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45歳元おっさんの異世界冒険記  作者: はちたろう
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第十八話

 それからゴブリンの討伐証明部位を切り取り、魔石を取り出したところで見せてほしいといわれたので川の水で洗ってから渡しました。


「宝石みたいだねぇ。綺麗だなぁ。」


「なんかオジサンみたいですよ?」


「ん?僕はおっさんだよ?四十五歳だもん。」


「えええっ?どう見ても私と同じくらいにしか見えませんよ!鏡見たことあります?」


 なんか滅茶苦茶な事言ってます。どう見ても私と同じくらいか、少し年上に見えます。

 なんでそんなこと言うんでしょう?確かに言動はちょっとオジサンみたいですけど。



 その後は、いろいろなことを話しながらセトルの町まで帰ってきました。リュウジさんが「冒険者になったら仲間になってね」って言ってくれた時は嬉しかったなぁ。

 無事に町に入ることができた私たちは、冒険者組合に向かいます。途中、リュウジさんが獣人の人を見てボーっとしながら手がワキワキ動いてましたがそんなに珍しかったんでしょうか。エルフやドワーフに比べたら普通にいるんですけどね。



 冒険者組合に着いたら受付にケイトさんがいました。ケイトさんは確か二十二歳のとっても綺麗で優しいお姉さんです。いつも私のことを気にかけてくれています。リュウジさんの冒険者登録のことはケイトさんにお願いしておけば間違いないので私は買い取りカウンターへ行きます。そこにいるのは、このギルドで一番古い人でアッシュさんと言います。みんなからはアッシュ爺って呼ばれています。


「アッシュさん、こんにちは。査定をお願いします。」


「おう、ニーナちゃんか。薬草か?」


「はい。薬草と今日はゴブリンの討伐証明を持ってきました。」


「ゴブリンと戦ったのか?怪我ぁなかったかい?」


「はい、あそこの受付にいるリュウジさんに助けてもらいましたから大丈夫でした。」


「そりゃあ良かったが、あまり無理なことするんじゃないぞ。ほれ、薬草五束で銅貨五枚とゴブリンの討伐証明が二つで銅貨六枚、魔石が二つで大銅貨二枚、全部で大銅貨三枚と銅貨一枚だな。」


「ありがとうございます。全部で三千二百ゴルドですね。」


 お礼を言って組合に併設されている食事処のテーブルで待っていたらほどなくリュウジさんがやってきました。


「あ、リュウジさん、終わったんですね。試験はいつですか?」


「明日だって。ニーナ、腹減ったんで何か食べに行こうよ。」


 明日試験なら依頼は受けれませんね。仕方ないです。もうすぐ四の鐘が鳴るころですし私もお腹が空きました。


「はいっ、私もお腹すきました。いいところあるんですよ、行きましょう!」



 私がよく行く森の恵み亭へやってきました。ここは価格の割に美味しいんです。リュウジさんも気に入ってくれるといいんですが……

 全くの杞憂でした。リュウジさんは初めて食べたオーク肉のステーキをおかわりまでしてました。でもオーク肉って結構よく見るお肉なんですが初めて見るって言ってましたし、豚とか牛とか鶏とか言ってましたがそっちの方が高いんですよ?領主や豪商の人たちくらいしか口にできないって聞きますし。もしかしてリュウジさんはお金持ちなのかな?私の顔を見てニコニコしていますし、不思議な人です。



 ご飯を食べ終わってから私の定宿、緑の憩い亭を紹介しました。アルテさんもとてもいい人でお気に入りの宿です。二階が宿泊出来て、一階が食事とお酒の出るよくある形式の宿です。よかった、部屋は空いていました。

 リュウジさんも部屋を取り、各々部屋に入ります。今日はとても疲れましたがいい出会いがあったのでとても良い一日でした。体を拭いて寝ることにしましょう。



 朝起きて身支度を整えてから一階に降りて朝ご飯です。今日のメニューは何でしょうか。あ、リュウジさんが下りてきました。

「あ、おはようございます、リュウジさん。今日は頑張ってくださいね。」

 笑顔であいさつします。リュウジさんの優し気な濃い茶色の瞳を見ると胸がドキドキします。

「おはようニーナ。早いんだね。お昼まで時間があるしどうしよっか?」



 今日はリュウジさんの冒険者試験があるので依頼は受けれません。リュウジさんから鐘について質問があったので答えながらご飯を食べていたらまた変なこと言っていました。


「町を観光するのはいいね。でも、先立つものが心許ないんだよなあ。」


「先立つものって何ですか?」


「こっちでは言わないのか…ああ、お金がね。宿代とか払ったらちょっと心許なくなってきたんだ。」


 こっちではって…何のことでしょうか。お金のことを先立つものって言うなんて聞いたことがありません。どこの言葉なんでしょう?

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