システム解体開始。
主人公の月宵黒(コードネーム『IXVI』)には父親が【 渋谷スクランブルサイバーテロ事件 】に巻き込まれて亡くなった過去がありその真実を知るためハッキングに手を染め始める
テロの件で大阪に引っ越したが、しばらくして白賭と出会い、また東京に引っ越す
だが学生二人だけで渋谷を壊滅寸前まで追いやったテロリストに立ち向かうのは不可能、かと言って数々のクラッキングを犯した以上、警察に頼るのも不可能。
そして黒は仲間を増やすべく、転校先の青ノ宮学校に同じハッカー的存在がいるか学校のサーバーに侵入し、調査を行う
「速報です。午後六時に動画投稿サイト『City』がサイバー攻撃の被害に遭っていることが発覚しました。そしてまたもや『EMP KILLER』というハッカー集団の犯行だということも判明しています。」
ニュース音声が渋谷のモニター街へと鳴り響く
「まったく、物騒な街に引っ越して来てしまったぜ」
「ボクは夜月 黒といいます。大阪の中学校から転校してきました。趣味はパソコンを触ることです。よろしくお願いします。」
静まり返った教室に小さな陰気な声が響く
今は冬だというのに容赦なく太陽は照りつけている
黒は転校先の青ノ宮学校で自己紹介を行っているところだった
「はいというわけで、夜月さんは今日からこのクラスの一員です。みんな仲良くね。」
先生が微妙な空気のこの教室を打ち砕くべく声を出すも、全員が一点に黒の方向へ目を向けて、離さなかった
(えっ、なになに、怖いんですけど...)
黒は人見知りな性格で、実際にこの状況に頬を赤らめていた
(イケメン8人、かわいい子5人、ヤンキー一人。嫌な予感...)
黒はクラスメートを静かに分析し、やがて何かを悟った様子だった
学校というのはそういう個性豊かな人間が揃っている場所であるのは重々承知だったが、黒はその空間が苦手だった
(はぁ、この学校で、トラブルが起きなきゃいいけど、あんまり目立ちたくないんだよな、ボク)
黒はどうしても目立っては行けない理由があった
しかし、同時に黒にはどうしてもここに来なければならない理由もあったのだ
黒が自己紹介を終えると静まり返った教室に声を上げたのは明らかに見た目がヤンキーの男だった
「けっ、大阪出身の癖に自己紹介に捻りすら入れられんとか、つまんな」
「えっ...!?」
氷柱のような冷徹かつ鋭い言葉に生徒や先生、そして黒さえも驚きを隠せない様子だった
「ちょちょ、ちょっと!失礼でしょ転校生の子に!」
唐突の展開に先生もフォローにだれる
しかし先生はフォローに致命的な欠陥があったのだ
「.......」
(先生にすら名前で読んでくれないだなんて...)
