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半機械は夢を見る。  作者: warae
第3章
67/197

始まり

少し長めです。

楽しんでいただけると幸いです。

どこだ、ここは……

君は、誰だ。

いや、誰だじゃないだろ。 俺は知ってるはずだ。 知ってるはず……だよな?

ーーーーーー………あれ?

いなくなってしまった。 消えてしまった。 どこかに行ってしまった。

焦る。 乱れ荒くなっていくように感じる呼吸。 本当に呼吸しているのか分からない感覚。 あれ、今俺呼吸してる? 上手く息が吸えない。

いや。 違う。 違うだろう? 違うんだ。 思い出せない人を考えるよりももっと大事なことがあったはずだ。

そうだ。 俺は死んで転生して異世界に来て出会った。 なくしたくないものに。

ここで立ち止まる暇なんてないだろう? 当たり前だ。

だから、行ってくるよ。 待っててなんて言わない。 先に行ってて。

もう間違えないから。 今度こそ…………だから。

顔も見えない。 身体だってもちろん見えない。 思い出せない。 けれど、いつか思い出す。 思い出せる気がする。 それまでは。

手を振った。 あっちも手を振ってる気がしたから。 けれど……

ねぇ。

そんな顔しないでくれよ。

振り返りたくなってしまうじゃないか。

どうか、決心を揺らさないで。

立ち止まりそうな、僕の背中を押してくれーーーーーーーー


「……」

2回目だ。 この天井を見るのは。 2回目だ。 このベッドに横になるのは。

……初めてだ。 幽霊が看病? してくれるのは。

ベッドのすぐ近くに置いてある椅子に腰掛けてうたた寝をしているのは、昨日? の闘技場の端に座っていた足元透け男。

あの時は戦闘のダメージのせいと思ってたが、今ははっきり見える。 はずなのに、やはり男の足元が透けて見える。 すげぇ。 やべぇ。 幽霊? 霊感あったっけ俺。 いやまぁあるから見えるんだろうけど……

「う………お、おぉ。 いい夢見れたかい?」

幽霊が話しかけてきた。

「んー、忘れた」

忘れたというより、今この瞬間が夢なのかもしれないな……

「あの、今どんな状況だ?」

「ん? 今? 今は奥の広場であの少女がイングさん達に歓迎されているところだよ」

「え、あなたは?」

「君の看護を頼まれただけで終わったよ」

差がすごい。

「なんかここではあの女の子、英雄的存在として扱われているらしいからね」

英雄……そんでこっちは幽霊……俺はただの冤罪人……差がすごい。 俺つまらない人間枠じゃん。 物珍しさが一切ない。 ……いやまぁ、転生者ではあるんですけどね。

「まぁここで話もなんだし、行こうかエルトくん」

「あ、はい、え?」

「あぁ、名前イングさん達に教えてもらったんだよ」

■■■

「おぃい! ここはどこだ! 離しやがれ! ザックは、ザックはどこだ!? おめぇら何かしたのか?! あぁ!?」

「この通り拘束済み。 大丈夫じゃ。 安心せい」

ザークは縄で拘束され、上手く身動きとれない状態になっていた。 そんなザークの怒号が広場に出た俺達を出迎えてくれる。

「お前、あん時の……ザックはどうした! 殺したのか!? おい、そこのお前ぇ!! 答えろ!」

自分よりもザックの身を心配する辺り、コイツはあまり悪い人間じゃないみたいだ。

「ザックは殺してない。 お前を置いてどこかに去って行ったよ」

そう俺が答えると、ザークの表情からは怒りも焦りも悲しみも全てがスウッと消えていき、安堵だけが色濃く残った。

「………そうか。 あいつが無事ならなんでもいい。 後はどうにでもしてくれ、俺を殺したって構わねぇ」

そんな台詞を吐いた直後、少女がザークの顔面に拳をめり込ませ吹き飛ばした。

「馬鹿野郎っ!!! 殺しても構わないだとっ!? そこまで仲間を想っていながら死んでもいいだとっ!? ふざけるな! そう易々と命を捨てて、そこまで想われている仲間の気持ちはどうする! 悲しむ人間がいるんだぞ! 死を受け入れるな! 生にしがみつけ! 死は何も幸せにはしないぞ!!」

