だるまさんがころんだ。私は君に憑いていきまっす!
200字の雑記帳
作者:砂礫零様
駅ホラー?
https://ncode.syosetu.com/n1398gd/71/
元痴漢のお兄さんをお借りいたしました。
女の子は、拙作、ここに何があるかわかりませんよ、に出てくる、だるまさんがころんだの女の子幽霊です。
私は生前痴漢だった。この風体になり尻も胸も触りたい放題もみ放題というのに……、反応が無いのが……、虚しい。
タタタン、タタタン、列車は揺れる、習慣なのか、つい車両に乗りこんでしまう私。仕方がないのでフラフラと天井近くに浮いている。私は生前霊感が皆無だった。そのせいか、目の下の痴漢野郎に、憑依することが出来ない体たらく……。虚しい。
降りる駅は気まぐれだ。気に入った胸と尻に憑いていく。乗り換えも完璧、ただし駅構内からは出れない。その日も見覚えのあるホームに辿り着いた。その日は美尻にピッタリ張り付いていたのだが……、
「お兄さん!ナカーマ!」
「え!君、私のこと見える!それに触れる?」
「うん、ふざけて遊んでたら、ここから落ちて、はねられちゃってぇ、でねでね、だるまさんがころんだして、あそぼう」
何ということだ!ロリだとよかったのに……、後悔したのは言うまでもない。私のごくごくありふれた通勤スーツの上着の裾を握って、声をかけてきたのは可愛い女の子。
「ねねねね、ほら見て、線路の上にいっぱい住んでる。おっちゃんや、兄ちゃんや、お姉ちゃんや、おばちゃんや……でも、動いてくんないの……ホームに上れば、タノシイーのに」
そう言うと線路を指差した。おえ!血塗れ肉団子が幾つも転がって蠢いてるぞ!ブツブツ、ブツブツ、ブツブツと立ち上る怨念歌。こんなの気にして見た事なかった。
「そうか、お嬢ちゃん独りで遊んでたのか……」
可哀想にな、と思うとブンブンと首をふる。おかっぱ頭がサラサラ揺れる。
「その辺のお姉ちゃんと遊んでるの」
「お姉ちゃん!」
私は俄然元気になった気がした!周りを見る。私達を通り抜け行き交う人、人人、人。その中にお姉ちゃんが!
「ゆーれーじゃないよ、遊ぼって言ったらいいよって言ってくれるお姉ちゃん、時々にしか遊べないけど……それと私が勝つのも時々にしてる、ドンしたら肉団子、ホントは負けたくないのに!な!」
サラッと怖いこと言うな。でもちょい待ち?どうしてこの子は生者にコンタクト取れる?疑問に思い聞いてみた。すると女の子は、じーと見てくる。
じーと見てくる。白目がすべて黒目になる。じー。ジー。怖!やがてご神託がおりた。
「お兄さん、おっぱいか、おしりかどっちかにして、私と一緒に、だるまさんがころんだしたら、触れるぐらいは出来る、もみもみ、一極集中に決めたら、霊力低くても何とかなる」
「何と!おっぱいか尻!決めて遊んだら、もみもみ出来るのか!」
「出来る!ちょっとだけ!でも力がヘロヘロ過ぎて、独りじゃ無理!私は一人でできるもん。凄いでしょ!一緒だともみもみ出来るよ」
「凄い!お嬢ちゃん。いい!ふぉお……胸、尻……どっちにしたら、あれ?うーん??そうだ。だるまさんがころんだに混ざるの?でないと触れないとか?」
「そうだよ、私の霊力とお兄さんのうっすい霊力に、波長がピンポーンと、あってるお姉ちゃんだもん、私のが強いもん。最後に決まってるじゃん、私と一緒にだるまさんがころんだってしてぇ、最後のドンの時に、工夫してぇ、触るんだよ、お姉ちゃんからお兄さんは、多分見えてないもん、もみもみの時だけちょこっと見えるかな、試してみなきゃわかんない」
もみもみの時だけ……、胸、尻……。ここターニングポイント。今の話をまとめると、ドンしたらお姉ちゃんは線路に落ちて、電車にはねられるのだろうな……。だから時々。そしてドンも時々……。
「お嬢ちゃんに聞くけど、遊べるお姉ちゃんって結構いるわけ?」
「うん、お姉ちゃんって言ってるけど、綺麗なおばちゃんとかもいるから、いっぱいいるよ」
「お嬢ちゃん、いっぱい遊びたい?」
「うん!それでドン!」
くひひ、いい事思いついた。タイミングを合わせたら……私は思いついた作戦を、女の子に話して聞かせた。
「お兄さん!てんさーい!キャハ!」
ふわりと上に上がると、ひゅぅぅ、どろどろどろ……女の子の霊力が上がったのか、ぽうと小さな青白い燐光、人魂を身体からポッポッと出した。うーん、一応、私も上って試してみたが、気合いを入れても、ひゅうともどろとも出てこなかった。
……ターゲットロックオン!おそらくGカップ、ぼいーんな彼女!