黒は恥ずかしいと言うよりも虚しい気持ちで朝を迎えたのだった
「はぁ〜、今日は疲れたな...」
カラスが鳴き、そよ風で草木が靡いている
下校の時間になり部活動に入っていない人たちが、活気に溢れた声で友達と話しながら帰っていく姿を黒は眺めていた
黒は転校してきたばかりで、なんの部活動があるのか、どの部活動がいいのかなどさっぱりだった
担任の先生にも、来週までには決めておいて欲しいと言われていた
しかし、黒は全くと言っていいほど部活動に入る気がなかった
部活に入ってしまえば、黒の『裏の活動』が出来なくなってしまうから
(それにしてもターゲットサーバーに仕掛けておいた自動攻撃システムの様子が気になるな)
そう、黒の裏の活動とは『クラッキング』だ
聞き馴染みのある言い方をすればハッキング
だが履き違えてはいけない
ハッキングとクラッキングは別物であり、黒のクラッキングは言わば犯罪行為
黒は小学生の頃から色々なシステムに侵入していたのだ
銀行会社や金融機関、国家機関や民間のプライベートな機器まで、様々な機器をありとあらゆる方法を使って侵入していた
今やデジタル社会になりハッキングやハッカーなどというワードをニュースでよく耳にするだろう
それにしても何故そんなことをしなければならないか疑問に思ったはずだ
3年前の出来事だった
黒の父親はエンジニアで仕事熱心だった
しかし黒や母親との時間は欠かさず作り、幸せに暮らしていた
ごく普通の一般家庭だが、それでも十分な幸せだった
だが、幸せというのは一生続くものでは無い
一生続いてしまったらきっと挫折する時に大きなダメージになるだろう
お父さんはとある事件に巻き込まれて死んだ
『渋谷スクランブルサイバーテロ事件』
渋谷の大型ショッピングモール内に中型水素爆弾が仕掛けられ、大爆発を起こし渋谷全体を火が囲った
消防隊員が一斉に出たものの、不思議なことに渋谷区全域のみ、その時だけ水道関係が一切利用できないようになっていたのである
最初はサイバーテロでは無く、ただのテロ事件かと思われた
しかし、爆発する数分程前に渋谷の電力会社、水道会社がハッキングされ制御システムが完全に乗っ取られていたと後からわかった
それに加えてトロイの木馬というマルウェアの仕業だった事から電力会社並びがウイルス感染に気づくことが出来なかったという
未だ爆弾を仕掛けた犯人が分からず警察ももう諦め始めている
しかし、黒は未だにテロの首謀者を許していなかった
父親が亡くなってから、母親はそのストレスから黒に暴力を振るうようになった
耐えられない痛みと悲しみが込み上げるも、黒には反撃出来なかった
反撃しようとすると、昔の幸せだった頃の優しい母親の記憶が蘇ってくるからだ
このままでは本当に死んでしまうと感じた黒は、自身のハッキングスキルを悪用し金を稼ぎ、一人で生きていくことにした
ある日、黒はダークウェブ上で活動している、とある一つのサイトを見つけた
そのサイトはセキュリティが強固で、攻撃を仕掛けようとしても欠点はゼロで何をしても無駄だった
サイトをよく見るとプロフィールページを見つけた
サイト作成者の名前は白賭
プロフィールを見てみるとこのサイトを作った者はなんと男子高校生だということがわかった
驚きと共に凄まじく興味が湧いた
ダークウェブだけじゃなくサーフェイスウェブ、すなわちtitterなどのSNSでも活動していたのであった
それに彼は日本に住んでいる事が分かり、ますます興味が湧き、ついにDMをした
直ぐに返信は返ってきて、DMを続けてみるとかなり友好的であった
彼は東京の青ノ宮学校という中高一貫の学校に通っているらしく、それを知った黒は実際に会うべく、青ノ宮学校に転校したのだ
「もしかしたらテロの首謀者がまだ東京に居るかもしれない」
それも兼ねて今に至るというわけだ
「ボクにも何か出来たはずだったな...お母さんに『ごめんね』とか『大丈夫だよ』とか...」
重い記憶が黒の脳内を襲う
「あぁぁぁ!ダメだダメだ!思い出しちゃ、また心が暗くなる!」
思わず出た声に下校中の生徒たちは黒に目を向ける
「はっ...!」
黒は羞恥心に呑まれ、顔をしかめた
「はぁ、とりあえず白賭でも待つか...」
