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45歳元おっさんの異世界冒険記  作者: はちたろう
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第五十五話

誤字脱字報告ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

「さあ、今回の報酬はどうだった?」


 タニアが凄い笑顔で聞いてくる。今回の報酬は、全部で大銀貨一枚と銀貨三枚と大銅貨九枚だった。


「三人で割ると一人銀貨四枚と大銅貨六枚、銅貨三枚で銅貨一枚がパーティ資金だな。」


 銀貨は日本円に換算すると一枚大体一万円くらいだと思う。だから二週間で四万六千三百円になる。日本で考えるととてもじゃないけど生活できないが、こっちの物価は驚くほど安いんだ。この町で普通に仕事をしてる人の月収は大体銀貨一枚から二枚くらいみたいだ。二週間で町の人の月収の二倍稼いだことになる。


「一人頭は結構な額になったね。でもそれだとパーティ資金に回るのが少なすぎると思うんだ。だからこれからは銅貨を全部パーティ資金にするといいんじゃないかな。」


「でもタニア、それだと取り分が少なくなるよ?」


「私もタニアさんに賛成です。これから色々と買うものも増えるはずですからあって困ることはないと思います。今回もポーションを沢山使いましたから補充しないといけません。」


「そうそう。そうしときなってリュウジ。」


 まあ、二人が良いならそれでいいか。


「わかった。じゃあこれからは銅貨の分をパーティ資金にしよう。」


 そういえばパーティ資金っていくらあるんだろう?あとで数えてみるか。ポーションとかを買うから残ってないかもしれないな。現状では大銅貨一枚分っと。


「じゃあ打ち上げを始めようか。リュウジ、お願いね。」


 いつの間に頼んでいたのか机の上には料理が運ばれてきていた。タニアが頼んでいたんだな。気が利く。料理を持ってきてくれた人に各自飲み物を頼んで持ってきてもらったら乾杯だ。


「それじゃ、みんな結構大変な依頼だったけど、無事完了しました。これもみんなの力あってのことです。これからも頑張っていきましょう。乾杯!」


「かんぱーーい!」


「乾杯です!」


 酒を飲みながら、今回の依頼を振り返る。あそこが駄目だった、ここが良かった、こうすればよかったとかいろいろ言い合う。こういう振り返りは大事だ。必ず次に生きてくる。三人でああでもないこうでもないと話していたら結構な時間が過ぎていたみたいで、あまり酒に強くないニーナがうつらうつらし始めたところでお開きになった。僕もタニアも結構酔いが回っていたけど帰れないほどじゃなく酔いつぶれてしまったニーナを背負いながら宿への帰路についていた。


「リュウジ、明日からどうするんだ。」


「ああ、タニアには言ってなかったか。ニーナとは話したんだが暫く依頼は受けずに訓練することにしたんだ。ごめん勝手に決めた。」


「そんなことはいいよ。そうか、リュウジとニーナは鍛えるのか。あたしはどうするかな。」


 タニアは明日からどうしようか考えているようだった。そうだ。タニアにあの事を相談してみようかな。


「タニア、今すぐじゃないんだけど、そのうちこの町を出て他の町に行ってみようと思ってるんだ。」


「ほかの町?どこに行くつもりなの?」


「具体的にはまだ決めてない。僕は折角この世界に来たんだからいろんなところに行ってみたいし、冒険もしてみたい。でもまだ力不足だと思ってるからもう少しこの町で実力をつけてから旅をしてみたいんだ。」


「じゃあさ、あたしが生まれた町に行ってみない?港町フルテームっていうんだ。近くに迷宮もあるし、ここより大きい町だから依頼も一杯あるよ。」


「お、いいね。タニアの生まれた町か。じゃあ今よりも力が付いたら出発しようか。いつになるかわかんないけどね。」


「焦んなくてもいいよ。急いだっていいことないんだから。」


「そうだね。でも僕、のんびり屋だからいつになるかわかんないよ?」


「わかった。さぼらないようにあたしがリュウジのお尻を叩いてあげる。」


「それじゃあ頑張るしかないじゃないか。」


 タニアと笑いあいながら宿へ帰る。ニーナといいタニアといい、僕はいい仲間に恵まれたなぁ。




 休みの間は日が昇るまだ薄暗い時間に起きて朝食前にニーナと一緒にランニング、帰ってきたら僕は素振りを熟す。素振りが終わると朝食の時間になってるから井戸でざっと汗を流して、起きてきたタニアと一緒に三人で食べる。食べ終えたら組合に行って訓練官の手が空いていたら小一時間ほど教えを乞う。訓練官はラルバさんが多かった。


