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天使?との出会い

ピッ…ピッ…ピッ…


ん?何…この音?


嫌な機械音で目覚めたが周りは真っ暗でどこか寂しい雰囲気を纏ってる。


この嫌な音がどこからきているのかも分からない。


私はここがどこかも分からないまま、どこまでも真っ暗な場所をゆっくり歩いた。


目もだんだん慣れた。


けど歩いても歩いてと真っ暗なままだ…。


どれぐらい歩いたのだろうか…


だんだん足も疲れてきた。


この嫌な機械音も消えない。


もう歩くのやめようと思った時、


遠くの方に微かに光が見えた。


私はやっとこの暗闇から抜けれる!

と思ったら身体が勝手に光の方へと急いで向かって行った。


だんだん光な近づき暗闇から抜けると


今度は光が眩しくて目が開かなかった。


光に慣れるまで少しずつ目をゆっくり開けたら

次は何処までも真っ白な空間だった。


私は不思議とこの空間が嫌じゃない。


それにいつの間にかあの嫌な機械音も消えていた。


私「ここはどこなんだろうか?」


と一人呟いていたら


???「ここは、あの世とこの世の途中の場所だよ!」


何処からか女の子の声がした。


驚いて周りを見渡したがどこにもいない。


???「ここだよ!」


と声の主だろう人が上から私の前にゆっくり舞い降りた。

そこには茶髪のショートヘアーで左目に小さいホクロが有り、刃が見える可愛いらしい私と同じぐらいの歳の女の子がだった。


私驚きのあまりその女の子をずっと見ていると


???「どうしたの?」


と私を心配そうに話しかけてきたのだ。


私「どうしたのって!何で上から!?何で浮いてるの!?それに背中に…」


そうその謎の女の子はずっと浮いてるしそれに背中に羽が穿いていた。


???「えっ?何でって私はもう死んでるからだよ!」


何を言ってるんだ?と言わんばかりの顔をしてさらっと答えた。


私「はっ?死んでる!?いや、だって霊感のない私がはっきりアンタの事見えてるけど…?」


そう私はまるっきり霊感がない。

なのにはっきりその女の子が見えている。

でも死んでいる?

え?意味が分からない…。何で…?


???「それはそうだよ!だって貴女も半分死んでる様なもんだから私の事見えて当たり前だよ!」


私「えっ…私が…死んだる…?」


女の子の言っている意味が変わらない…

私が半分死んでる…?

半分って何?

もう半分は生きてるって事?

何言ってんの、この人…


悪い夢でも見てるのではと自分の腕をつねった。


私「痛い…」


痛みは感じたって事は夢ではない。

じゃ…本当に私は…


と今の状況に理解しきれない私を見て女の子が覗き込んできた。


「まさか覚えてない?」


いきなりの問いに驚いた。


「えっ?な、何を?」


「そっか…可哀想だけど教えないといけから教えるね。」


と私の返事も聞かず話し始めた。


「まずは自己紹介するね。私は、ちょこ。貴女が今いるここはあの世とこの世の境目。貴女を案内人兼護衛人だよ。」


「あの世とこの世の境目?案内人兼護衛人?」


またもや私はちょこさんって人の言っている事が理解ができなかった。


「うん。貴女はこの世では死にそうなんだ。そんな貴女を私があの世に行くか、この世に戻るかは、貴女の運命で決まる。その運命に従って私達は、あの世かこの世の入り口まで案内するだけ。」


「運命?」


「そう、運命。人は運命で人生決まる。その運命があなたを導く。その運命で貴女は今ここにいる。そして今運命で貴女の人生が終わるか終わらないか今ここで決まるんだよ。」


「運命って…じゃ、もしかしたら私はまたこの世に戻れるって事?」


そうだよ。

まだ私は半分生きてる。

じゃ、また私が居た世界に戻れる可能性だってあるはず。


「う〜ん。それは難しい話しなんだよね。」


「え、どうして?」


「残酷だけど貴女は、友達と夜遊びしてその帰宅途中で居眠り運転していたトラックに衝突され頭を強く打ち病院に運ばれたの。手術したけど頭の損傷が酷く、この世にある貴女の身体は今夜が峠を迎えるらしい。」


「え…。轢かれた…。」


私はちょこさんの話を聞いて思い出した。

あの轢かれた瞬間を…。


「そうだ。私轢かれたんだ…」


「思い出した?」


私はちょこさんに頷いた。


「でね、今ここにいる貴女の身体、神様が与えてくれた作り物の身体でね。中身は貴女の魂だから貴女が自由に動かせるし痛みも感じたでしょ?」


確かに感じた。


私「私、死んだんだ…」


ちょこ「まだ、貴女は死んでないよ。」


私「えっ…でも、頭の損傷が酷いって…今夜が峠って…」


ちょこ「さっきも言ったけど、ここはあの世とこの世の中間場所!貴女がここに居るって言うことは、この世にある貴女の身体は微かに生きているって事。」


私「じゃ、もしかしたら私死なないかもしれないの?」


ちょこ「残念だけど…貴女の運命は、あの世行きなの…。だから、私は貴女をあの世に案内しないといけないの…」


とちょこって人は、私から目をそらし答えた。


私「で、でも、この世の行く事もできるんだよね?だったら、そっち案内してよ!」


私は、少しの希望があるならばと頼んだ。


でも、帰ってきた答えは、絶望的だった!


