表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半機械は夢を見る。  作者: warae
第2章
42/197

再び

今回は長いです。

楽しんでいただけると幸いです。

ロッカスとカインが胡座かき、話し始める頃。

ルーダ達は無事に地下からの脱出を迎えていた。

外に出られたルーダ達を待っていたのは。

光の柱により穴が空いた地下室への出入口を中心に大きなクレーターがひとつ。

周りの工場等の建物は瓦礫の山と化していた。

少し離れた所では、ラッカー、ネイチャン、ミーマが瓦礫の山を影に何かの様子を伺っていた。

「ルーダ様、あれは敵でしょうか」

11546の機械じみた声が隣から問いかける。 上空を見上げると、何隻もの飛行船が旋回していた。 あれはいったい……

その時、

「ルーダァァ!! 逃げろぉぉぉ!!」

ラッカーの叫び声。 同時に何かの発射音。

「おいおい、マジかよ……!」

飛行船は弾丸のようななにかを落としてきた。

「解析完了。 爆弾です!」

「今すぐここを離れるぞ! ミーマを落とすなよ!」

「了解です」

地を蹴りラッカー達の方へ全力疾走する。 ものの数秒でさっきまでいた地は爆弾によって抉られていく。 そして私達を殺そうと爆弾の雨は追ってくる。

「ん、あれは……? っ! 攻撃止めぇ!!!」

頭上から男の声が響く。 同時に爆弾の雨も止んだ。

「なんだ!? 止まったぞ」

「司令官らしき人物が攻撃を止めたようですね」

次の瞬間、上空を飛ぶ飛行船から大きな声が聞こえる。

『全部隊に告ぐ! 生け捕りの標的を確認した! ただちに捕らえよ! ただし、生きていれば殺しても構わない!』

拡声器だろうか。 機械から放たれた男の声が響き渡った瞬間、飛行船から縄がいくつも下ろされ、武装した兵士達が降りてくる。

「はぁ、はぁ……これはいったどうなってんだラッカー!」

「あたいも何が何だか分からねぇよ! 生け捕りってなんだ! 誰が標的だよ!」

「言い争っても意味がありません。 敵が来ます」

こんな緊急事態だってのに、どこまでも冷静なのはやはり半分機械だからだろうか。

「でもぉ、これで戦いやすくなったんじゃなぁい? 私は戦わないけど」

「それならビーダ様をお願いできますか?」

「姉上!!」

久しぶりの再会なのか、ミーマは気を失っているビーダに抱きつく。

「無事だったんだね! 良かったよぉぉ」

「あらあら」

「ミーマ、再会が嬉しいのも分かるが、今はここから脱出しなきゃならねぇから戦ってくれないか」

再会に喜ぶミーマを見てニヤつくネイチャン。 そこにラッカーの一言でミーマは「し、仕方ないね……」と名残惜しそうに立ち上がる。 ビーダを抱きしめながら。

「いや、ビーダはさすがに置いてけよ!?」

「私が預かりますよぉ」

そうこうしているうちに武装した兵士達はこちら側に走って来る。 ラッカー、ミーマも振り返り、覚悟決めたような戦い前の表情に切り替わる。

「カインもまだ地下にいるんだ。 ここで死ぬわけには行かない!」

「殲滅と救出ですね? なら役割を決めましょう。 ミーマ様はふたりを死守する係、私とラッカー様が殲滅係、ルーダ様は救出係でどうでしょう?」

「のったね!」

「あたいもそれでいいよ。 考える時間すら惜しいからね」

「絶対助ける!!」

そう叫び、左手で右手首を軽く握り、右手首を外側へ軽く曲げた。 すると、周りには聞こえない程度の音がする。

久しぶりだな。

「あらあら、ルーダ達を救いに来たのに逆転しちゃったわねぇ。 立場」

呑気なことを言う守られる係のネイチャン。 その膝には気を失っているビーダがいる。

