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45歳元おっさんの異世界冒険記  作者: はちたろう
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第二十四話

なぜか二十四話が抜けていました。すみませんでした。

「いらっしゃい。おお君たちか。今日は何を買ってくれるんだい。」


 防具屋の店主がにこやかに聞いてくる。一回しか来てないのに覚えてるんだ。


「こんにちは。今日は盾を見に来ました。」


「盾か。予算はいくらくらいだい?」


「大銅貨五枚くらいで買える円盾ってありますか?」


「円盾か。あるよ。革製と木製があるけどどっちがいい?」


「軽くて丈夫なのが良いです。」


「じゃあ革製にした方がいい。ちょっと待っててくれ。」


 店主は店に陳列されている盾の中からさっき訓練で使っていた盾よりも一回り小さいものを持ってきた。


「大銅貨五枚で革製だとこれになるな。一般的なものよりも小ぶりになるが取り回しが良いから気にならんと思うぞ。」


 手渡してもらって見てみるとどうやら木製の盾に厚めの革を被せてあるみたいだ。訓練で使ってた物よりのも軽いし結構丈夫そうだな。表面を叩いてみると思ってたよりも固い感触が返ってきた。


「着けてみてもいいですか?」


「いいぞ。着け方は分かるか?」


「はい。この革のベルトに腕を固定して持ち手を持てばいいですよね。」


 盾の裏側には革でできたベルトが付いていて、輪っかを作って締めるようになっている。ベルトは穴のないタイプのものだ。片側に"日"の字型の金具が付いている。革ベルトを腕に合わせてしっかり締め、体の前に持ってきて腕を振ったりして使用感を確かめてみると重さや大きさが何ともフィットする感じがした。


「いいですねこれ。買います。」


「毎度あり。これもついてるぞ。ほら盾の内側に輪が付いてるだろ。普段はそこにこの紐を通して背負うんだ。」


 渡してくれたのは長い皮の紐だった。確かに持ち運びが大変だなと思ってたところだったんだ。ずっと手に持ってるわけにはいかないもんいもんな。


「ありがとうございます。また買いに来ますね。」


「そうしてくれ。冒険者は生きて帰ってきてなんぼだからな。頑張れよ。」





 僕を待っている間に鎧を見ていたニーナと店を出て、夕飯を食べて宿に帰ってきた。


「ニーナ、これから時間ある?魔法を教えてほしんだけど。」


「これからですか?いいですよ。じゃあリュウジさんの部屋に行きましょう。」


 ニーナと一緒に僕の部屋で対面で座る。魔法を教えて貰えることに胸が高鳴る。僕に魔法が使えるようになるんだろうか。駄目だったらどうしようとかいろんな考えが浮かんでは過ぎていった。


「リュウジさん、まずは魔力があるか確かめてみましょう。前にも言いましたがリュウジさんの周りには魔力のモヤモヤは見えないんです。でも、マジックバッグが使えるんですからあるはずなんですよね。」


「モヤモヤが見えないと魔力がないことになるの?」


「一概にはそうとは言えませんが、魔法を使うことができる人は大概見えます。なのでこれから魔力があるかどうか見てみましょう。両手を出してください。」


 言われた通り両手を前に出すとニーナも両手を出して手をつないできた。


「目を瞑って意識を自分の中に向けて集中してください。」


 よくわからないが、言われた通り意識を自分の中に向けてみる。


「体の真ん中あたりに何か感じませんか?」


 身体の真ん中辺り?心臓のちょっと下くらいかな?うーん、よくわからないな。


「よくわからないなぁ。」


「そうですか。じゃあこれはどうですか?」


 問われた瞬間、繋いでいた手が温かくなってきて、左手からその温かいものが体の中を通って、右手から消えていった。何だこれ?


「手が温かくなりましたか?」


「うん、左手から温かいものが体の中を動いていって右手から出て言った感じがした。」


「今のは、私の魔力をリュウジさんに流したんです。感じることができたんですね。これができたら魔法を使うことはできるはずです。あとは自分の魔力を感じて引き出せれば大丈夫ですが、リュウジさんはあまり魔力量が多くないのかもしれません。」


 つまり魔力回路はあるが、魔力を練ることができないってことか?なんか違う気がするな。


 魔力は感じることができる。魔力が通る経路、魔力回路もある。でも自分の魔力を感じることができない。これが現状か。自分に魔力があることを願おう。


 でも魔法が使える可能性があるんだ。それが分かっただけでも収穫だ。魔力は増やせるんだろうか。


「まずは、自分の中にある魔力を感じることから始めればいいってことか。ところで魔力って増やせるの?」


「そうですね。今は自分の中にある魔力を感じることを頑張ってください。それができたら魔力を体の中で動かしていきます。それをやっていると魔力は少しづつ増えていくはずです。」


「わかった!でも魔力を感じるって難しそうだよね。」


「私の流した魔力が感じることができたんですからちょっと頑張れば出来ると思いますよ。こればっかりは手伝うことができないので頑張ってください。でも助言することは出来るので何でも聞いてくださいね。」


 あとは練習あるのみだな。いやー、魔法が使えるようになるのが楽しみだ。空いた時間を使って頑張ろう!





