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45歳元おっさんの異世界冒険記  作者: はちたろう
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第九十二話

誤字報告ありがとうございます!何かありましたらまたお願いします。とても助かっています。

体調の方は良くなりました。

今回初めてなりましたが、めまいって辛いですねぇ。

「ふー、ごちそうさん。リュウジ、お前やるなぁ」


「ありがとうございます。そんな大したもんじゃないですけどね」


 マーリさんが言っていた休憩場所は、箱馬車が三台は止めることができる広い場所だった。そこでいつものように椅子と机、コンロを出して肉を切ってパンと一緒に炙ってから挟んでサンドイッチを作ってみたら、皆に好評だった。


「ほんとだね。固いパンも火で炙ると食べやすくなるんだね。美味しかったよ」


「でしょう?リュウジが作ると美味しいんだ」


 タニアが得意そうに胸を張って言う。タニアだって食べただけじゃん。


「お昼も食べたし、馬の休憩が終わったら出発するかね」


 そう言って、馬のブラッシングや水をやるマーリさん。それをニーナが手伝っている。


「リュウジ、あと半日で盗賊の縄張りに着くんだけど、襲われるかな?」


「どうだろう、僕たちがいるから襲わないかもしれないし、ニーナやタニアを見て襲ってくるかもしれないしね。ラッドさんはどう思います?」


「んー、どうだろうなぁ。俺にはわかんねぇや」


「んー、そう言わずにさぁ、可愛い後輩たちに教えてよ~」


 珍しくタニアが色っぽく迫ってる!


「んあ?ちょ、おまえっ!なにすんだ!大人しくしてろって」


 ラッドさんが困った顔で拒否ってる。タニアも可愛いからなぁ。突然、あんな風に来られたらああなるよなぁ。


「俺にだってわかんねぇよ!それにいるだけだって言ったろ!」


「そっか。そうだよねー。わかったら凄いもんねー」


 ラッドさんにくっつきにいってたのに剝がされて後ろ頭で手を組みあっけらかんと離れていくタニア。うーむ、落差がすごい。


「あはは、じゃれるのも終いにしなよ。そろそろ出発するからね」


 マーニさんとニーナが馬の世話を終えてこちらにやってきた。


「ニーナ、お疲れさま。」


「ありがとうございます。あのお馬さん可愛いですね。とっても賢いんですよ。こっちの言っていることがわかってるみたいです」


 馬はもともと賢い動物だって言われてるけど、人の言ってることは理解してなかったように思う。こっちの馬はもっと賢いのかな。


「よし、じゃあ出発しようかね」


 マーリさんの準備が整うまでに出していたものをリュックサックにしまっておく。適当に放り込んでもちゃんと整理されるからとても便利だ。


「また、さっきみたいにやるの?」


 タニアが歩き出した馬の右横を歩きながら聞いてくる。


「そうだね、そうしようか。まあ、警戒しておいて損はないしね」


「じゃあ私は後ろにいますね。何かあったら呼んでください」


 ニーナは後方で警戒してくれる。ラッドさんも一緒に後ろにいるみたいだ。






「なかなか出てこないですね。もうそろそろ目的地あたりですよね」


 あれから歩き続けて、もう空が茜色になっている。途中で休憩を一回挟んで、今は森の外側を通っている街道で、もう少し行けば野営場所があるみたいだ。東に向かって進んでいるから、北側が森でもっと向こうの方には山が見える。南の方は草原が広がっているが所々に大きな岩が見える。この街道は進む先にも大きな岩があってそれを避けるように通っている。


