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ミミックVS毒熊

「次は私の番ですねマスター! 是非ともベノムグリズリーと戦わせて下さい!」


「ベっ…グリズリーだよ?熊だよ?!この辺りで一番強そうなヤツだよ?! 私なんか多分おやつ感覚で頭から食べられるよ? 死んじゃうよ?!!」

某ジビエ漫画で熊の怖さは骨身に染みているのだ、私は不死身の帰還兵じゃない。


「(まるで実際に見てきたかのような怯えようですが、何かご経験が?)」


「え、いや、無いけど…」

人間が蚊トンボみたいに蹴散らされる描写が目に焼き付いていて、熊という存在への恐怖が拭えない。


「(まあまあ、とりあえずステータスを確認してみては?)」


…そうね、見てみないことにはね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ベノムグリズリー

熊型の魔物、フォレストグリズリーの変異種。

フォレストグリズリーよりも一回り小柄なぶん筋力で劣るが

その分機敏であり、障害物の多い場所では危険性が増す。

毒攻撃を得意とし、自身も毒に対して高い耐性を持つ。


 年齢:5歳

 性別:雄

 体力:326

 魔力:21

 筋力:56

 敏捷:62

 耐久:74

 知力:5

 精神力:5

 幸運:6


 -種族特性-

 [毒熊の毛皮]


 -固有スキル-

 [毒爪.C]

 [毒咬.C]

 [毒霧.C]


 -獲得スキル-

 [咆哮.C]

 [重圧の眼光.E]

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

うーん、私よりも格上の相手である事には変わりないけれど

それでもハコネさんと比べると見劣りして見えてしまうのも事実…。


他でもないハコネさんの頼みだし、聞いて上げられる事聞いてあげたい。

「まあ…丁度下山する方向だし、ハコネさんがどうしても戦いたいのなら…しょうがないか」


「(おお! では?!)」


「うん、付き合うよ。…でも危ない時は守ってね? それと追いかける途中で下山方向から逸れたら諦めること!」


「勿論ですとも!では早速追跡しましょう!」

相手は熊、人間の私の足では熊の足には追い付けないだろうと

休憩時の時の様にハコネさんの上に載ってナビゲートしながら進むことになった。


「触手が万一ぶつかると怪我じゃ済まないですから」と

成るべく姿勢を低く抱き着くような形で、かつ触手で固定するという体勢をとった

おんぶ紐みたいだなー、あ、お寿司かな?とか思っていたが

いや、傍から見たらある種の晒し刑にしか見えないだろうなと己を客観視して真顔になった。


「(それではベノムグリズリー目指して出発!)」

ハコネさんが森の中を駆け抜ける

太い木々は避け、そうではない障害物は全て触手で薙ぎ払い進む


「あっば、ぶぷっ、ちょ、ぺっ、ちょ、ハコネさん葉っぱ、破片がっ!」

払った葉や枝の破片が顔面に向かって容赦なく飛んでくるのだ

とても目を開けていられない、口を利くのもやっとだ。

それでも採取は忘れていないらしく、私が固定されてる蓋の部分が半開きで常に斜めな上

段差でゆらゆら揺れてしまうのだ、ゲロ吐きそう。


「(大きい破片は飛ばないようにしてるので! 目を瞑って顔を伏せていて下さい! スキルだけなら視界を介さずに使える筈ですので!)」

そんな事言われても…!


…出来た。

意外と感覚頼みでふわふわやっても使えるもんだな…。


「(ハコネさん、進んで…もうちょっと左に…そう、そのまま)」

そうやって暫くハコネさんのナビゲートに集中していると


「ん?何だか動きが…」

こちらから真っすぐ離れようとしていた動きが急に大きく左に逸れて…

これは、回り込もうとしている?

何処までも追いかけてくると思って腹を括った?

不意打ちを仕掛けるつもり…かな?