ちょこ「貴女が望めば、案内は出来る。でも、運命を変えるって事は凄く大変な事…私はここの案内人兼護衛人と言ったの覚えてる?」


確かにそう言ってた!


私「うん。」


私は、頷き次の言葉を恐る恐る聞いた。


ちょこ「ここには、私以外の案内人兼護衛人が他にもいる。運命を変えようとすると、その人達が貴女を殺しにくる。私は、貴女が運命を変える事を諦めるまで貴女を必死に守る役目なの。貴女達みたいな人がここで死ぬと永遠ここで魂だけさまよう事になる。この世で言うと植物状態みたいなもの…。そうならない様に私は、貴女達が諦めるまで必死に守るだけなの…」


永遠ここで魂だけさまよう…

植物状態…

それに、


私「アンタは、守るだけで戦ってくれないって事?」


ちょこ「そう…ここの決まりで闘う事は、閻魔様から禁止されているの。だから、守るだけ…。それに、私よりも強い人はたくさん居る貴女を守れるなんて分からない…」


と下唇を噛み悔しそうにしていた。


多分、あの子も私以外の人を沢山案内してきたんだろう。

その中で運命を変えようとした人もいただろう。

守れなかった人もいたのだろうなと顔を見て分かった…。

でも、今の私にはどうでも良いことだ。

だって、もう私の運命は…


私「運命は、逆らえないって事は私は死ぬってことなんでしょ…」


私は気力がなくなった…

だって、何しても運命に逆らえないのだから!


そんな、私を見て


ちょこ「私には、運命をかえさせる事が出来ないけど家族には合わせてあげられるよ。貴女が望めばだけど。」


と励ましの言葉をかけてくれたが

私は家族も嫌いだ。

それにお母さん、お父さんとちゃんと話したのいつだったかも覚えてない。

だから…


私「会わない。それより、早くあの世に案内して。」


とちょこって人に冷たくあたった。


ちょこ「そっか…。分かった…それじゃ、案内するね。」


そんな私にイラっとせず、笑顔で答えてくれた。


私「っ…。」


この人に八つ当たりするなんて間違えてるのは、分かってる。

だから、私はその笑顔が辛く何も言えなかった。


ちょこ「でも、その前にっ」


パチンッ!


私「えっ!?」


ちょこって人が指を鳴らした途端、何もなかった真っ白な空間が綺麗な川沿いのある森林に変わった。

小鳥の鳴き声などが聞こえて、とても癒される場所だ。

でも、何でだろう?

この景色、見た事あるような?

ってそんなことよりっ


私「アンタ、魔法使いかなんかなの!?」


私は、また驚いた。

指鳴らしただけで、場所を変える事ができるなんて本当この人は案内人兼護衛人だけなんだろうか?


ちょこ「ハハッ。魔法使いじゃないよ。私は、貴女達の住む世界で言うと天使みたいな人だよ!それに場所を移動したわけじゃないよ。ここの空間にこの風景を作っただけ。要は、作り物。私が思った物を作り出しただけ。何もない真っ白な空間で移動するよりこっちのがいいでしょ?あっ、でも本物と何の変わりもしないよ!だから、貴女が作って欲しいのが有れば、作るよ!それに、私はアンタじゃないよ。ちょこだよ。夏夜ちゃん。」


私「はぁ?何で私の名前知ってんの?」


いきなり、名前を呼ばれたのでまたまた驚いた。


ちょこ「ここに来る人は、会う前に神様から教えてもらってから、私達は貴女達に会いにいくの。年齢、名前、それと死因を。その3つだけだけど私達にはそれだけ知ってれば良いから。」


そっか…

だから、知ってるんだ。

納得だ。


ちょこ「じゃ、行こうか!」


私「えっ?ちょっ!」


ちょこさんは、私の手を掴み動き始めた。


ちょこ「せっかく、出会ったんだら楽しんで行こう!あの世まで3日もかかるしね!」


と笑顔で強引に引っ張ってくる。

だから、私は何も言えずちょこさんの後について行く。


それにさっきから、思っていたがちょこさんの笑顔を見ると何だか心が暖かくなる。


3日もちょこさんと2人っきりだから、この最後の命を楽しん…で…行こう…か…な…?


ん?

まって…3日?


私「あの世まで3日もかかるの!?」


ちょこ「そうだよ。3日短いよね〜。」


私「いや、なげぇ〜よ!てか、私3日も歩かないと行けないの?車とか作れないの?」


ちょこ「長いかな?それに、車とかも作れるけど移動系とかは私の体力の減りが凄いからあんまり長い時間は、無理なんだよね〜。」


と残念そうな顔をして答えた。


私「えっ?これ作るのに体力使うの?」


ちょこ「そうだよ。だから、あまり使わないのがベストなんだけどね!体力なくなると、動けなくなるんだよね〜。でも、寝れば次の日には、復活するけど」


何だか、ちょこさんは能天気な人だな。


はぁ〜。

じゃ、あんまり使わない方が良いんじゃ…


私は、そんなちょこさんと3日間の長い旅が始まった。


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