「この辺りなら待ち伏せしやすそうだな」


「そうですね。森の中の洞窟なんかに隠れ家を作って、身を隠しやすいここを通る商隊を襲えばいいんですからね」


「あたし、ちょっと見てこようか?」


「いや、もう少し行けば野営地だからそこまで行ってからにしよう」


「私もそうした方が良いと思うよ」


 マーリさんも僕の意見に賛成みたいだ。タニアはちょっと考えてから頷いたけどちょっと不満そうだ。なんでだろう?ちょっと聞いてみようか。


「どうした?タニア。何か気になることでもあったか?」


「ん?いや、何かあるわけじゃないんだけど…ちょっと何か引っかかるんだよね…ん~なんだろ?」


「勘みたいなもんか?気になるなら行ってきてもいいよ」


「わかった。ちょっと行ってくるよ。ここで待ってて」


 そう言って先行するタニア。マーリさんは馬車を街道の端に寄せて木桶を出して馬に水を飲ませる準備をしている。


「どうしたんですか?何かありました?」


「ああ、タニアがちょっと見てくるって。何か引っかかるんだって」


 ニーナとラッドさんがこっちに来てどうしたのか聞きに来た。


「そうなんですか。じゃあ私たちも準備しておきましょうか」


「あ、そうだね」


 そこまでは頭が回らなかった。僕もまだまだ慣れてないな。こっちではちょっとした油断が命取りになるんだった。


 背中に背負っていた盾を左手にしっかり固定して剣を抜いておく。ニーナの方はもっと簡単で、杖を持ったいつもの格好だ。杖は歩くときにも使ってるから準備はほとんどいらない。


「じゃあ私は後ろを警戒していますね」


「うん、頼むよ。何かあったら呼ぶね」


 はい、と返事を残して後方の警戒に戻るニーナと入れ違いでラッドさんがやってきた。


「気を付けろ、何かあるかもしれん」


「わかりました。ありがとうございます」


 周りを見ながら警告してくれるラッドさん。


「ほんとは駄目なんだがな、どうも、嫌な雰囲気だ」


 僕にはさっぱり分からないが、今までのんびりしていたラッドさんの目が真剣だ。気を引き締めよう。


 街道の向こうからタニアが帰ってきた。ん?走ってくるな。表情が真剣だ。何かあったかな?


「みんな、待ち伏せされてる。ちょっと先のほうで六、七人いると思う」


「凄いぞ、タニア。で、弓持ってるのは何人いるかわかるか?」


「おそらく三人。全部街道の森側に隠れてる。どうする?リュウジ」


 どうしよう、いや、倒すことは決まってるんだけど、どうやろうかなぁ。こっちは三人で向こうは倍の七人か。待ち伏せされてるってことは、こっちのことはばれてるから真正面からしかないか。


「襲ってくることが分かってるんだから奇襲したいところだけど、待ち伏せされてるからそれは無理だろうから、ここは真正面からぶつかるしかないと思う。ただ、弓使いだけは何とかしておきたいな。何かいい考えはない?」


 僕に思い浮かばなくても、ニーナやタニアなら何か考えつくかもしれない。


「タニアさん、待ち伏せされてる場所は正確にわかりますか?」


「うん、動いてなければ」


「でしたら、少し手前で止まって先制攻撃しましょう。私とタニアさんで弓使いを二人は倒せると思います」


「あと一人はどうする?」


「私が何とかします。その間にリュウジさんとタニアさんで残りの盗賊を倒してください」


 うーん。それで行けるだろうか。ニーナが危険じゃないかな?うーん。どうしよう。


「タニアはどう思う?」


「あたしはいいと思うよ。リュウジはニーナが危険じゃないかって思ってんだろ?」


 なんでわかったんだろう。そんなに顔に出てたかな?


「なんでわかったんだ?」


「顔に出すぎ。あたしたち、というかニーナのことを心配してくれるのは有り難いけど、仲間なんだからちゃんと頼ってくれないと駄目だからね」


 そうだな、二人ともつい娘みたいに感じて守らないといけない感じがして。


「そうだな。今までも頼りにしてきたつもりだけど、これからもっと頼ってもいいんだな」


 というか信頼しないと駄目だな。


「そうですよ?私だって冒険者ですからね。ちょっと頼りないですけど…」


「よし!ニーナの作戦で行こう。でも、危なくなったら教えてくれ。出来る限りのことはするから」


「そん時は負ける時だな。そうならないように頑張ろうぜ、ニーナ」


「私も手伝うからね。そんなことはさせないよ」


 マーリさんも弓を傍らに置いて矢筒を腰に着けている。頼もしいけど、契約してないけど護衛対象だから無理しないでほしい。


「マーリさんは無理しないで下さいね。僕達が駄目だったら逃げてください」


「馬鹿言っちゃいけないよ。息子みたいな年頃の子たちが頑張ってんのに逃げれるかい。任せときな」


 実際有り難いけどいいんだろうか。タニアの方を伺うと、好きなようにさせた方が良いよー、みたいなゼスチャーが返ってきた。


「わかりました。でも本当に無理しないで下さいね」


「あはは、わかってるよ。じゃあ話は纏まったみたいだから、いざ出発!」

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