「姉上死んだら、お前も殺すね……」

「それはミーマが守りきれなかった結果ってことにもなるのよぉ」

うふふふ、とニヤつくネイチャン。

それに対し、

「絶対に守るねぇ!!」

ねぇぇぇぇぇぇぇ!!! と唸り叫び、燃え盛るようにやる気を爆発させるミーマ。 改めて仲の良い姉妹だと思った。

その瞬間、ミーマが消えた。

「「えっ?」」

呆けたラッカーとネイチャンの声は重なり、私と11546は武装した兵士達の波へ視線が行った。 何故なら、早すぎて一瞬だけだが、地面になんの影響も与えず思いっきり飛んだミーマが見えたからだ。

高く跳躍したミーマは空中で兵士の波に片手を翳し、もう片方の手は頭を抱えた。

「吹き飛べよ! 情報伝達!!」

そう言うと兵士の波の真ん中のいくつかの列の兵士達が頭を抱え悶え始める。 そして……

グッパァン! グチャァ! ボゴォ……

様々な音をたてて頭を抱え悶えていた兵士達の頭が破裂した。 兵士達からは軽く悲鳴などが聞こえる。

「多量の、いや無数に近い情報と、人が嫌う嫌な情報を多く無理やり伝達させ、人間の脳への負荷と限界突破の魔力を合わせた技ですか。 そして耐えきれなくなり破裂」

冷静に分析しだす機械11546。 人じゃないことを改めて理解する。

「わぁぁ……グロぉい………うぷっ」

これずっと目の前でやるんですか、嫌です帰りたいです! と早くも守られる係のネイチャンは弱音を吐く。 嘔吐はなんとか堪えているようだが時間の問題だろう。

「諦めろネイチャン。 んじゃ行くぞ! えっと……」

「改めまして、11546です。 よろしくお願い致します」

「お、おう………行くぞ!」

そう言うと2人も走り出して行った。

それじゃあ、私も救いに行くかな。

「ネイチャン、ビーダを頼んだぞ」

「は、はぁい……っ」

……心配だ。 だが。 それよりも。 今は。

今だけは。

救うために。

お前さんのために。

いや、違うな。

私自身のためだ。 今すぐ会いたい。

ただそれだけのために。

貴様らを、

「蹴散らす!」

久しぶり。

黒い霧のような、濃いそれが精神を包み込むような。 やめてくれ。 これ以上は、また……

大きな殺意が引き金に、私はその弾を自分に銃口を向けて撃ち抜いた。

じゃあ、殺ろうか。

不敵な歪んだ笑み。 小さく震え笑い、解放の快感が襲ってくる。

あぁ駄目だぁ。

片手を地に着きしゃがみ込んで。

そして私は頭上の真上、上空高く飛ぶ。

重力操作。

空中で私は横にしゃがみ込む。 雲と垂直に重力を操作し、首は上を向き笑みを零す。

何も知らない普通の人からしたら、何も無い虚空を見つめているだけに見えるかもしれない。 だが私はそれが見えている。 今もそれに乗っている司令官のような男と目が合っている。 おうおう、汗が止まらなくて大変そうだな。

「殺し合い中に隠れんぼかい」

足元の空気を圧縮させ空を蹴る。 虚空に突っ込んだ瞬間、そこに最初からいた居た飛行船が現れ、私の高速な体当たり一発により壊れ、飛行船は煙をあげ変な軌道に乗りながら、離れた荒地に墜落する。

それを見送った後、魔力で巨大な大剣を作りだす。 地上にいる仲間達や兵士達が戦いの手を一瞬止め、上空を見上げる。

「隠れんぼはお終いだ」

さっきまで何隻もいた飛行船が一隻も見当たらない。 きっと全部隠れているのだろう。 私は大剣を真横に360度振り回した。 大きく長い大剣は虚空を斬り、見えなかった飛行船をどんどん斬っていく。 全ての飛行船は、煙をあげ荒地へと墜落。 それを確認し、大剣を圧縮し小さく片手剣程度にして爆発のための魔力を注ぎ、薄い膜程度魔力で圧縮した大剣の魔力を抑え込む。 そして大きく振りかぶって、

