好きなアイツは超クール 振井明人のバレンタイン
三視点小説第二話。
クールな男子高校生、振井明人の視点です。
澪からチョコをもらったその心理やいかに?
どうぞお楽しみください。
「明人、おはよう」
「澪、おう、おはよう」
な、何だ何だ!? 休みの日に澪が俺のところに!? すっごい嬉しいけど何!? 私服可愛いけど何!?
「何だ? 日曜の朝に」
「これ渡そうと思って」
澪が紙袋を渡してくる。これってもしかして、もしかするのか!?
「何だこれ?」
「バレンタインチョコ。今年は日曜だから貰えないだろうと思ってさ」
「おぉ、サンキュー」
手が震えそうになるのを抑えて受け取る。動揺するな! クールを装え!
「もしかして、手作りか?」
「そうよ。ま、簡単な生チョコだけどね。ちょっと食べてみてよ」
「うん」
ひゃっほー! 手作り! 俺のために! 本当なら食べたくない! 家宝にしたい!
「ん。うまい」
「そ、良かった」
最高だよ! こんなうまいチョコ、食べた事ないよ!
「義理でもないよりはマシでしょ?」
「まぁな」
うぐ、いや、そうじゃないかとは思っていたけど、実際に言われるとキツい。顔に出さないようにもう一つチョコを口に入れる。さっきより苦さを感じる気がする……。
「ホワイトデーのお返し、期待してるよ」
「分かってるよ。ありがとな」
それでもホワイトデーには何か喜ぶ物を贈ってあげたい。例え澪が義理だと思っていたとしても、幼馴染にしか過ぎないとしても、俺は澪の事が好きだから。
読了ありがとうございます。
まぁそうなりますわな(笑)。
では渡した方の気持ちはどうなのか?
真梨澪編を引き続きどうぞ!