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4 幼馴染

 今回は、倉河みおり様のリクエストです。

 お題は「幼馴染」でエッセイ。

 なろうにおいては、“幼馴染”というのは、異性で、浮気してざまぁされる対象であることが多いように感じます。

 これは、“長い付き合いで家族ぐるみの関係もあったのに裏切った”というわかりやすい記号になるからだと思います。

 “家族ぐるみ”の信頼関係を破壊、というのはなかなかにインパクト強いですからね。

 “幼馴染”という単語の辞書的な意味としては、広辞苑によると「幼時に親しい間柄だった人」とあります。「幼時」は「子供の時」だそうです。

 「子供」が何歳を指すのかは、載っていませんでした。

 広辞苑では、ほかに「幼友達」というのも載っていますが、なろうでの意味合いとしては幼馴染と同じと考えていいでしょう。

 そこには、異性であるという条件は付されていません。

 この点が、なろうにおける“幼馴染”との大きな違いでしょう。

 なろうの現代恋愛において、徹頭徹尾“男同士の幼馴染”だけで話が続くことはまずないからです。

 言い換えると、異性の幼馴染が必ず登場する、ということになります。


 なろうにおける“幼馴染”の最大公約数的な意味は、“幼い頃からある程度長期にわたって友人関係にあった異性”ということになるでしょう。

 ここに、作中での扱いに応じて“家族ぐるみで親しい”という因子が加わることがあるわけです。

 幼い頃というのがまた抽象的でわかりにくいところですが、物心つくかつかないうちから、せいぜい小学2年くらいまででしょうかね。

 小学4年の時に1年間遊んだ程度の友達を幼馴染と呼ぶのは、違う気がします。




 さて、この“幼馴染”、なろうにおいては、大抵の場合、幼稚園前後から共に過ごしてきて

 1 今も付かず離れずの腐れ縁的な関係

 2 付き合っていたが、浮気された

 3 小学生くらいで転校し、高校で再会した

の3つのパターンに大別できると思います。

 3の派生として、“男だった(と思っていた)のに、再会したら女になっていた”というのもありますね。




 創作ものにおける幼馴染のメリットは、“思い出の共有”“気心が知れている”というのが大きいのではないのでしょうか。

 ジレジレの幼馴染同士がくっつくまでのお話だと、小さいときに結婚の約束をしたとか、縁日で指輪を買ってあげたとか、微笑ましいエピソードを持ち出して盛り上げたりします。<鷹羽がやってることじゃん!

 もっとも、現実では、こういうのって黒歴史候補だったりするんですけどね。

 ちなみに鷹羽は、結婚の約束をした幼馴染が4~5人いましたが、中学校時点で既に全員疎遠になっていました。現実なんてそんなもんです。




 最近のなろうの傾向だと、幼馴染というのは浮気するもの、しかも女性限定というイメージですね。

 恋愛もの全体では、浮気するのは男性が多いようですが、幼馴染に限定すると女性側しか浮気していないイメージです。

 しかも、男性はヒエラルキーが低めなのに女性は高いという格差があります。

 “幼馴染カップルの浮気”というのは、わかりやすい“ずっと一緒に過ごし信頼していた相手が自分を見下して裏切った”情景なのです。

 まぁ、要するに、高校生になってから知り合ったカップルだと、1か月前に付き合い始めたなんてことになり、浮気されてもあんまりダメージないわけですよ。

 幼馴染の同類として、“大学時代から付き合っていたのに、就職後に浮気された”ってパターンがあります。

 それなりの期間、それなりの深さで付き合ってたのが裏切られていたというと、誰でも「そいつぁひどい奴だ」と思うわけで。

 言ってしまえば、そういうわかりやすい展開なのです。




 反面、甘いバージョンもありまして、「お前らまだ付き合ってなかったんかい!」ってパターンです。

 この手のは、幼馴染=長い付き合いという記号で、“自然に隣にいて、仲睦まじい”ために、とっくに付き合っていると周囲に認識されているパターンが多いです。

 このパターンでは、ジレジレの両片想いであることが多いですよね。

 で、大抵は2人のどちらかが第三者から告白されて話が転がり始めます。

 危機感を感じて一気に進むとか、コンプレックスなどから告白してきた別の相手と付き合うことになって、幼馴染の大切さに気付く、というような展開ですね。




 もう1つ、途中で転校した幼馴染と久々に再会した、というパターンがあります。

 これも、お互いが相手のことを思い続けていたというパターンと、相手の方だけが思い続けていたパターンに大別されます。

 ちょっと変化球的に、“男だと思っていたら女だった”、“なんらかの理由で女になってしまった”というパターンもあります。

 不思議と、“女だと思っていたら男だった”とか“女だったけど男になってしまった”というパターンは見かけません。




 鷹羽は、上記のとおり、幼馴染とは早々に縁が切れていて、辞書的な“幼時に親しい間柄だった人”という意味合いしかないですね。

 アラフィフともなると、もう、同性異性問わず、どこで何をしているのかさえわかりません。

 そもそも、結婚してから、友人と遊びに行くとかほとんどできなくなりましたし。

 幼馴染と結婚なんて、創作ものの中にしかない…とまでは言いませんが、一種のロマンなんですね。

 だからこそ、ネタにする・されるわけですけど。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小学生の頃は近所に幼馴染がいっぱいいた!! 同学年比だと、1:4で紅一点。 しかし、中学くらいでは、もうそれは黒歴史になっていた笑! 何故かそのうちの一人は、クラスが一緒になったり、席が…
[一言] 割烹コメントでも書きましたが、幼馴染みは浪漫ですよね!(力説) 故になろう系『幼馴染みざまぁ』は題名で察するとほぼスルーします(キリッ)
[良い点] 現実恋愛、というか男性向け恋愛ものは幼馴染=酷い女系が多いようですね。なぜそうなっているのか、考察を見てふむふむ納得致しました。 確かに、長く一緒に居て信頼していた分、裏切られた時の辛さは…
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