第2話 そっちの事情は分かったがなんでそうなる
こんばんは!昨日ぶりですね!
大学の課題が終わらない・・・たしゅけて
「おい待て。異世界に転生ってどういう意味だ。」
「そのままの意味ですよ♪ でも、唐突に言われても分からないと思うので、説明はしますよ。」
そりゃそうだ。いきなり転生させますと言われて『はい分かりました』ってなる訳ないからな。
すると、美女、もとい女神が指を鳴らすと、その頭上に大きなビジョンが浮かび上がる。そこに地球とよく似て巨大な複数の大陸と広大な海が広がっている地図のようなものが浮かび上がる。もっとも、大陸の形は地球のものとは全く違うが。
「これがその異世界です。あなたに分かるように言えば、剣と魔法のファンタジー世界といったところでしょうか。」
「剣と・・・魔法だと?」
魔法って存在してたのか。もちろん地球にはそんなものはないだろうが。
そんな場所に俺を転生させようとか、こいつは一体何を考えてるんだ。
「こいつは一体何を考えてるんだ? って思いましたよね? 大丈夫ですよ。そこもちゃんと話しますから♪」
だから思考を読むんじゃねぇよ!
なんか語尾に♪がついてる感じも地味にイラっとするし。
「まずは、この世界についての説明を行いますね。」
ようやく本題に入れるらしい。
女神が再度指を鳴らすと、ビジョンに映る映像が変化する。
「400年ほど前、この世界では人間の数が私の想定をはるかに超えて増えすぎてしまいました。そこで、人類の数を減らすため、今後の人類のバランスを保ち続けるために、私は《魔物の種》と呼ばれるものをこの世界の各地に無数にばら撒いたんです。」
「・・・魔物の種?」
俺がなんだそれと言おうとすると、女神の手にはゴルフボール程度の大きさの白い球体があった。女神がその球体を地面に放り投げると、その球体のまわりに黒い靄が発生する。そして、黒い靄が収まるとそこには
「グギャ!グギャギャ!」
子供くらいのサイズの生命体がいた。しかし、その姿はあまりにも醜悪だ。緑色の肌に紅い瞳孔、鋭く生えた犬歯、頭から生える1本の白い角。まさしく、化け物と呼ぶにふさわしい見た目だ。
「これが魔物の種ですよ。そして、その魔物はゴブリンと言います。」
ゴブリン、聞いたことはある。たしかファンタジー世界の怪物の名前だったか?
驚いて固まっていると、女神がこちらを向いて話を続ける。
「魔物を生み出す生命の種。これを用いて、私は異世界の人類の数を減らそうとしたんです。ですが・・・」
いつの間にかゴブリンが消えており、女神に顔を向けると、そこには何やら諦めたような表情が浮かんでいた。
「異世界に魔物が発生してから100年間くらいの間は魔物が優勢だったんですが、人類が思った以上にしぶとく反抗し続け、どんどん人類側が優勢になっていき、今となっては魔物たちが人里から大きく離れた場へと後退してしまったの。」
へぇ、人類側が神の想像以上に抵抗して魔物達に打ち勝ったんだな。やるじゃん人類。
「魔物の種も、手持ちにはもう雑魚なやつしか残ってないから今からばら撒いても焼け石に水だし、新しく強い魔物の種を作ろうにも、あれって私でもかなりの力を使うからあまりやりたくないのよ。」
なるほど。いくら神でも、0から生命を生み出す種を作るのは容易じゃないってことか。ポ○モンみたいにモンスターをボールに入れて保管されている訳でもなさそうだな。
だが、それがどうして俺の転生と関係するんだ?
そう考えていた矢先、女神が頼み込むような顔でこう言ってきた。
「だからさ君、魔物として生まれ変わってみない?」
いや、本当にお前は一体何を言ってるんだ?
プロローグ、もう少し続きます。
「安西先生・・・ゲームが、したいです・・・」