上陸開始
カクリカに近づくと、予想通り大量の魔法弾が俺を出迎えてくれた。
特に巨大魔法融合核の建物からの砲撃は凄まじい。
火に強い筈のドラゴンの鱗が焼ける臭いがする。
「あれはいくら我でも降りれんな。」
「ドラゴンでも無理なのか?
じゃあ、俺達が囮になろう。
相手の攻撃がギリギリ届かない高さまで高度を上げて土魔法を落としていこう。」
俺はちかに敵に当てる事よりも目立つ様に量を優先させる様に土魔法を使う様に指示した。
「ほのかとすいかは二人ででかい雲を作ってくれ。
こちらの狙いはあくまで空からの上陸だと思わせるんだ。」
「わかったー。」
俺達は大きな雲に隠れて土魔法を落としていく。
すると敵は攻撃をやめて結界魔法を張り、建物の中に避難してこちらを監視している。
その間に万導達が無事上陸を果たした。
「よし!ふうか、風魔法を使って出来るだけ長くこの雲を維持してくれ。
俺達はここにいる様に見せながら一旦引くぞ。
大廻りして裏からもう一度奇襲を仕掛けるんだ。」
万導達は空にばかり注目して隙だらけの拠点をどんどん攻略していく。
「なんやなんや、ぜんぜん歯応えないやんけ。
カクリカちゃうのは見かけ倒しやな。」
万導は楽しそうに暴れまわっている。
「ちょっと万導さん、女性兵はこっちに回すでゲス。
男の相手ばかり飽きたでゲス。」
田中も楽しそうだった。
万導と田中は闘いながら会話する。
「なんや田中ずいぶん余裕やな?」
「シャルロッタさんがあれでゲスからね。」
「お前達を殺すため、私は地獄の穴から現れたと。」
文字通りサメの地獄の穴から排出されたシャルロッタは海水で髪と体と鎧を洗ったものの不機嫌の極みに達していた。
元々戦闘狂のシャルロッタが不機嫌なのだ。
しかも吸収のスキルの援護を受けて魔力が尽きる事もない。
さすがの万導と田中も少しシャルロッタから離れて戦っているほどだった。
近づいたら巻き添いくらって殺される。
それは万導と田中共通の感覚だった。
一方でタンダーソウ達は苦戦していた。
獣人の三人はサメのウンコの臭いで鼻が効かなくなっていて、いつもの闘い方が出来なくなっていたのだ。
「くそう、俺様とした事がちょっと鼻が効かないくらいでこれくらいの敵共に苦戦するとは…。」
獣人は普段は目と鼻と耳を全てを使って戦う。
1対多数の戦闘がこなせるのはその為だ。
だが、鼻が効かない事により普段の1対多数の戦闘の癖が足を引っ張る事になってしまった。
特にウーネとサーイルは厳しい状況だった。
「ウーネ!サーイル!フォーメーションを組むぞ。
俺達は三人で一人だ。
鼻が効かない分お互いの背後をカバーし合うんだ。」
ウーネとサーイルは驚いた。
確かに獣人同士はフォーメーションを組んだ戦闘形態が得意だった。
しかし、タンダーソウは今まで一度もフォーメーションを組んだ事はなかった。
タンダーソウは百獣の王なのだ。
「タンダーソウ様が俺達が苦戦しているせいでプライドを…、心の牙を折られただと…。
そんな事があってはならない。
俺達はタンダーソウ様の爪だ。」
「百獣の王タンダーソウ様の右の爪、ウーネ!」
「同じく左の爪、サーイル!」
「「いざ尋常に参る!!」」
百獣の王タンダーソウを中心に二人が踊り狂った様に敵を切り裂きながら舞う。
なんとか敵の拠点を潰す事に成功する。
「万導達より遅れているぞ!
これから巻き返す、行くぞウーネ、サーイル。」
「「はっ。」」
タンダーソウ達の鼻も徐々に回復し、地上部隊の万導組もタンダーソウ組も勢い付いていった。
その時だった、巨大魔法融合核から6人に向けて大量の魔法が降り注いだ。
敵兵が声を張り上げる。
「敵は連合ではない!アリスティーナ単独だ。敵はたった6人だ。地上部隊に攻撃を集中しろ。」
カクリカの巨大魔法融合核の兵士達はまだ味方の兵士達も生き残っているのに、味方の兵士ごと6人を攻撃してきた。
「く、味方ごとだと…、一旦引くぞ。」
万導達は潰した敵の拠点の一つを乗っ取って籠城する。
カクリカの兵士達は勝利を確信して巨大魔法融合核から出陣して、徐々に万導達が籠城した拠点に迫る。
カクリカの偉そうな兵士は言う。
「所詮は小さな新興国よ、敵陣で籠城など無知の極みだな。」
興奮の冷めないシャルロッタはカクリカの兵士達を嘲笑う。
「無能な上官を持ってかわいそうとね。」
今度は巨大魔法融合核からカクリカの兵士達に大量の魔法が降り注いだ。
カクリカの兵士達は混乱していた。
「おっおい!なんで俺達を攻撃してるんだ!
やめろーやめろー!」
偉そうな兵士も叫ぶ。
「わしがここに居るじゃぞ、やめろーやめろー!」
カクリカの兵士達が籠城する万導達に攻撃を集中している間に、俺が忍び込みスキル『吸収』で巨大魔法融合核を乗っ取ったのだ。
「やめる訳ないと。巨大魔法融合核は私達が乗っ取ったとよ。」
そう言うとシャルロッタは、カクリカの偉そうな兵士をお尻から口までランスで突き刺してトドメを刺した。
万導と田中は震えあがる。
「おい、今の見たか?尻から刺しおったで。」
「まだ怒ってるでゲス。」
俺達は制圧した巨大魔法融合核のエネルギーを使い次の巨大魔法融合核を制圧していく。
ドミノ倒しの様にどんどん制圧していた。
その時、まだ制圧していないカクリカの巨大魔法融合核から超長距離高エネルギー大量殺人魔法がアリスティーナに向けて放たれた。
カクリカが遂に大量殺人魔法を使ったのだ。
俺はエネルギーの糸でアリスティーナのみんなに通信する。
「おい!カクリカの奴、超長距離高エネルギー大量殺人魔法を遂に打ちやがったぞ!」