「いい!お兄さん、おっぱいの事だけ集中するの」
ラジャー!マイリトルエンジェルちゃん。
『だるまさんが……ころんだ』
ふぉお……『声』が聞こえるぞ!これは期待が持てる。リトルエンジェルちゃんは私に霊力を足すため、出逢った時のように、上着の裾を握ってくれている。私は女の子に従っていれば良かった。
胸!もみもみ、胸!もみもみ、Gカップ、胸モミモミモミモミも………、一点集中!ウォォぉぉぉ!おっぷぁい!
人混み等、霊体の私達には関係ない。リトルエンジェルちゃんの祝福を受けたGカップは、だるまさんがころんだから逃げられない。着々と距離をつめる。
そして!フーフフフフ、いよいよの時だ!
「ピロリンピロリン、電車が到着いたします。白線の内側にお下がり下さい」
おお!希望の四角い顔が来た!ぎゅっと人が密集する様だ。ホッとしたのかターゲットがそちらを向く。つられて私も……ん!隣の人間の肉を感じる!か、感覚が……わずかながらある!
オウオウ、オオオオウ……ヌチャヌチャ、ピチョン、肉団子の呪歌が、電車の走行音に混じり、線路からホームに上がっている。
「お兄さん!行くよ!ね、今ちょっとだけなら、触ったのわかる?」
ある!そう答えると、エンジェルちゃんがドン!Gカップの背中を押した。
「………!キヤァァァァ」
前につんのめる彼女。素早く私と場所を入れ替える、リトルエンジェルちゃん!上にヒョイと飛び上がる。
私はヒョイっと背後に位置を取る。脇から手を差し込み、肉まん?それとも白桃か!はたまたメロン!アンパン!Gカップをぐわしっと、両の手の中に収めて、引き寄せる。
モミモミ………ああー、心おきなくもみもみもみもみ。
「ぎゃぁぁぁぁ!痴漢よぉぉ!」
ぱっと感覚が途切れた。胸を押さえて、私を透き通りホームに尻餅をつくGカップ。ふおお、パンツは白。これはおまけの幸せ。
「上手上手!お兄さん」
上ではひゅぅどろどろどろ、人魂とパチパチパチパチ、拍手のリトルエンジェルちゃん。すうう、と私も上に昇る。
「上手く行った!で、お嬢ちゃんはこのホームから動けないの?」
「そんなことないと思う、電車には乗れないけれど、ここのステーションの中ならどこにでも行けそう、行ったことが無いだけ」
「ふーん、地下鉄とか、新幹線もここはあるよ、日本で一番大きな駅だから」
キャッハッ!ホント?肉団子にならないから、何回でもできるよね!私の話に手を叩いて喜ぶ、リトルエンジェルちゃん。
「じゃ。じゃ、次行こう!お兄さん」
「ラジャー!リトルエンジェルちゃん!何処までも憑いて行きまっす」
こうして私達はその駅で、何時までも楽しく過ごす。
お姉ちゃん遊ぼうよ!ねねね、遊ぼ。
だるまさんが、ころんだ。
はいタッチ!