黒は正門の前でただひたすらに白賭を待った
白賭も部活には入っていないが高校生は色々あり、多少帰りが遅い
(早く来ないかなぁ)
「よっ」
「ぅわぁっ!」
黒が考え事をしていると、不意に後ろから誰かに肩を触れられた
ずっしりゴツゴツとした手が黒の肩にのしかかる
すぐさま振り返るとそこには透明感のある白髪の高身長イケメンが立っていた
「まっ、眩しィッ!!!」
「な、これまた大袈裟な事を」
黒の冗談は白賭にあっさり躱されてしまった
「はじめまして...ってのもなんかおかしいか?」
「それもそうだね。あ、改めまして、ボクは黒。よろしく」
「俺は白賭。よろしく」
その後、少しだけ間をおいた後に
「うん、じゃあ行こうか」
と優しい声で黒はそう言った
二人は脆弱性や新しく出たマルウェアの構造などの話で盛り上がりつつ向かった
CPUパーセンテージ────────────
白色の巨大な自動ドアが開いた途端、室内に搭載しているAIが次々とシステムを読み上げていく
「さ、今日からここがボクと白掛の作業基地だよ」
黒が白賭に目をやると白賭は口をぽかんと開いたままであたりを見回していた
「す、すげぇ...こんなのドラマでしか見ない空間だ...」
驚く白賭を横目に黒は中心部のデスクへ向かった
「一応クラッカーだからね、ある程度の資産持ってるんだよ、中学生ながら。」
内装を知っていながら、黒も周りを見渡しながら歩む
「そんで裏社会でも結構ホワイトな方の建築関係の会社とコンタクトとって、かなりの金額ながらも建ててもらったんだ」
「裏社会にホワイトなんて存在したんだな...」
ダークウェブの意外な性質に白賭は驚く
「まぁまぁ、白賭は先に作業進めててよ、パソコンはあそこの使ってね。」
基地の内装は、大きなスクリーンが壁にかかっており、真ん中に円形の机、その形に従うように沢山のパソコンが置かれてある
黒は複数ある中の黒から見たスクリーンから垂直の場所にあるパソコンに指を指した
「わかった。じゃあ俺は最近リークされたハッカー集団が開発したランサムウェアでも解析しとくわ」
「よし、任せた」
白賭はデスクに付き、まるで以前から使っていたかのような手際の良さでパソコンをセットアップし、作業を始めた
「んじゃ、ボクも自動攻撃システムの様子でも見てみるかな。」
黒も自分のデスクに付き、パソコンにUSBを挿しPravosOSを起動した
────PravosOSとは黒が開発した攻撃用OSだ
クラッキングに必要な為のツールが完全集結しており、通信は全てTorとVPNを兼ね備えた高度な匿名性で、その上通信速度に影響は及ばず
仮にPravosがネットワークキャプチャされても、暗号化されており特定はほぼ不可能の最強のOSなのである
金の天秤がスクリーンに映る
やがて天秤は消え、Pravosが起動した────────────
黒はターミナルを起動し、自動攻撃ツールで攻撃したサーバー先の調査を始めようとした
「あ、そういえば」
しかし黒はとあることを思い出し、調査を止めた
「確か既知の脆弱性があったはず」
そして次に行ったのはとあるサーバーのポートスキャンであった
そのサーバーは青ノ宮学校のものであった
というのも、黒のハッキングの根本的な目的であるテロ組織の身元特定には、人手が必要であった
そして黒は白賭を仲間に入れ組織化を行ったわけだが、それにしてもまだ、たった二人と人手が足りずにいた
前に黒が学校のサーバーに侵入しようと試みたとき、webサーバーの方で脆弱性が存在していた
黒はその脆弱性という名の鍵を用いて、学校のサーバーに侵入するつもりだった
ターミナル上でコマンドが踊る
そして今度は学校のwebサイトを開きとあるコードを入力しエンターを押した
サイトには特に変わった変化は無いがターミナルの方では次々とリクエスト処理が行われていく
黒の背景に白の文字が流れ込んでいく
──────もちろんこれは視覚的な話だ
遂にターミナルに動きが止まり、通信の確立を象徴する『$』のマークが現れた
まさに今、黒の手によってシステムはいとも簡単にハッキングされてしまった
黒は侵入が成功したその時、安堵とともにこう言った
「ステージワン──クリア。」