「爆」

肩を回転させ思いっきり、その魔力でできた片手剣を墜落した飛行船達目掛けて、

「殺」

投げた。

片手剣はものすごい速さで、目的地である荒地へ投げられ、地に着いた瞬間。 圧縮されていた魔力と込められていた魔力が全て勢いよく放出して、周り一帯が爆発と爆風の嵐で飲み込まれた。 幸い、改造本部外だったので、こちらには弱い爆風が吹くだけで済んだ。

墜落した飛行船は、どれも跡形もなく消え去った。 残ったのは巨大なクレーターのみ。

「重力操作」

頭から落下する。 上空から地上へと落下する。真下では兵士達が待ち構えている。 まだ地下まで少し距離がある。 ならば、進むしかない。

見た感じだと、私の真下にいるのは剣を持った兵士ばかり。 ラッカー達が戦っているのは銃を持った敵ばかり。 ミーマの方は魔法を使う者ばかりだ。 部隊に別れているってことか。

すると、真下の部隊の中からなにか声がした。 すると兵士達は上空に向けて剣を突き上げた。 なるほど、着地する前に串刺ししてやろうって算段か。

「へぇ」

突き上げている剣は片方だけ。 もう片方の手は、腰に下げているもう一本の剣の鞘に手を添えていた。 全員2本ずつ剣を持っているのか。

「だけどそれじゃ意味がない」

無意味すぎる。 何故なら、今の私は……………

剣に突き刺さる瞬間に、もう一度重力操作して、上空へ落ちるように、地上から距離をとって。 すぐに解除する。 そして兵士達に手を翳す。 その瞬間、ビクッと反応する兵士がちらほら。

「それ貸してくれよ。 2本もあるんだろ?」

翳した手を、何かを掴むような仕草をしながら、胸に引き寄せる。

すると、兵士達が突き上げていた剣全てが上空に引っ張られるように浮かび上がる。 その剣を必死に離さず掴んでいようとする兵士もいたが、数秒後には重力に耐えきれず地上へ落ちる。

「さぁ、これで対等だ」

奪った無数の剣の矛先を、地上へ切り替えて。

落下中の私よりも数倍早い速度で、突き落とすように。 剣の雨を降らせる。

倒れていく兵士達、痛みに悲鳴をあげる兵士達の間に上手く着地する。

「結構減ったんじゃないか」

素早く2本目の剣を抜き、防いだ兵士もちらほらいる。

「楽勝だな」

地を蹴る。 近くにいた生きている兵士との距離を埋める。 が、下っ端の中の下っ端中の下っ端でもさすがは核都市の兵士。 すかさず、埋まった距離をすぐに空けようと後方に軽く飛ぶ。 素早く剣を振り上げ、下ろす。 それを距離を詰めながら、体を横にして回避し目の前を通りすぎる剣を横から、軽く中心辺りをパンチ。 簡単にその剣は折れてしまう。

「少し長すぎじゃないか? この剣」

剣身をもっと短くすればいいだろうに。

そんなことを思いながら一瞬で更に距離を詰め、振った腕の片方の手と肘を瞬間的につかみ、手首に膝蹴りする。 鈍い音が鳴り激痛に怯む兵士。 反射的に後ずさり、片方の手で、折れた手首を抑える。

そうこうしているうちに周りから生き残りの兵士達が迫ってくる。

私は軽くステップし、後ずさる兵士の顔面を右手で殴り飛ばし、ちょうど右横から来た兵士の口辺りに強く肘打ちする。 そして流れるように、右足を軸に半回転。 その勢いで左手の甲で、肘打ちされ一瞬怯んだ兵士の顔面に強打。 その兵士はそのまま受けた方向に崩れる。 歯を数本折った確信はある。

