


0bitは淡々と喋っていく


「けど...期待ハズレだったなぁ。」


「んだと?」


「君、そんなに高くないじゃん、ハッキングスキルがさ」


0bitは益々ボクを煽り散らかす


「本当にボクと遊びたかっただけなのか?」


何故そう聞くのかと言うとあのダークウェブの渋谷スクランブルのライブカメラが映っているサイトが引っかかるからだ


『終末の始まりは近い』とは一体?


「どういうこと?」


「あのテキストファイルに書いてあったダークウェブに繋がるリンクだ。あそこに『終末の始まりは近い』って書いてあった、あれはどういう意味だ」


ボクは硬く鋭い芯を持った声で聞く


すると0bitのマイクから立ち上がる音が聞こえた


やがて0bitの電話画面はカメラ映像へと変わった


「なっ...」


そこに映ったのはオオカミの面を着けた白衣を纏った者だった


「う〜ん.......残念だけど...君の考えは多分ハズレてるよ。」


0bitは微笑しながら言っているようだった


「君、ボクがテロを起こそうとしていると思ってるね?」


「なっ...まぁそうだが?」


「ふふふ...んなわけないじゃないか、いくらお父さんが死んだからって敏感になりすぎだよ。ってかあのテロを起こしたの僕じゃないし」


0bitはまたもやお父さんの死とボクの事を嘲笑った


「おい....あんた...いくら何でも調子に乗りすぎだろ...」


声を低めて言った


腹の底から煮えくり返る様な怒りが喉を締め付ける


ボクは拳を握りしめた


「まぁまぁ、女の子なんだからそんな怖い事いっちゃだめだろう?って今の時代そんな事言っちゃダメか。ハハハハハハ」


0bitの煽りは止まることを知らなかった


だが皮肉にも、0bitの技術力には手も足も出ない


それが益々ボクの怒りを掻き立てる


「質問はそれだけかい?んじゃ引き続き、『side kill』のハッキングでもやっといてくれたまえ。」


0bitはそう言って電話を切った


相変わらず電話の通信は周波数の複雑化によって妨害されていた


「チッ........0bitは────────


ボクが絶対に捕まえてやる...!!!」


そう心に誓った


ボクは白賭に『side kill』のサイトに接続するための鍵とこれまでの経緯を送信し、再び調査を開始した








朝がやってきた


時の流れは早い


そして今、かなりマズイ事が起きている


「やばい...一睡もしてない....」


そう、0bitの電話を終えた後一度も眠らずに調査を続けていたのだ


生憎『side kill』のサーバーはこれまでの物とは比べ物にならないレベルの硬さで、欠点を隅から隅まで探しても見つける事が出来なかった、一つもだ


それでこの有様である


本当に精神が限界を迎えているが体内時計はズレることなく動いているのでちっとも眠くないのが現状という所だ


「よし....うん.....学校行こう.......」






「あ!おはよう!黒くん!」


下の名前で呼ばれるのは何年ぶりだろうか


声の主は由香里だった


「あっ...おはよう紫九間さん...」


「どした?元気ないね。」


「いや...ちょっと最近寝てなくてね...」


「そっか...無理しちゃダメだよ!」


「あ、うん...ありがとう。」


何事も無いいつもの会話だ


「あっ...あと学校終わったら、ちょっと校舎裏に来て」


由香里は口元に手を当てて小さな声で言った


「え?あ...う、うん...?」


いつもとは違う予想外の展開になって驚いたが冷静になり、ボクは自分の席の方へ向かった


「はぁ...」


と一息


(話って何だろ...校舎裏ってまさか...)


と馬鹿な事を考えながら朝のホームルムが始まるまで座ったまま待った


「ブーブー」


ポケットから振動が伝わってきた


(ん?)


ボクは教室を出てトイレに駆け込んだ


そしてポケットの中のスマホを見ると白賭からの通知が来ていた


内容は『side kill』のサーバーに新しいかな暗号の文字列を見つけたとの事


(マジか...!ナイス白賭...!!!)


ボクは送られてきた暗号を解読しようと思ったがある事に気づく


「そういえばあの暗号ボク解いてなかったな...一体誰が解いたんだろう...?」


そう、あの暗号は気を失っている間に解かれていたもの


だからボクが解くことは出来ないのだ


「まぁできる所までやってみるか」


スマホでターミナルを開き暗号を解読していく


画面には変わらず英文や2進数のバイナリ表記が映る


(なんかスマホでやるの新鮮だな...)