「ラルバさん、剣技みたいのってありますか?」


「剣技か?あるにはあるが、魔法を使うものが多いからリュウジには難しいかもしれんぞ。お前魔力はあるけど少ないんだろう?」


「はい、基礎魔法は使えますけど攻撃魔法は無理でした。」


 魔法が使えるようになってから毎日魔力を動かす訓練はしていたんだけど、魔力量はなかなか増えないんだよな。


 ニーナに聞くと少しづつ増えてるらしい。魔力がある人は使えば使うほど増えていくらしいんだけど、基礎魔法しか使えない魔力の人は増え難いみたいだ。僕も基礎魔法しかできないくらいの魔力しかないから増え難いんだな。でも増えない訳じゃないと思う。増える量が極僅かなんだろう。若返ったから時間は沢山ある、地道に訓練していこう。


「でも魔法を使わないものもあるんですよね?」


「ある。でも一撃必殺のものはないぞ、相手を欺く技が多いな。対人戦で役には立つが魔物とか動物には無用の技だな。」


「それ、教えて貰えませんか?役に立つときが来るかもしれないので。」


「ああいいぞ。盗賊とかとやるときには有効かもしれんな。早速やるのか?」


「はい、お願いします!」


 それからしばらくの間色々なフェイント技教えて貰った。相手の目線の誘導の仕方だとか、足運びからわかる攻撃の種類を逆手に取った方法だとか、結構たくさん種類があって面白い。面白いけど難しいなこれ。


「この技は一対一の時くらいしか使えないから覚えても使う場面は殆どないと思うぞ。物好きだな。こんなの使うより筋肉鍛えた方が良いと思うぞ。」


「ま、まあ覚えておけば何かの時に役に立つかもしれませんからね。練習してみます。ありがとうございました。」


「おう、また来いよ。リュウジは珍しく熱心だからな。死ぬんじゃないぞ。」




 そんな休暇を一週間ほど過ごしたある日の夕食の時に、久しぶりに活動しようっていう話になった。どうやら二人とも懐が心許なくなってきたらしい。


「リュウジそろそろ依頼受けよう。金が無くなってきた。」


「私も依頼を受けた方がいいと思います。というか私もお金が少なくなってきました。」


「よし明日依頼を受けようか、またゴブリン討伐にする?」


「ゴブリンはもうしばらくやりたくないかな。何か違うのにしない?」


 ゴブリン討伐の依頼じゃなかったら何があるんだ?薬草採取?いつも見てる依頼ボードではゴブリンの依頼ばっかりだったような気がするんだけど。


「角うさぎとかはあたしたちにはもう簡単すぎるから討伐系のやつで森狼フォレスウルフ討伐にしない?」


「森狼フォレストウルフかぁ。手強くないかな。」


 森狼…フォレストウルフはセトルの町の周りにある北の森の奥の方、山に近いところに生息しているかなり大柄な狼らしい。組合で聞いたことがあったんだが、体高は一メートル五十センチくらい、体長は尻尾まで入れると三メートルくらいある。っていうか滅茶苦茶デカいんだが!そんな大きさだと体重は百キロを超えるだろう。戦うなんてとても無理だな。


「あたしはいけるんじゃないかなと思うよ。」


「いやー、だってデカいし体重滅茶苦茶重いでしょ?体当たりでもされたら一発でのされちゃうよ。しかも群れているって聞いたよ?」


「私もまだ無理だと思います。タニアさんとリュウジさんなら何とかなると思いますが、私が足を引っ張ると思います。」


「うーん、そうかぁ。…じゃ、森狼はまたの機会にしようか。毛皮とかいい値段で買い取ってくれるんだけどね。」


「まあまあ、命あっての物種だからさ。もっと出来るようになったら挑戦してみよう。」


「じゃあ明日からもゴブリンでいいかな?」


「しゃーない。それで妥協するか。」


「はい、無理はしないほうがいいと思います。」


 森狼か。何時かは戦ってみたいなぁ。ま、もっともっと力をつけてからだな。




 次の日からは、ゴブリン討伐の依頼を熟していった。一日に五匹ほどを狩ることができて薬草を採取したり、角ウサギも狩ったりできた。一日の報酬はそれなりの額になったけど一人頭にするとちょっと少ないかな。


 話は変わるけど、ゴブリンを毎日こんなに倒していったらいなくなるんじゃないかと思ったんだけど、全然いなくなる気配がない。僕達みたいな冒険者には有り難いけど、どうなってるんだろう?っていうかどうやって増えてるんだろう?そんなに襲われてる村や人がいるんだろうか。


「ねえタニア、ゴブリンってこんなにいるもの?」


「いるとこにはいるけど…いつもはどうなの?」


「この辺りの森ではかなり多いと思います。どこかに規模の大きい巣があるかもしれませんね。」


「ああ、そうだったね。前も巣を探してみたんだっけ。見つからなかったけどね。これは本腰入れて探してみようか。」


 ムサット村の依頼だって四十匹を超えるゴブリンがいたからなぁ。これだけいると結構大きい規模の巣があるかもしれない。


「よしタニア、ニーナ。探してみようか?」


「はい、やりましょう。」


「おし、探してみようか。見つけ出して組合に報告すれば対処してくれるでしょ。」


 こうして僕たちは巣を探すことにしたんだ。この時は何も考えてなくて見つかればラッキーぐらいの感覚だったんだよね。

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