視界にはまだ生き残りの兵士達が何人も写る。

「うおおおお!!」

次は反対方向から兵士が、雄叫びあげて飛びかかって来る。 私はそれに右手を伸ばし、大きく開いていた口へ瞬間的に手を突っ込み、舌に手をかけ顎を掴み瞬時に真下へ引っ張る。 無理やり顎を外された兵士、引っ張りの勢いで、飛びかかり私に斬り掛かる前に着地してしまう。 その後、無理やり相手の口に手を突っ込み炎魔法を発動する。 途端に目や鼻、耳や尻から炎が噴射された。

「あああああああああ!!!」

熱さと痛みに苦しみ、手を抜くとその兵士は水を求め離脱。 目も炎に包まれているからか死体に足をとられ、他の生き残りの兵士達とぶつかり火だるまが増える。 ここには当然水は無い。

「戦闘中に口を馬鹿でかく開くなんて」

別な方向から来た兵士の顔面を回し蹴り。

「戦いを知らないな? 貴様ら」

怯む兵士に、地に横たわる死体兵士から2本剣を借りて、胸に2本同時に突き刺す。 後方に倒れ絶命する。 それでも様々な方向から、次から次へと兵士が迫って来る。

「邪魔だな」

前方からの兵士の両目を片手、人差し指と中指で突き刺し目を潰す。 奥まで突き刺し指全部が入ったところで、硬化を使い2本の指を強化して、そのまま真下に切り裂く。 骨も切れて中身も裂かれる。

「ぐぁぁああああ!!」

右方からの兵士を、瞬時に距離を詰め真下から顎下を肘打ちで打ち上げ、斜め下から硬貨化した片手を腹へ突き刺し瞬時に抜き、軽く飛び、打ち上がり腹を刺された空中を軽く舞う兵士の頭を、思いっきり殴りつける。 その兵士は頭から地面に叩きつけられた。

「ぐほっ………」

左方からの兵士は、流れるように瞬時にしゃがみ込み剣を一本拾い、斜め下から右肩を斬り、腕は勢いよく相手の頭上の宙を舞う。 その腕が地に着く前に、痛みで反射的に左手で肩を抑えようとする兵士の左手首を素早く蹴り上げ、剣も宙に舞わせる。 そしてそれよりも少し高く自分が持っていた剣を上げて、手ぶらになる。 そして瞬時に相手の頭ら辺まで飛び、腕と共に宙を舞っている剣を取り、すぐ下で見上げる相手の顔と落ちる腕が重なった瞬間、宙を舞う腕を刺し、見上げる相手の顔を目と目の間辺りを刺した。 骨が砕ける音がする。 これらを瞬時に行った。

そして絶命した兵士の目の前に着地し、軽くジャンプし落ちてきた先程頭上に投げた最初の剣の柄辺りを、回転している剣の剣先が後方のから来る兵士に向いた瞬間、その方向に蹴り飛ばす。 そのまま、剣は後方からきた兵士の頭蓋骨へ突き刺さった。

着地。 それでも迫る兵士達。

「あぁキリがねぇな。 もう全部、燃やすか」

高く飛んで天に手を翳す。 瞬間、一瞬だけ。 そこに、手のひらに太陽ができる。 全ての光よりも光るものが、全てが影になるくらい眩しいものが一瞬だけ生まれて。

普通の炎の輪をいくつか重ねた球体が生まれる。

「大獄炎ひとつ火の海」

勢いよく肩を回す。 腕を振る。 その炎の球が真下の地に着いた瞬間、それを中心に炎の波が全方向に流れ出る。 それは兵士達を、地上を飲み込まんと広がっていく。

そして、

「炎幕大喝采!」

と叫び、自分の胸の前で手を叩く。 すると、広がった火の海から、霧のごとく火の粉の煙がフワッと広がり視界を赤い空間で埋め、火の海と化した場所からは、いろんな所から炎の爆発が何度も拍手のようにドカンドカンと鳴って起こる。

