表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

システム解体開始。

主人公の月宵黒(コードネーム『IXVI』)には父親が【 渋谷スクランブルサイバーテロ事件 】に巻き込まれて亡くなった過去がありその真実を知るためクラッキングに手を染め始める

テロの件で大阪に引っ越したが、しばらくして白賭(はくと)と出会い、また東京に引っ越す

だが学生二人だけで渋谷を壊滅寸前まで追いやったテロリストに立ち向かうのは不可能、かと言って数々のクラッキングを犯した以上、警察に頼るのも不可能。

そして黒は転校先の青ノ宮学校に同じハッカー的存在が居るか学校のサーバーに侵入し、調査を行う

「速報です。午後六時に動画投稿サイト『City』がサイバー攻撃の被害に遭っていることが発覚しました。そしてまたもや『side kill』というハッカー集団の犯行だということも判明しています。」

ニュース音声が渋谷のモニター街へと鳴り響く

「まったく、物騒な街に引っ越して来てしまったぜ」



「僕は夜月 黒といいます。大阪の中学校から転校してきました。趣味はパソコンを触ることです。よろしくお願いします。」

静まり返った教室に小さな陰気な声が鳴り響く

今は冬だというのに容赦なく照りつける太陽

今ボクはこの学校に転校してきて自己紹介をしている途中だ

全員が一点にボクの方向へ目を向けている

人見知りな性格なので正直恥ずかしい

教室には背中を丸めた陰気な子から目元が綺麗な可愛い子、顔が整ったイケメン、金髪で机に足を置いている見るからにヤンキーみたいなのも居る

学校ってそういう所だ

だが、ボク的にはあまり気が向かない

友達と話す事や集団になって案を出し合ったりするのがだ

意見が食い違ったりすると睨まれたり、陰でバカにされたりもする

でもそれは、まだ皆が子供だからで、人の違いや人の個性をバカにしてしまうのは仕方の無いことなのだ

まぁでもこの『青ノ宮学校』の生徒は案外見た目に寄らずって可能性_______

「けっ、大阪出身の癖に自己紹介に捻りすら入れらんとか、つまんな」

「ちょっと!失礼でしょ転校生の子に!」

「..........」

(先生にすら名前で呼ばれなかった)

やっぱり無理そうだ



「はぁ〜、今日は疲れたな...」

学校が終わり下校の時間になった

本来は殆どの人が部活に所属しており帰る人はボクみたいな陰気な人間から、ただめんどくさいから入ってない陽キャ達もいる

生徒達のはしゃぐ声が聞こえてくる

ボクは転校してきたばかりだからまだ部活は決まってないが恐らく来週の月曜日くらいに決まるだろう

先生にも来週までには決めておいて欲しいと言われた

だが正直部活に入る気は無い

部活に入ってしまえばボクの"裏での活動"が出来なくなってしまうからだ

その"裏での活動"とはハッキングだ

実はボクは世界的ハッカー集団のリーダーだ

小学生の時から色々なシステムに侵入してきた

銀行会社や金融機関、国家機関や民間のプライベートな機器まで

様々な機器をありとあらゆる方法を使って侵入してきた

今やデジタル社会になりハッキングやハッカーなどというワードをニュースでよく耳にすると思う

何故そんなことをしなければならないか疑問に思っただろう


3年前の出来事だった

ボクのお父さんはエンジニアで仕事熱心だった

でもボクやお母さんとの時間は欠かさず作り、幸せに暮らしていた

本当に幸せだった

だが、幸せというのは一生続くものでは無い

一生続いてしまったらきっと挫折する時に大きなダメージになるだろう

お父さんはとある事件に巻き込まれて死んだ


『渋谷スクランブルサイバーテロ事件』

渋谷の大きなショッピングモールに中型の水素爆弾が仕掛けられ、大爆発を起こし渋谷全体を火が囲った

消防隊員が一斉に出たが何故か消防車から水が噴射せず、全部隊が亡くなった事件だ

最初はサイバーテロでは無く、唯のテロ事件かと思われたが爆発する3時間前に渋谷の電力会社、水道会社がハッキングされ制御システムが完全に乗っ取られていたと後からわかった