そんな事を思いながらも方程式の暗号の前までを解読した


するとある事に気づく


(あれ...こんな方程式って長かったっけ...?)


明らかに伸びているのだ、一目見て気づく程に


(xが四つ!?あの時は三つだったような...?)


xが四つということは最後の暗号が四次方程式に変わったという事だ


(んじゃ益々分からないじゃん!どうすんのこれ)


多分三次方程式の暗号の時に解かれたと思った0bitが「四次方程式なら!」と増やしたのだろう


もちろんボクが解いた訳では無いので益々分からなくなっただけである


例えるなら答えを見て一生宿題をやってた人が、先生に期待の目を向けられえぐいレベルの問題を出されて詰むみたいな感じだ


(まぁそんな事どうでも良いんですけど...まぁどうでも良くないんですけど)


どっちだよ


(まぁともかく四次方程式を白賭に送り返してみようかな)


四次方程式の暗号を白賭に送り、教室に戻った




「はいまず方程式というのは──」


今は6限目の数学の授業中だ


相変わらず授業の内容はちんぷんかんぷんで黒板に書かれている数式もアラビア語にしか見えない


「ふわぁ...」


(はぁ...眠い...)


「コラ!そこ欠伸(あくび)しない!」


「はひ!!」


驚きのあまり机の上の筆箱は真っ逆さまに床に落ち、ペン等が散らり、教科書やノートも勢いよく落ちていった


教室中に笑いが起きる


「だっせぇ!!!」


ヒーヒー言いながら腹を抱えて爆笑しているのは由香里とボクを茶化してきたあの時の男だ


(くぅぅぅ!!!恥ずかし!!!んで腹立つぅぅぅ!あいつ!!!)


あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にする


急いで先生に謝った


すると先生も許してくれて、一気にうるさくなった教室を鎮めるために「静かに!」と言った


(はぁ、ったく散々だよ)


何だか頭が痛くなってきたような気がする


視界も赤くなってきて...


(待ってこれってあの時の...!!!)


またもや急激な頭痛と目眩に襲われはじめる


(何なんだよこれ!!!)


視界が赤くぼやけ、周りの音がだんだんと遠のいていくのがわかった


あまりの痛さに机に頭を沈めた


しばらくしてうるささが止むと同時に頭痛と目眩も治まってきた


机から頭を上げ黒板を見ると、底には1+1と同じくらい簡単な式が書かれていた


「はいではここの問題を黒君、どうぞ」


「はい。2(x−3)+3(x+1)は4x+7です。」


「お!正解です!結構難しめの問題でしたがよく解けましたね。」


突然当てられて心は焦ったが、何故か体が勝手に動き、反射的に答えることが出来た


「あっ...はい。ありがとうごさいます」


何か不思議な感覚に包まれながらボクは授業を受けたのだった






チャイムが鳴り学校が終わった


靴箱で靴を履き替えている途中、用事を思い出した


「そういえば由香里に呼ばれてるんだった」


ボクは履き替えた運動靴を脱いで再び上靴に履き替え、校舎裏へと走った




「あ!良かった来てくれた!」


由香里は校舎裏の壁で座っていた


「そりゃ来るよ」


(まぁ忘れかけてたけど)


「それでどうしたの?」


ボクが聞くと由香里は表情を変えた


「前のハッカー集団に入ろうかの話なんだけどね、入る決意が固まったの」


「え!ホントに!?ありがとう!」


思わず大声を出してしまう


「あっっ...って大声出しちゃダメなんだった...」


「ふふ、そんなに人手不足だったのね。」


「まぁそうだね...今の日本はネットをよく使うのにハッカーになろうと思う人が圧倒的に少ないから...」


「まぁ普通はハッカーになろう!って思わないけどね」


由香里は笑いながらツッコミを入れた


「まぁそうか」


(気を取り直して)


「じゃあ今からボクらの基地に案内するから着いてきて!」


ボクはそう言って基地に向かいながらハッキングについてや他愛の無い会話をした




「おーい!黒!」


由香里と下校中、後ろから聞き覚えのある呼び声が聞こえてきた


振り返ってみるとそこには手を振る白賭の姿が見えた


「あ!白賭じゃん!」


立ち止まり手を振り返した


白賭はこっちまで走ってきてからこう言った


「その子は?」


「あぁ、そういえば言ってなかったな...この子は由香里。新しくハッカー集団に所属する一人だ」


白賭は"由香里"という名前を聞くと顔の色を変えた


恐らく学校のデータベースに侵入した時の空白の一年を怪しんでいるのだろう


ボクは白賭の方を向いて由香里に気づかれないように小さく横に首を振った


白賭もそれに気づいてくれて顔色を戻した


「あぁ、そうか。俺は異崎白賭(ことざきはくと)。これからよろしく」


白賭が軽い自己紹介をすると由香里は白賭をじっと眺めていた


(あ、これは惚れたな...一目惚れだわ)