懐かしいなぁ。

やめて。

またやってしまったのか。

あぁ。

声など無視して高らかに笑う。

海の中からは悲鳴悲鳴悲鳴悲鳴悲鳴の嵐。

いや、この悲鳴は。 なんだあれのか。

でも。

「こっちもこっちでいい感じに鳴くじゃないか」

高らかに、笑う。

「あついぃぃ!!」

「助けてくれぇ」

「誰か救援を……」

「おい! ルーダ! やりすぎだぁ!」

「姉上が死んじゃうね! 今すぐ炎消すね!」

「あらあら……」

「暴走状態と指定されている異状態を確認、 対処に入ります」

どうか。

力に溺れてしまう彼女を、もう一度救ってあげてください。

11546は祈りを捧げるように、自分の口元近くで両手を握り目を瞑る。

すると世界はスローモーションのように、ゆっくりと時を刻みだす。

光がすべてを包む。 それは一人と一機以外には一瞬の出来事で……


ねぇーーーーーーー

『ルーダ』

あ。

声がする。

『ねぇルーダ』

あぁ。

その声は、心の中に響き渡る。

『私の優しい、もうひとりの』

あぁぁ。

来る。 光に包まれたそれが。

『お母さん』

あぁ……

あたたかい、とても大切な。

『約束』

………

見えないお前さん。 何故か頬を包み込むお前さんの小さな手の感触だけが感じる。

『覚えてる?』

笑い声は止まった。

狂っていた心が、落ち着きに手を伸ばし始めた。

いつかの記憶が、優しく手を添えた。

『ゆびきりげんまん』

約束……

そうだった。

そうだったな。

そうだったよ。

『無理をしないで』

あぁ、そうだ。

あの無邪気な声で。

あの子と……

私は。

『忘れないで』

忘れないよ。

もう飲み込まれたりはしない。

約束しちまったもんな。 お前さんと。

嘘はいけないもんな。


スウッと消えてく。

炎の海が消えてく。

「ルー、ダ……?」

仲間達の戸惑いの呟き。

「ーーーーーーふぅ」

忘れてはいけないものを、手放すところだった。

お前さんは、やっぱり。

優しいなぁ。

戦いが再度始まりを告げるかのように、押し寄せて来る敵兵達。 戸惑いながらも戦闘を再開する仲間達。 その波はこちら側にも……

「また会いたいなぁ……」

空を仰ぐ。

このままお前さんのことを考えていたいところだけど。

今は立ち止まれない。

行かなきゃいけない。

当初の目的を思い出し、過去を奥へ押し込み。拳を固く握り。

「今を、全力で生きるよ」

まだ間に合うかもしれない。 守れるかもしれない命を救いに。

だから………

私は立ち上がり、走った。

涙を拭わず走った。

きっとあれは幻覚だ。 そうだ。 だってーーーーーーー

「やはり貴方様は凄いですね。 死んでも尚、あの方のために………そして、貴方様も。 何故貴方様は違うのでしょうか」

守れなかった声が、異質である彼女を救うか。

そんなことを思い呟く半機械人間の言葉など届かず。

前を見て進む。

暴走した後の後処理なんて考えず、ただ自分自身のため走る。

その熱い気持ちに気づかず、ただひたすらに走る。

大切な人のため、今まで続いてきた今を守るため走る。

今は。

そんなルーダでいたいと、

初めて心から、

そんな願いを望んだ。

「ほらほらぁみんなぁ! 切り替えて突撃するわよぉ!」

元気なネイチャンの声。 戸惑い続ける仲間達に喝を入れる。

そしてこっちを見て、親指立ててウィンク。

笑みが零れる。

もしかしたら。 これが欲しかったのかな。

大地を踏みしめて、さらに加速する。

「もう寄り道はしない。 今行くから」

読んでくれてありがとうございます。

次回はルーダに変化が……?

次も読んでくれると嬉しいです。

次の投稿は来週にしたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