昨日の闘技場に来た少女は、殴った拳を固く握り締め叫んだ。

殴られたザークも言葉を失い、その叫びを静かに聞いていた。

「す、すまない……」

わけも分からず、ただ後悔の色を顔に染めて謝罪するザーク。 それをフンっと言い切った感じに腕を組み軽くザークを睨んで一瞥しイングの方へ行く少女。

「すまない。 朝から怒鳴ってしまって。 まだ寝ている方もいるかもしれないというのに」

「いやいや構いませんよ。 こんな時間まで寝てるようなら明日を生きてはいけないじゃろうしのぉ。 ダーク・サイドは危険が多々あるし、ここもいつ襲撃を受けてもおかしくはない。 それで、今回はいつ頃まで大丈夫なんじゃろうか? 長居は強制せんが、できればずっと居てくれればこちらとしても心強いんじゃが」

「今回はトラブル等で少し遅れてしまったけど、そうね……あっ。 そうですね……」

ん? 何故言い直した? ってか待てよ。 この子どっかで……

「無理に丁寧に話さんとも、ここはあの場所ではない。 好きに喋ってくだされ」

「あ、えと……はい。 こほん……では。 今回は一週間は居られそうね。 上の奴らが長めの会談等で今日から一週間のスケジュールはほぼ休み無し。 に、私が隠れて調整してやったから当分大丈夫なはずよ」

「おぉ……なんと心強いことか」

その時だった。

俺は記憶の中からついにその正体を見つけた。

「あーっ!」

と、俺はその少女を指さし言った。

「あの時俺が助けた子じゃん!」

は? とでも言いたげなその少女は、数秒後に全く俺と同じリアクションをする。

「あーっ! あなたよ! あなた! あなたのせいで、めんどくさいスケジュールをあれこれしなきゃならない羽目になったのよ!」

「お、俺だって君を助けたせいで今ここにいるんじゃないか! えーと確か名は……ディアなんとか!」

「シュミーヌよ! シュミーヌ! ディア・シュミーヌ!」

「ディア・シュミーヌ!!?」

今度は幽霊男の方が驚いた。 そして小声で「そうか……偽名を使っていないとは聞いていたが、まさか本当だとは……」などと呟き、即座にディアに跪く。

「まさかディア殿下だとは存じておらず、誠に申し訳ございません。 軽口を何度も……」

「え、殿下?」

え、殿下? え? お姫様?

「元よ! 元! もう王女でもないんだから、昔のことなんだから(こうべ)を上げなさい!」

「ありがとうございます」

「んもーっ! そういうの無しっ! 駄目! 禁止! 私も一般人なの! 皆と同じ! 皆同じ!」

プンプンと怒る元お姫様。 可愛くないと言ったら嘘になる。

けれど、全然そんな感じしないや。 そんな気分で見ていたら、俺の方を一瞥してディアが言った。

「今失礼なこと思ったでしょ? ムカつく。 お前だけは下僕の座を進呈してあげるわ」

皆同じじゃねぇの!?

「ほっほっほ。 ではまぁ、全員集まったことじゃし、そろそろ自己紹介でもやろうかのぉ。 ほれ、ザーク、お主もそんな所で正座なぞしとらんでこっちへ来い来い」

「……はい」

めっちゃ落ち込んでるやん。 根に持ちすぎじゃね?