 そろそろ剣を買いたいんだよなあ。どのくらいで買えるのか見当もつかないから見に行ってみるか。


「ニーナ、今日は今からちょっと武器屋さんに行ってくるよ。」


「はい、いってらっしゃい。私は詠唱の練習をしています。あ、場所は分かりますか?」


「うん、わかるよ。防具屋の近くでしょ?ニーナも頑張ってね。」


 昨日ニーナに魔法の使い方を教えて貰ってから相談して、今日は休みにしたんだ。ずっと仕事してると疲れるからなぁ。


 なのでやってきました武器屋です。防具屋の時もワクワクしたけど、武器の類は男だったら子供でもおっさんでも胸が高鳴るよね!もうワクワクが止まらない!

 ドアを開けたら想像していた感じの内装だった。中はコンビニくらいの空間で結構広い、壁には綺麗に装飾された剣が数本飾られているし、反対側の壁には槍やハルバードなんかの長物が立てかけてある。中央付近にはでっかい斧や装飾のない武骨な剣なんかが無造作に並べられている。

 奥のカウンターには若い店員さんがいる。陳列されている武器には値段が書いていないから聞くしかないんだよね。よしいろんな剣を見てみたいけどとりあえず欲しいショートソードの値段を聞いてみよう。


「すいません。ショートソードっていくらくらいするんですか?」


「ショートソードですか?材質は何が良いですか?」


「鋼が良いですね。ちなみに他の材質は何があるんですか?」


「一般的なのは鋼ですね。他にはミスリル製や魔鉄製、銀製のものなんかがあります。」


 おお!魔鉄って何だろう。不思議金属があるんだ。名前から予想すると鉄が魔力に晒されて出来るとかか?


「魔鉄って何ですか?」


「山の中にある鉄の鉱脈が長い期間魔力に晒されて鉄に魔力が浸透した金属だよ。あとは迷宮なんかで採掘されたりもするな。普通の鉄よりも付与魔法の掛かりが良いんだ。」


 やっぱりそうか。それと迷宮!ダンジョンだ!やっぱりあるんだ!それに付与魔法もあるんだ。炎剣や雷剣とかできるんだろうか。あとは切れ味を上げるのとか。いいなぁ、魔法使いたいなぁ。あ、それよりも値段だ、値段。


「で、どの材質がいいんだい?」


「鋼のものでいいです。いくらするんですか。」


「鋼のショートソードだと銀貨二枚からだね。あ、値打のものもあるよ、そこの樽に突っ込んであるやつだけど見習いが打ったやつだから銀貨一枚だよ。品質はそこまで良くないけど悪くもないんで冒険者になりたてが良く買っていくよ。俺はあまりお勧めしないけどな。」


「僕もなったばかりなんでお金がないんですよね。出来ればいいものを買いたいんだけど。」


 樽の中から一本取り出してみる。見た感じは普通の剣に見える。まあ、剣の良し悪しなんてわからないんだけどね。


「中には掘り出し物もあるから一概には駄目なものだとは言えないんだけど、戦ってる途中で折れたりしたら大変だろ?それを考えると武器は良いものを買ってほしいんだ。」


「確かにそうですね。ありがとうございます。またお金が貯まったら買いに来ます。」


「ああその方がいい。その時はよろしくお願いするよ。今使ってる武器は何だい?良かったら見せてくれないか。うちでは武器の修復や調整もやってるからね。」


「そうなんですか?今日は持ってきてないんですが剣鉈を使ってます。刃渡りは二十センチくらいの片刃のものです。」


「剣鉈?ああ、ナイフか。それだとゴブリンなんかとの戦闘ではちょっと大変じゃないか?」


「そうですね。この間魔物化した角ウサギと戦ったんですが、剣鉈じゃ間合いが狭くて当てづらくて大変でした。」


「そうだろうな。それでショートソードか。盾は持ってるのか?」


「はい、昨日買いました。これくらいの革の円盾です。」


 言いながら手で七十センチくらいの円を宙に描く。


「今度来るときは、盾も持ってきて。君に合う剣を選んであげよう。」


「それは有り難いです。よろしくお願いします。」


 武器屋さんも良い人で良かったなぁ。でもまあ、あの人は商売やってるからあんなもんか。とりあえず目標ができた。銀貨二枚。よしお金を貯めるぞ!


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