白ほも姫
昔々、話し掛けると応えてくれる鏡がドン〇ホーテに売っていたので、女王は喜んで買い物かごへ入れました。
「世界一美しいのは……誰だい!?」
「ててーん! 白雪姫です」
何を聞いても白雪姫としか応えないファングッズだとはつゆも知らず、女王は怒り狂って毒リンゴを業務用スーパーに買いに行きましたが、無かったので魔女に作らせました。
「UberMeetsです」
「はーい」
白雪姫は自分の頼んだ出前に異物を混入されているとも知らず、熱々の讃岐うどんをペロリと平らげました。
「うーん」
白雪姫はその場で倒れてしまいました。
「食べ過ぎですね」
町医者もヤブだったので、満腹で膨れたお腹を見てさっさと帰ってしまいました。
白雪姫を哀れに思った妖精達は、白雪姫をハッテン場へと運びました。ありがた迷惑な話です。
すると、そこへ王子様がやって来ました。勿論白馬に乗っています。乗馬スキルもカンストしていますので、落馬の心配もありません。
「これはなんと美しい……どれ、一つ私の口づけで」
白雪姫に王子の顔がそっと近付きました。
が、キスされたのは白雪姫の隣で寝ていたハッテン場のお兄さんでした。
「目が覚めたか?」
「……アニキ!!」
お兄さんは王子様の後ろに座り、白馬が走り出しました。が、お兄さんの乗馬スキルは皆無だったので、少し離れた所で落ちてしまいました。
「やだ……いいもん見ちゃった♡」
うっすらと目を開けていた白雪姫は、酷くご満悦な顔で起き上がりました。少し離れた所では、懸命に王子様がお兄さんの心臓マッサージを行っております。
「白雪姫起きたのかい!?」
妖精達が駆けつけます。何故かみんなズボンを履いておりません。
「ええ。讃岐うどんの解毒作用が効いたみたい。やっぱりうどんは香川よね♪」
「だよね」
おしまい。