それがトロイの木馬というマルウェアの仕業だった事から電力会社並びがウイルス感染に気づくことが出来なかったという

水道会社がシステムロックしていたので消防車のホースから接続された地下のホースは遮断され使えなかったという


未だ爆弾を仕掛けた犯人が分からず警察ももう諦め始めている

だがボクはテロの首謀者を絶対に許すことが出来ない

なぜならお父さんが亡くなってから、お母さんはそのストレスからボクに暴力を振るうようになった

耐えられない痛みと悲しみが込み上げてきたが反撃出来なかった

反撃しようとすると、あの頃の優しいお母さんの記憶が蘇ってくるのだ

このままでは本格的に自分も死んでしまうと思い自身のハッキングスキルを悪用しお金を稼ぎ、1人で生きていくことにした


ある日ダークウェブ上で活動しているとある一つのwebを見つけた

セキュリティは強固で攻撃を仕掛けようとしても欠点はゼロだった

サーバーの管理者に匿名で軽い挨拶の様なメールを送った

どんな人間か知りたかった

名前は白賭という名前だった

直ぐに返信は帰ってきて、見てみると日本人の高校生だと言うことがわかった

白賭はどうやら慎重な性格で、それは文からも伝わってきた

自分も日本人というと直ぐに仲良くなった

彼は東京の青ノ宮学校という中高一貫の学校に通っているらしく実際に会う為に青ノ宮学校に転校してきた

「もしかしたらまだテロの首謀者が東京に居るかもしれない」

それも兼ねて今に至るというわけだ


「ボクにも何か出来たはずだったな...お母さんに『ごめんね』とか『大丈夫だよ』とか...」

重い記憶がフラッシュバックする

「あぁぁぁ!ダメだダメだ!思い出しちゃ、また心が暗くなる!」

地面に落ちている丸い石をその場で思いっきり蹴り気持ちを紛らわせた

「さ、白賭が来るまで待つか」

学校の前で白賭が来るのを待つ

白賭も部活には入ってないらしいが高校生なので多少来るのが長い

3年も差があるが正直クラッキングの世界に上も下もない

技術があるかないかで全て決まる

まぁぶっちゃけ白賭とボクはICT関連でも部類が違う

白賭は主にプログラミングを中心にセキュリティ等に広げているが、ボクの場合はセキュリティや防御、攻撃が中心でプログラミングはセキュリティの二の次いや、三の次か?

二の次はおそらくリバースエンジニアリングだ

リバースエンジニアリングとは実行ファイルなどのプログラムの挙動が分からない時にそのファイルがどんな挙動をするか静的解析することだ

マルウェアなどは余計無闇に起動してはならないからリバースエンジニアリングをして挙動調べる

ボクの二番目の特技は大体こんな感じだ

「よっ」

「ぅわぁっ!」

そんなことを考えていると急に誰かに肩を叩かれた

ずっしりゴツゴツした手がボクの肩にのしかかる

「なんだ白賭か」

振り返ると透明感のある白髪の高身長イケメンが在った

「まっ、眩しィッ!!!」

「な、これまた大袈裟な事を」

けっ、返しが余計腹立つな

「さ、行こうぜ」

白賭がイケメン的な声で言った

ボクと白賭は脆弱性や新しく出たマルウェアの構造などを話しながら向かった


(CPUパーセンテージ....)

