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犬豪伝〜ミナモトノウズマサ異聞録〜  作者: 星一悟
第二幕 西方世界編
27/81

難民と食料問題

トランザを制した事はリファールとダグザにとって朗報であったが、その間にも他の国々ではモンテンノーザの攻撃に耐えきれずおとされた国が多くいた。落とされた国々はどうなるか?


それは決まっている。乱暴狼藉の上、モンテンノーザの軍は捕虜や奴隷をとらないため皆殺しにされていた。

城を治める王族や貴族の多くは毒人参を煽って自殺するものや、平民と共に難民となって南のリファールを目指す者で溢れ返っていた。

人々の間ではモンテンノーザ軍は人肉を喰らうと言われ、実際に遺体はオーガを中心に食べられ損壊された。


運良くリファールやダグザについた難民は石壁の塀の外で水や食料や医薬品を乞い、国家的食糧難に陥りつつあった。

医療品どころか、水は川の水や沸騰させたお湯が飲めればまだ良い方で、治療魔法を使える神官の数も足りない。

そして、なんと言っても食料を難民に分け与える者が少ない。

川に住む魚を勝手に採ったり漁師から奪う者も続出し、食料を求めて彷徨った。

リファール近辺の森にはウサギや鹿がいるが、リファール公認猟師の弓や罠によって捕まえる量も不安定であり、リファール国内では食糧の値段が高騰し、難民と同じ様にお白湯のようなスープや野菜の切れ端などで誤魔化して食う市民が続出した。

肉を食べれるのはますます貴族階級と王族だけになっていった。

市民からの施しを受けなくなった市内の乞食は、下水に住むドブネズミを取って焼いて食う始末で、乞食同士で食べ物を巡って争いが起き、餓死するものが増えていた。


そして、西方諸国の勢力図から白い駒が消え、黒い駒が増えていったのだ。


モンテンノーザが死んで平和と呼ばれる時代にあって、貴族は内政の権力争いに明け暮れ、女王や王族は贅沢に金を使っていた。

誰も一度死んだシュウ・モンテンノーザが蘇るなど信じてなかったのだ。


そして、食糧難は前線にいるウズマサ達も悩ませる事になる。

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