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3話 覚醒

寝落ちしてました。


喉に異物が通り抜ける感覚を噛み締めながら

この戦いでの希望を胸に、目の前の端末に

手をあてる。


「生体コード認証。ソルド・リンディア

上等兵。ムーヴメント・アサルト、

ブートオン」


無機質な音声とともに、鉄の躯体が

うごめきだす。関節の接続部が、動力部と

共に唸りを上げる。


行くぞ、ムーヴメント。次こそは

敵を殲滅する!


「聞こえるかい、ソルド。

薬の効果時間は作用から2時間だ。その間に敵の基地を叩いて、戦果を示すんだ。」


機体コクピット内部のスピーカーから

音声が響く。ノメリアからだ。


応答する。


「こちら音声良好。ノメリア、

もし出来なかったら?」


「アハハ、その時は僕ら二人とも

軍事裁判にかけられて、死刑だろうね」


ノメリアは全くの恐怖も無いような

雰囲気で笑う。

全く、冗談じゃない。


「今回は無断での単独作戦となるからね。

大丈夫、そこで成果を示せば、英雄さ。

勝てば官軍、負ければ賊軍って奴だね。」


簡単に言ってくれる。戦うのは

俺だというのに。手からは冷や汗が

湧き出る。


万が一にも操縦ミスがないよう、

それをタオルで拭き取って、集中する。


「頭に全神経を集中させて、ムーヴメントと

自分の体を一体化させる感覚……行け!

ムーヴメントっ!!」


すると、ムーヴメントが加速を初め、

地面に接地している脚が離れる。そして、

その鉄の塊は……飛んだ。


「ハッハハ、飛んだ!!飛んだぞ、 

ムーヴメントが!!!ノメリア、見えてるか!?」


ノメリアはムーヴメントに搭載されている

カメラの映像を見ながら答えた。


「ああ、見えているよ。良くやった。

これで、こちらの勝利は確定した様なものだ

でもここからが本番だよ。基地到着後は

事前に送った指示通りに動いて。」


「了解。手筈通りに敵基地を殲滅する。」


答えるとほぼ同時に、

雲間から、眼下に敵の基地が見えた。


「やれ!ムーヴメントっ!!」


ムーヴメント右手にある銃口を敵に向け、

稲妻の閃光を頭の中にイメージして

それを解き放つ。


すると、銃口に青い光が集まり、

それは一筋の光となって放たれた。


「俺の仲間の分だ、受け取れ!悪党共!!」


轟音と共に基地にある一つの建築物が

崩れ落ちた。


「通信衛生基地を破壊、やれる。次!!」


俺は次の目標に自機を向ける。そして

機体の左腕を構え、振りかざす。


「行け!ブレード!!」


左腕に装着されている機械が青白く光り、

その光が一筋の波となって解き放たれる。


それは深く青い海に吸い込まれ、

船を切り裂いた。


続け、何度も光波を放つ。

放たれたと同時に爆発音が鳴り響く。

そして、全部の船を沈めた。


「全航空母艦、ミサイル巡洋艦、および

潜水艦、破壊。」


よし、これで最後だ。


俺はムーブメントをもとは、衛生基地の

あった場所に着地させ、

膝立ちの体制にさせた。そして肩部にある

武装を起動させ、肩と腕部で支える。

スコープを覗き、


研究施設と情報にあった建物に狙いを

つける。


「今から最後の目標を破壊する。ノメリア、

いいな。」


「ああ、構わない。これで一つ、初白星だ。

死刑にならず済む。」


俺は苦笑しながら、

トリガーに手を置き、肩部のスナイパー、

レールキャノンを放とうとした。


しかし、刹那、スコープの映像が乱れ、

トリガーを引くのは躊躇われた。


「出てきたか。待っていたよ、お前を。」


俺は高鳴る鼓動を抑え、目標、眼前に

現れた少女に対峙する。


少女は掌をこちらに向け、少し間があった。

その後、青白い一筋の光がムーブメントに

向かって飛んでくる。


俺はムーブメントが飛翔するイメージを

脳内に起こした。


すると、機体は空高く上昇し、光を躱した。


「やった!!やれる、避けられる。

あいつの攻撃を。」


少女は驚愕した様子だった。


上部にあるムーブメントに今度は、

手を扇ぐように動かしてきた。


すると、光が一線の波として機体に

押し寄せた。


俺は頭の中で敵の光を、壁で阻むイメージを

作り出す。すると、少女の放った

光は拡散し、威力を無くした。


敵の武装に対し、機体の前方に高密度の

レーザーを張り巡らす、

シールドを使ったのだ。


「対レーザー、レーザーシールド

起動確認。っと。


ノメリア、次で全武装の動作確認も

終了だ。まず、初白星だ。」


そう言って俺は肩にある武装を

再度、起動させ、スコープを覗く。

照準を目の前で対峙している、彼女に

合わせ、トリガーを引いた。


長身のその武装の銃口に光が集まり、

それは高速で放たれた。


そして、彼女に当たった。

と思った瞬間、光は拡散した。


彼女も生身ながら、こちらと同じ手法で

レーザーを防いだのだった。


しかし全ては受け流せず、彼女は地面に

伏して、気絶しているようだった。


「敵対象の無力化を確認。

ノメリア、まだ生きているようだ。

どうする?」


「コックピット内に回収して、

こちらへ戻ってきてくれ、捕虜及び

研究対象にする。


あと、しそびれた研究施設の

破壊も頼む。」


簡単に言ってくれるよ、まったく。


俺はムーブメントから降り、彼女を持ち運び

コックピットに戻ると、

スナイパーレールキャノンで

研究施設を破壊し、自軍へと踵を返した。


研究施設を破壊する際、彼女が呻いた

気がした。

本当はあと1話上がる予定でしたが、


今日はもう校閲する時間もないし、

4話でまた127番体に話が切り替わるので、

今日は2000文字程度だけ。


読んでいただけると嬉しいです。では。

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