好きなアイツは超クール 真梨澪のバレンタイン
三視点小説第三話です。
クールな女子高校生、真梨澪の視点となります。
手作りチョコを渡す女子の気持ちはどうなのか、お楽しみください。
「明人、おはよう」
「澪、おう、おはよう」
わ! 寝起きっぽいラフな明人! カッコいいと可愛いの奇跡的コラボ! いけないいけない! 見惚れてる場合じゃない!
「何だ? 日曜の朝に」
「これ渡そうと思って」
紙袋に入れたチョコを手渡す。手、震えてないよね……?
「何だこれ?」
「バレンタインチョコ。今年は日曜だから貰えないだろうと思ってさ」
「おぉ、サンキュー」
……予想はしてたけど、反応薄いなぁ……。
「もしかして、手作りか?」
「そうよ。ま、簡単な生チョコだけどね。ちょっと食べてみてよ」
「うん」
手作りって気づいてもらえた! 嬉しい!
味がどうか、固唾を飲んで明人の反応を待つ。
「ん。うまい」
「そ、良かった」
……わぁ、リアクション薄い……。
これで喜んでくれたなら勇気が出たかも知れないのに。
「義理でもないよりはマシでしょ?」
「まぁな」
気合い入れて作ったのに、義理にしてごめんね生チョコ。でもやっぱり幼馴染から踏み込むのは怖い。
「ホワイトデーのお返し、期待してるよ」
「分かってるよ。ありがとな」
なんて言ったけど、別にお返しなんていらない。勿論明人から貰える物は何でも嬉しいけど、好きな気持ちを伝えたいだけだったから。
でもまだもう少し、幼馴染のままで居させて。
読了ありがとうございます。
どうしてもバレンタインに間に合わせたくて、大慌てで書いてしまったので粗はあるかと思いますが、多めに見てくださいましたら幸いです。
それではまた次回作でお会いしましょう。