白色の自動ドアが開いた途端、部屋に内蔵しているAIが次々とシステムを読み上げていく

「さ、今日からここがボクと白掛の作業基地だよ」

ボクがそう言うと白賭は口を開けっぱにして、驚きを思わず声に出している様だった

「こういうの、映画でしか見た事無かったから...凄い、ちょっと興奮してる」

白賭は驚きの余り言葉を上手くまとめれていなかった

「じゃあ白賭は作業始めていいよ、パソコンはあそこの使ってね」

基地の内装は、大きなスクリーンが壁にあり、真ん中に円形の机、それを囲むように沢山のパソコンがある

ボクは複数ある中のスクリーンから垂直の場所にあるパソコンに指を指した

「わかった。じゃあ俺は最近リークされたハッカー集団が開発したランサムウェア、解析しとくわ」

「任せたよ」

中くらいの気合いの掛け声と共に白賭はボクが指さしたデスクに座り、作業を始めた

「んじゃ、ボクもダークウェブの監視調査でもしますか」

USBを挿してPravosOSを起動した

Pravos(プラブォス)OSとはボクが開発したペネトレーション専用OSだ

クラッキングに必要な為のツールが完全集結している

しかも通信は全てTorでさらにVPNを兼ね備えており、その上通信速度は通常通り

通信をキャプチャしたりしても暗号化されており特定はほぼ不可能の最強OSだ


金の天秤がスクリーンに映る

ボクはブラウザを開きネットキャプチャを始めた



「あ、そういえば」

とある事を思い出し監視対象のブラウザを閉じ、ターミナルを開いた

「確か既知の脆弱性があったはず」

学校のサーバーにポートスキャンを行った

というのも、今のこの組織はボクと白賭しか居なく、組織というより2人組という方が響きが良い

最低でもあと一人は欲しいと思い、学校のデータベースに侵入し、セキュリティ関係の人が居ないか探してみようと思ったのだ

前に学校のサーバーに侵入しようとした時、webサーバーの方で脆弱性が存在しており、それを今回実際に使ってみようと思う

ターミナルにコマンドを入力し、学校のwebを開きシェルコードを入力しエンターを押した

webには特に変わった変化は無いがターミナルの方では次々とリクエスト処理が行われていく

遂にターミナルに動きが止まり『$』のマークが出た

シェルが確立されたのだ

学校のサーバーに侵入する事が出来た

それと同時にこんな事を思った

「この程度で生徒の大切な個人情報管理してるとか怖すぎる」

こんな基本中の基本の脆弱性を修正してないのはとんでもなく恐ろしい


「んじゃ、システム解体開始」

とりあえず学校のネットワーク内には入れたので、次はどのパソコンがデータベースを管理しているのか調べるために、学校のパソコン端末をダンプする事にした

画面にはピリオドで区切られた数字の羅列が出された

一度は聞いたことがあるだろう。これが『IPアドレス』だ

「いや〜、こんな大量に端末ありゃ特定には時間がかかりそうだわ」

複数のIPアドレスを見つけたので一気に軽く端末情報を見てみる

一気に調査するので割と時間がかかってしまう

その間にデスクの下にある小さな冷蔵庫から、いちごミルクを取り出し4分の1程喉に流し込んだ

そうこうしているとターミナルにはIPアドレス、その下にその端末情報や解放されているポートなどが表示されていた

見ていくと一つだけLinux端末の物があった

データベース操作は基本的にはLinuxの方が扱いやすくおそらくその考えがこの学校にも植え着いているのだろう

「これかな?」

Linuxの端末情報を見ていくとやはりデータベースのポートが解放されていた

「じゃあ一旦見てみるか」

試しに『admin』ユーザーでデータベースサーバーのログインコマンドを入力し、Linux端末のデータベースに接続を試みた

案の定適当に入力したユーザー名『admin』が存在していないようだ

接続拒否されてしまった

「いや待てよ...」

ボクはこのデータベースが古いバージョンだと言うことに気づき、ターミナルにまたさっきとは違うコマンドを入力した

ユーザー名の所に特殊な文字列を注入しサーバー内のデータベースにどんなユーザーが存在しているか確認した

そう、SQLインジェクションだ

「よっしゃビンゴ!!!」

なんと『SchoolData』という明らかに重要なデータがありそうなユーザーを見つけたのだ

「よしよしいいぞいいぞ〜」

調子が良くタイピング速度もコマンド入力も迷うこと無くアップしていく

「あとはパスワードをクラッキングするだけだ」

さっきデータベースで入手した『SchoolData』ユーザーを指定し、パスワードリスト攻撃を開始した

白賭がパソコンのスクリーンを見ながらチラチラこっちを見てくる

(あ〜愉快愉快、我の実力を見たまえ白賭よ)