手招きされ超猫背でとぼとぼザークも輪に入った。


「ではまず、わしの紹介などは省こうかの。 皆知っとると思うし、4人で自己紹介しとくれ。 まぁ簡単で良い。 これから共に行動する際に必要な情報の提示を頼むかのぉ。 じゃが、落ちてきた理由は必ず言っとくれ。 それ次第じゃ今後のことが大きく変わるからのぉ」

と言うわけで自己紹介が始まった。 まるで学生時代に戻ったかのような感じ。 まぁ年齢的にはまだ高校生なんだけどね。

「私からいくわ!」

と元気よく言って立ち上がる。

「ディア・シュミーヌ。 元王女。 落ちてきたと言うより、ここに来た理由はダーク・サイドに落ちてきた人々を救うためよ! 以上!」

ざっくりしてんなぁ。 速攻で終わったディアの紹介の次は、弱々しく手を挙げたザーク。

「ザークです……資源を餌に簡易的な闘技場で殺し合いしてました……でも! 人殺しはしていません! ……俺は。 ……ザックがやりすぎて人殺しまで至ることは何度かありましたが、俺の場合は、戦闘後睡眠魔法を掛けて軽く治療して適当な所に捨てていました。 はい。 落ちてきた理由としては、ザックが捕まってダーク・サイド行き決定の時に俺もザックを助けたいと思って自らダーク・サイドに来ました。 あ、ザックと言うのは偽名で実際本名は知りません。 本当の兄弟でもありません。 ですがっ! 俺は、本当の兄弟だと、今まで思ってきました! これからもこの想いは変わりません! はい! なのでザック探したいです! はい! ですが……先程のディアさんに言われたことが今までの自分がしてきた行いに対して突き刺さったのでメンタルボロボロです。 今は眠りたいです。 はい……」

様々な真実を自己紹介で教えてくれたザーク。 まぁ多少いらぬ情報が入ってたけど。 あ、ディアが後悔じみた顔してるー。 ウケるー。

ギロッ……

「ひっ」

一瞬ディアが物凄い形相で睨んできたような……気のせいかなぁ……あはは……

「じゃ、じゃあ次は俺いこうかな。 エルトと言います。 仲間と一緒に天界都市へ人探ししている最中にそこの元王女様を助けようとした結果、仲間と離れ離れとなりここに落ちてきました。 だから俺は一刻も早くこのダーク・サイドから脱出して上へ戻りたい。 置いてきた仲間が心配だし、人探しもしなきゃなので」

そう言い終えて、腰を下ろそうとした時に幽霊男が質問してきた。

「君はどんな武器を使うのかな。 その変わった武器を教えてはくれないか」

俺はまた背筋を伸ばし、鞘から剣を両方抜く。

「えーと、この俺は双剣を使います。 まぁまだ経験が少ないひよっ子ですが。 あと、この双剣は少し特殊で、こうすると……片手直剣にもなります。 もちろんこうすれば……元通りの双剣になります」

実演しながら説明する。

「あぁ、だからあの時剣が変わっていたのか。 武器の切り替えが見えなかったから不思議に思っていたんだが……なるほど、そういうカラクリだったのか」

これで斬ったんだけどなぁ……ザークが納得し頷く姿に俺はそう思った。

「へぇ、いいじゃない。 下僕は騎士がご所望のようね。 考えとくわ」

「あ?」

「あ?」

毎回毎回いらぬ言葉を吐きよるなこの子は。 少し痛い目見せんと分からんのかい。 そんな気持ちを一文字に込めて、苛立ちを乗せ睨んでみたが。 その倍の気迫が込められた一文字の一瞥が、俺のこれ以上の反撃を許さなかった。

元王女様怒らせたらやばいな……

「じゃあ最後は俺だな」

そう言って幽霊男は立ち上がる。 やはりどう見ても足元は透けている。

「俺の名は、カイン・アヴィエールだ」

っ!! この人が、ルーダ博士の話の中の……!