しかし、黒の腕が優れているとはいえ、基本中の基本の脆弱性で侵入できてしまうことに黒は内心恐怖と驚きを感じた
「とりあえず入れたし、やりますか。」
黒はパーカーの袖をまくった
─────────「システム解体開始。」
サーバー内に侵入したあとでも黒は気を緩めなかった
経験が黒に囁いていた
──一瞬の隙が命取りだ。と
目の前のモニターには、学校のwebサイトのサーバー情報だけが映っていた
これはまだネットワークの表層に過ぎない
黒の見る先はネットワークの深淵の先、───そう、データベースだ
姿こそ見えないが、きっとこの大海原の中に。そう黒は感じていた
「...次は、データベースを管理しているコンピューターをダンプしないとな」
黒は白賭に向けて声をかけた
「白賭!ネットワーク内のコンピューターからデータベースのポートが開いているコンピューターを列挙するツールを描いてくれないか?」
「おう!任せとけ!」
その声は自身に満ち溢れており、黒はその声に安心したのか、笑みを浮かべた
「...ずいぶん自身に満ちてんな」
「おいおい忘れたのか?俺は『セキュリティプログラムコンテスト』三連覇の天才だぜ?」
「へへっ!そういやそうだったな!」
会話を横目に黒は白賭の手元をふと見た
その手は迷いがなく、さっきより格段に速度が上がっている
まるで言葉とともに実力までも同時に見せつけられているようで、黒は内心舌を巻いた
「できたぜ、完成だ。」
「は!?もう!?嘘だろ?」
「嘘だ」
「くっ、、、、、なめやがって」
白賭のジョークに黒は思わず吹き出した
「あとちょっとさ」
「いやそれにしても速ぇよ」
そう言いながら黒はデスク下にある小さな冷蔵庫からいちごミルクを一本取り出した
「今度こそ完成だ。愛情込めたんだ、大事に使えよ?」
黒が一口飲み終えた頃には、もう”コード”は完成していた
「サンキューな白賭!大事に使うわ!(やっぱり速えな...)」
白賭のジョークを流しつつ、黒はコードを実行する
画面の文字列が勢い良く流れ始めた
「おー、テストプレイしてないけどちゃんと動いたんだな」
白賭が黒のモニターを覗き込む
「いやゲームみたいに言うな。てか試運転してなかったんかい!よく一発で動いたな」
「まぁ俺だし?」
「なんだこいつ...」
ずいぶんと上機嫌な白賭に、もはや黒は引き気味だった
ピピッ────
「....おっ、そんなことより結果が出たみたいだぞ。」
「あっ、ホントだ。しかもちゃんとデータベースサーバーが見つかってるし。」
「さっ、あとはお前の仕事だ。俺は引き続きランサムウェア解析しとくから、なんかあったらまたな」
白賭はまた自分のデスクに戻り作業を再開した
「どうも、ありがとな」
「お、おう」
不意に黒の優しい言葉を喰らった白賭は少し頬を赤らめた
「ステージツー──クリア。次はパスワードか...」
データベースのトビラを開く──今、正しく(まさしく)鍵が必要だった
黒はふと、学校のポートスキャン結果のターミナルに視界を戻らせた
(やっぱり、このデータベース...バージョンが古いぞ...!)
ハッカーと言えど、やはり面倒事は避けられるなら避けたい性だ
バージョンが古い、すなわちトビラを開く近道が存在するという事実に、黒は一人悦に浸っていた
(しかもこのバージョンなら、大体色んな攻撃ができそうだな...)
少し手を止めたあと何か解決の緒を掴んだのか、黒は突如キーボードに手を伸ばし、ターミナルに英文と記号が混じった暗号のようなものを入力した
エンターを打ち込むと、まるでトビラが壊れてしまったかのように、データベースを管理しているユーザー名が現れた
「ステージスリー──クリア。」
黒はほのかに笑みを浮かべ足を組んで言い、さらには優雅に伸びをし、やがてすぐさま次の一手に手を伸ばした
(さぁ、後半戦だ──)
今度はさっきとは打って変わってターミナルにクラッキングツールを流した
画面には、オプションやユーザー名、さらにはターゲットのアドレス
各英文は、勝利の光の如く輝いていた
エンターを押したその瞬間、ターミナルに流れていく文字の羅列を、黒はじっくりと眺めた
決して曲がることのない真っ直ぐな眼差しが画面に刺さる
(まだか...?)