「ハコネさん、左から不意打ちに来るみたい! 結構動き早いよ!」


「(了解です、迎え撃ちましょう! 場を広げますよ!)」

ハコネさんが前方の道を拓く為の触手を全てを周囲の一掃に回し周囲を広げ、

ベノムグリズリーが来るであろう方向に向き直り、幾つかの触手を手前の少し向こう側に突き刺した。


「マスター! 私の後ろに!」

ハコネさんが私の体を固定する触手を解いて、退避するよう促す

言われた通りにすぐに後ろに回り、自分も棍棒を構えて身構える。


少しして遠くの茂みからガサガサと藪を掻き分けてベノムグリズリーが近づいて来た。

来るぞ…来るぞ。

一瞬黒っぽい色が見えたと思うと

凄まじい咆哮と共に大きな熊が飛び出してきた

デカい、小柄とか書いてあったけど、想像よりデカい

軽自動車ぐらいはある巨体が敵意に満ちた形相で牙を剥き、両腕を振りかぶって。

咆哮で身が竦み動けない、このままやられる、と思ったその一瞬。


ハコネさんが突き刺した触手をテントの留め具(ペグ)のように使い

パチンコのような形で体当たりをかましたのだ。


「ドゴンッ!」と車の衝突のような音がして、ベノムグリズリーが後方に軽く吹っ飛ぶ

背中から落ちるが一瞬で体勢を整えようとする

すかさずハコネさんが触手を振るいベノムグリズリーを一撃、二撃と打ち据える。


血と毛が舞い、たまらず飛び退き間合いを取ろうとするが

飛び退いた一瞬の隙を突いてハコネさんが無数の触手を一気に繰り出し

ベノムグリズリーの手足を絡めとる

振り払おうとするが次々と触手が巻き付き、完全に身動きを封じる

そのままギリギリと締め上げ、ハコネさん自身の方へと引きずって寄せる

ベノムグリズリーは必死にもがき、死に物狂いで吠えて逃れようとするが

最終的に口まで触手で封じられ、何の抵抗も許されなくなり

闘志は完全に失せた様子で、恐怖の色に染まった顔をハコネさんは

ごぎり、と頭ごと噛み切った。

ベノムグリズリーの首から下がビクンと痙攣した後、動かなくった。

ハコネさんはまるで食べかけのパンをそのまま食べ進めるのように

雁字搦めのまま残った胴体を口の中に収めた。


「(ふーむ、私の歯と打撃は可食部位を唾液で汚してしまいますし、素材部位も大きく損なってしまいますね、今後はもっと上手く仕留めねば)」

そう言いながら口の周りに着いた血と毛をその大きな舌で舐め取っている。


「(如何でしたか!私の戦いぶりは?)」

呆気に取られていた私にハコネさんが向き直り、無邪気な声色で聞いてくる。


「えげつない戦い方するのね…ぶっちゃけ只の捕食シーンとしか思えませんでした…」

色んな意味で怖かったです…。


「(ええ?!…面目ありません、私は攻撃のスキルは備えておりませんし、冒険譚の様に華麗な戦い方は中々難しく…)」

見る見る内にハコネさんがしょげ返っていく。


「あ、いやいやいや! 責めてるとかガッカリしたとかじゃないんだ、さっきの時も言ったけど、生き物が死ぬとこに慣れてなくって」

恐らく私に良い所を見せようと張り切っていたのだろうに、心無い言葉をかけてしまった。


「私もこれから慣れてくつもりだから、それにハコネさんがすっごく強いのはちゃんと伝わったし、道中絶対に安全だって確信が持てたもん、凄いよ」


「(そ、そうですか? そう思って頂けたなら、ええ、何よりですとも!)」

心なしか威勢が戻った気がする、少しは持ち直してくれたかな?


「(これで大量の熊肉と素材が手に入りましたね! 素材は相場で取引できれば暫くの金策は必要ないくらいです)」


「そうなんだ?! これじゃハコネさんに養われてばっかりになっちゃうな…」


「いえいえ、マスターと一緒だから私はより楽しく散策できるのです、こうして旅へ連れ出してくれた恩に報いる為にも私は何でもしますとも!私はマスターの従魔ですから!」


「…そう、ありがとうね」

ハコネさんはこう言ってくれてるけど、こう尽くされてばかりでは心情的に据わりが悪い。

私はこれからハコネさんに何をしてあげられるだろう、何を返してあげられるだろうか…。


私たちは川を探しならの下山へ足を進めた。

ハコネさんも基本的に肉弾戦。



最初の投稿から大分時間が経ってしまいました。

改行やら句読点やら“てにをは”やら、基本的な事から勉強し直すのは骨が折れますね。

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