「見ての通り俺は少々透けている。 だが安心してくれ。 俺は別に死んでるわけではないし、本体は別の場所にいる」

そう言った途端、ディアの目線がカインの足元に注がれる。 そして、ガクガク震えだす。 俯いて両手で顔を覆い、カインを見ないようにしている。 カインもその様子を見て「あらら……」と困った表情を浮かべた。

「それで、俺の本体は仮想空間内にある。 まぁ言うなれば画面の中だ」

ザークが疑問符を浮かべた。 理解不能を体現しているかのような表情で何度も首を傾げている。 頑張って考えてはいるんだな……

「ここにはとある調査で来ている。 俺とは別に信頼できる仲間も複数いて天界都市などで他の調査にあたっている。 俺はその中のリーダー的立ち位置かな。 でも悪い組織じゃないから安心してくれ」

そうカインが言うと、震えていたディアが「おばけが複数、リーダー、それはつまり、こわい……」そんなことを呟き一時的に魂を昇天させた。 軽い気絶みたいなもんなのだろうか。 ザークはまだ考えている。

「あ、あはは……えーと、俺はとある能力も使える。 魔法ではないものだ。 説明はしづらいから、ここでは万能に近い能力と覚えてくれればいい。 以上かな」

自己紹介終了。 ディアはまだ魂が戻ってきていないみたいだ。 ザークはまだ考えている。

「やれやれ、自己紹介で何故こうなるのじゃろうか……今後の方針を決めたりしたいのじゃが」

「方針ならもう決まってる。 ここからの脱出だ」

置いてきたシエル、いきなり現れたガースラー、そしてルーダ博士……やることは全部上に置いてきてしまっている。

「それはそうなのじゃがな……」

「もうやることは見えている」

次にカインが言った。 なにかしら考えがあるみたいだが。

「その前にエルト。 お前は目前の敵と遠い敵、どちらを先に倒す?」

「そんなの目前の敵に決まってんだろ。 じゃなきゃ進めない」

その時カインは微笑んだ。

「正解だ。さて、じゃあ決まりだな。 まずはこのダーク・サイドを支配するぞ」

「はぁ!?」

「ほぉ……」

「えっ!? どういうことよ、それ!」

「ザックに再び会えるのなら、それでも俺は構わねぇぜ?」

その一言で魂を取り戻したディアと、長考をすっ飛ばしたザークがこっちの会話に入る。

「だからよ、イング。 あんたなら知ってるんじゃないか? このダーク・サイドの頂点に君臨する絶対的存在を」

カインは疑いのある目をイングに向ける。

「ほっほっほ……もう眠れ新人諸君。 明日、案内してやるわい。 もう二度と行きとぉなかったんじゃがな。 そのかわり、カインと言ったか。 この場所を危険に晒すでないぞ?」

「どこももう危険に晒させないための戦いでもあるんだぜ爺さん。 ここが正念場の入口だ」

そして数秒睨み合うふたり。 えぇ……どういう状況よこれ。

「お主、随分と重たいものを背負っておるのぉ。 大事にせんと、奴らが来る。 それを奪われぬよう用心するんじゃな」

そう言ってイングは建物の中に入って行った。

「もうひとつ」

「ん?」

カインが振り返り、真剣な表情で言う。

「もうひとつ言っておくことがある。 俺はとある敵の打倒のためダーク・サイドの頂点を崩す。 もちろんそれは、エルトの言う脱出にもディアの目的である救済にも、ザークの言う再会にも繋がることを断言しよう。 だが必ずその前に壁が立ち塞がる」

「その壁とはなんだよぉ、カイン」

口角を上げ、初めて会った時のような感じに笑みをつくるザーク。

「ここにいる全ての人々を安全に救うことができるのならなんだってやってやるわ!」

高らかに宣言するディア。 その言葉には強い意志が込められている気がした。

「戻れるのなら、なんでもやる。 俺はまだ知らないことが知らなくてはいけないことが山積みだからな」

俺も俺の意志を言う。

そんな俺達を見て、一度目を瞑り開ける、カインは。

「俺が、いや俺達が倒し損ねた相手だ。 不特定多数、未知多き大きな敵。 かつて俺達は打ち勝ったはずだった。 だが残ってしまった。 俺達の倒すべき敵は『改造』の生み出しに関する全てだ」

俺はその言葉を聞いて言葉を失った。

ルーダ博士の言っていた話が本当なら、あの悲劇は今も尚どこかで繰り返されているということだ。 まさか、これを知ってルーダ博士は天界都市へ……?