残念ながら由香里は白賭のイケメン面に目を輝かしていた


「あ、あの...どした?」


白賭も自分に見とれているという事に気づいていない所がタチが悪い


(ちぇー、なんだいコイツら)


「あっ...ごめんなさい...ボーッとしてた。」


「大丈夫か?」


「おいおいおいおいオーーイッ!!!さっ!早く基地に行くよ〜!」


まったく、やれやれだぜ






(CPUパーセンテージ....)


「うわぁ!!!びっくりした!」


「ボクらはもう内蔵AIに慣れてるけどやっぱ最初はそうなるんだね〜」


「ははは、まぁ俺も実際最初は口開けてびっくりしてたけどな。」


(白賭も最初はそうだったな、懐かしい)


「白!ひろ!すご!」


由香里は最初の白賭以上に驚いていた


由香里がボクらより前に出た時に白賭は小さな声で聞いてきた


「なぁ、本当に大丈夫か?もしかしたらスパイって可能性も...」


「まぁ確かにその可能性はあるけど、じゃあスパイって一体誰の命令の?警察の調査はまだボクらの足元にすら届いてないよ」


「まぁ...そうだけど...何か嫌な予感がしないか?」


白賭は何かを感じている様だった


「どうしたの?」


急に足を止めたボクらを不思議に思ったのか由香里が聞いてきた


「あっ...あ〜なんでもないよ!」


「そっか!」


「あ〜そういえば白賭、由香里を書斎に連れてってあげて」


「お、おう」


二人は奥の部屋に入っていった


「ふぅ.....んじゃ0bitの暗号でも解読しますか...」


Pravosを起動しside killのサイトを開いた


「よし...」


一息つき、キーボードに手を置いた


「システム解体、開始。」


(暗号解読は今の学力では出来ないからサーバーの調査からやろう)


(確か白賭はインデックスサイトの音声ファイルから暗号を抽出した、なら次はインデックスサイトから更に隠されたファイルを探してみるか...)


ターミナルにコマンドを打った


結果は一つのログインサイトが見つかった


訪れてみると、とてもシンプルなレイアウトのログインサイトが表示された


(インデックスサイトのファイルから暗号を見つけて、更に同じ場所でログインサイトを見つけたって事は、この暗号を解読すればパスワードが出るんじゃないかな?)


だが残念な事に今回は四次方程式だ


秀才の白賭ですら解けなかった難問だ


ボクなんかに解けるわけない


だが疑問に思う事がある


それはあの6限目の数学の時間だ


方程式なんかさっぱりだったのにも関わらず、急な頭痛と目眩、おまけに赤い視界に襲われた後、何故か簡単な問題としか思えなかった


一体ボクの身に何が起きているんだろうか


只管画面に映る四次方程式を眺め続けているとまた少しずつ頭が痛くなってきた


「やばい...これは来るな...」


身構えていると痛みは段々と引いてきたが視界が半分赤っぽく、脳に少し違和感を覚えた


思考が二つある感じがするのだ


「うーん...???なんかまた変な感じが...」


(よう。呼んだか?)


何故か頭の中に思ってもない言葉が声として響く


「なんだなんだ!!??」


(あ、確かに急に話したら驚くか、意識あるもんな、今黒には)


「何何何何!!!???怖い怖い!」


(あああ落ち着け落ち着けって)


「うわぁぁぁぁ病気かもしれないぃぃイヤァァァァ!!!」


(あーもうダメだこれ...)


(ふっ!!!)


キーーン───────────


「うっ...」


またもや虚烈な頭痛が響く


(どうだ?落ち着いたか?)


「くっ...どうなってるんだよ...!?」


(あのー...あー...えっと...その、初めまして?だな)


ずっと脳に声が語り掛けてくる


「誰だ?あんた?」


(俺は....)


「ん?」


(あんたの藁人形みたいなもんだ)


「どういう事だ...?」

第五話を最後まで読んで頂きありがとうございます!

段々と書くペースを取り戻していき安心しています(*´ω`*)

突如脳内に語りかけてきた謎の声の正体とは一体?

藁人形とはどういう意味なのか!?

次回もお楽しみに!!!

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