とめどなく淡々と流れる英文に気を配り続け、さすがの黒も集中力が切れかける
すると、ターミナルの動きが止まり黒は意表を突かれたような感覚に陥った
しかし、黒は何かを理解したようで、強張っていた腰を脱力させ、少しの安堵を表情に見せた
(もう少し...)
黒は少し前に飲んでいた、いちごミルクの残りの二分の一を飲み、再び画面を睨んだ
やがて、止まっていたターミナルは最後の英文を吐き出し、プログラムは終了した
「ステージフォー──クリア。」
ターミナルに表示された英文──それはデータベースユーザーのパスワードだった
黒は止まることなくデーターベースにログインを始めた
────Welcome to mySQL!!
そうターミナルに表示され、黒はデータベースのトビラの奥に立ち入ることをシステムに許された
「ふぅ、データベース侵入完了っと。」
「お?データベースに入ったか、すごいじゃねーか。」
「へっ、まぁな。あとは生徒情報を漁っていい人材を見つけられたらビンゴってとこかな。」
「ビンゴって、映画に出てくるハッカーじゃないんから」
白賭は黒の言葉尻をとり、静かに冷笑した
「うわ、冷笑タイプだ、こいつぁ嫌われるタイプだぜ」
黒もすかさず冗談っぽく気の触ることを言った
「冗談だよ冗談。そんなことより速く良さそうなの探そうぜ。俺もちょうどウイルスの解析終わったとこだしさ。」
「そうだな、ちゃっちゃと見つけよう。」
白賭は黒の隣に付き、黒の画面を眺めた
黒がコマンドをデータベースに流すと、生徒情報が一斉にターミナルに表示された
「うーん...」
二人は注意深く、じっくりと生徒情報を眺めていった
「あっコイツ、ボクの自己紹介にいちゃもんつけてきたヤンキーだ。龍騎って名前なんだ....無駄にかっこいいの腹立つな。」
「おいおい僻むなよ。てかそんな事があったんだな、ご愁傷様」
「ちっ、まぁそんなことはどうでもいいんだけど、うちのクラスになんか優秀そうな子いたっけなぁ。親がセキュリティ関係の仕事で〜みたいな。」
「そんな都合よくいるわけ...」
「いたー!!」
「えぇぇぇぇ!?......ってどっかの国民的アニメでこのくだり見たことあるな。」
「ほらこの子、 “紫九間 由香里”?すごい珍しい名前...」
黒が指差す先にはポニーテールの可愛い見た目をした女の子の生徒証明写真が映っていた
「確かにすげぇ名前、てか親セキュリティの関係どころか社長じゃねーか。しかもこの子ちょうどお前のクラスの子だし。」
「本当だ!...って、ん?」
黒はなにかに気づいたようで、シワを寄せて画面を睨んだ
「どうした?」
「いや、これ見てよ。」
黒が睨んだのは由香里の経歴だった
「おかしいんだ、小学一年から四年まではちゃんと教師の評価がついてるんだけど...」
「あ、本当だ。五年生の間の経歴だけ空白になってる。」
白賭も黒の言っている違和感に気づき、空白の理由に思考を巡らせる
「でしょ?これはきっと何かがあるんだよ」
「そんなわけ...とも言えねぇな。不登校のやつ見てもバツのマークがついてる、空白ってのはどの生徒情報にもねぇ。」
「うん、じゃあ明日、由香里に話しかけに行ってみる。」
黒は白賭と顔を見合わせてそう言った
「一応このデータはダウンロードしてっと。ステージファイブ──クリア。」
データベースを見ていくと1年間の空白が存在する謎の少女、由香里を見つける。
翌日、黒は由香里と対面し、スムーズに話し合いが行われると思っていたが...
次回もお楽しみに!!!