「改造は悲劇ばかりを生む。 もう生まれているものもある」

悔しそうに俯くカイン。 それとは対照的にディアは闘志を燃やし上を向いていた。 静かに激しく燃える炎のように。

「そうか、悲劇か………いいだろう、その悲劇、我、悲劇の元王女が食い止めてやる」

「ディア……その名は……」

カインは後悔の色を染めてディアに謝罪の目線をやる。

「構わぬ。 今この時くらいしか、かっこつけさせるための道具にならん何の役にも立てない異名、ここで吐かないでいつ吐くか」

王女の気風を取り戻したかのように見えたディア。 元王女か……納得だ。

こうして、明確な目的が決まった。 ここから先のことは明日話し合うということで今日のところは幕を閉じた。


「なぁカイン」

俺とカインだけになったのを確認して俺はカインに近づき、話しかける。

ちょうど部屋に戻るタイミングだった。

「なんだ?」

「……ルーダ・テミファルって覚えてるか?」

「…………」

その表情はまるで。

全てを最初から知っていたかのような。 このようなことを聞かれると知っていたような。

先読みが当たった、と気分を良くするようなそんな表情をカインは浮かべた。

そして軽く笑う。 口角が微かに上がる。 そして瞳が揺らぐ。

「カイン」

「いずれ全て話す時がくる。 その質問はダーク・サイドの頂点を崩した後に答えよう。 エルト、君にはまだまだ知っておいてほしいことが多くあるんだ。 どうか、死なないでくれよ」

そう言うと、カインは部屋に戻っていった。

俺に知っておいてほしいこと……知らなきゃならないこと……

「いったい、なにがこの先にあるんだよ……」

俺は窓から空を覆い尽くす天界都市を眺め、そう遠くない未来に疑問符を浮かべた。

■■■

そんな一件がダーク・サイドで起きている中、別の場所では。


「あなた達は、誰?」

地下、機械対策暗躍部隊が使っていた部屋の中でひとり。 のはずだった。

いつの間にか現れた双子のエルフ姉妹。

「ビーダミーマ姉妹とはぁ!」

「私達のことねぇ!」

ビシッとポーズを決め名を名乗る。

「えーと、あなた達、誰?」



とある建物内。

「ついに例の研究所を見つけたようです」

「そうですか。 ありがとうございます」

ついに、あの真相を暴く時が。 いえ、期待のしすぎは良くない。 冷静に、冷静に。

「お嬢様、勝手な私を。 どうかお許しください」

バサッ……

窓から跳躍するメイド姿の女性。 元王女の永遠の側近。

満月の夜、あの日の全てを知るために、道なき道を駆け抜ける。

「すべては、貴女様のために……」

本物の側近を知るために。



塔付近のとある建物内。

「やはり11546は凄い。 さすがはあの方の……いや、口にするのも悲しいか」

そんな独り言を漏らし、高い塔を見上げる。

謎に包まれたそれは、どこか異質な雰囲気を醸し出していた。

「ここが怪しい。 なにか良からぬものを隠しとるようにみえるのぉ。 だが問題はどっから入るか」

機械の闇を討つため、生きすぎた精鋭部隊員は天界都市の謎にいち早く迫り始める……



「何故ここまで懐かしく感じるんだ」

移動機械の中。

確かに数年前に移動機械には乗ったが、その時乗ったのはこっちじゃない。

歓迎されているのか?

ルーダ・テミファルこと、ルイダ・テミファル・ヴァースは。

とあるひとつの大きな真実に近づこうとしていた。

そんなことなど、この世界を生きる誰もが知る由もない。

それはルーダの見る世界が変わるほどの……

読んでくれてありがとうございます。

次回、行動開始。

次も読んでくれると嬉しいです。

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