そんなことを考えていると白賭の目が軽蔑するような目に変わった

「なんだよ!」

ボクがそう言うと白賭は「べ、別に?」と言わんばかりに目をパソコンの方に逸らした

(ちぇ、全く)

そうこうしている間にパスワードクラックが終わった

パスワードは『YW9ub21peWE=だった』

「はえ〜、流石流出したパスワード集めた辞書なだけあるわ」

「言ってることやばいぞIXVI」

白賭が冷静にツッコミを入れる

確かに言われてみればやばいこと言ってるな、ボク

「とにかく、データベースに侵入するよ」

そういってまたコマンドをターミナルに入力し接続を試みた

「ユーザーはスクールデータで...パスワードはペーストしてっと」

「パスワードもハッカーらしくカチャカチャしろカチャカチャ」

白賭がまたしてもキレの良いツッコミを入れてくれた

エンターを押すと、接続をしていると思われる英文がズラズラ表示された

最後に『Welcome to mySQL!』と表示され学校のデータベースサーバーに侵入が成功した

(マジかよ出来ちゃったよハッキング...いくら何でも脆弱すぎるだろこのサーバー...流石にまじで心配になってきたわ)

「あら、お上手なハッキングだこと」

白賭がふざけた様子で言ってきた

「あら、こんなのイージーよ白賭お嬢様?」

「あら、お口が達者だこと」

ボクも同じ口調で返すと白賭はすかさず煽りで返してきた

「ん〜黙れ」

面倒くさくなりボクは適当に返した

だがなんとなく面白くてお互い笑ってしまった

「まったくもう、油断すんなよ、IXVI...でも凄いな、こんなあっさりセキュリティ突破するなんて...」

「ふっふっふっ、まぁね!....ってかやばいやばい、こんな事してる場合じゃないわ。監視システムとかあったら面倒だ」

ボクはそう言いキーボードに手を置いた

一人一人生徒情報を見ていくと、親が大手セキュリティ企業の社長だと言う女子生徒を見つけた

「『紫九間(しぐま) 由香里(ゆかり)』?...めちゃめちゃ特殊な名前...しかも1-1ってボクと同じクラスじゃん」

謎の偶然で少し戸惑った

「ん?これって...」

ボクがそう口を零すと白賭が駆け寄って来た

「ほら、これ」

ボクが指を指した方は経歴の所だった

何故か小学生の4から6年生の間に謎の空白が存在していたのだ

「なんだ、これ...」

白賭とボクは顔を合わせた

何か少し違和感を覚えるも次の日、由香里という人に話しかけようと思った


第1話 完

最後まで読んでいただきありがとうございます

ここで軽く自己紹介をしておきます

中学一年生のIXVI(くろ)です

特技はハッキングで、好きな物はいちごミルクです

何故この物語を作ろうと思ったかというと、ある日ブラッディ・マンデイという高校生ハッカーが主人公の漫画を見つけました

見てみるととても面白く、自分もこんな感じの物語を作ってみたいなと思ったのがきっかけです。

脳内ではシーズン5位あってもう完結していますが語彙力がまだ足りないのでまだ実現が難しいです。

特にハッキングシーンをいかに読者視点で分かりやすく描写、そして理解出来るか等考えるのが難しいです、、、

ですがまだまだこれから頑張って書いていきますので楽しみに待っていて頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