武道大会と文化祭と決闘と薄い本。
勉強の成果を披露する武道大会や、各国の将来の外交を支える文化交流祭などで俺達は忙しく準備に追われていた。
武道大会は属性魔法が自由に使える大国が有利だ。
文化交流祭も国がバレるのを防ぐ為、小国では「なんとなく肉が多い国ですよ。」とか「うちは魚です。」とか、「穀物あります。」程度にしか出来ないがそれでも将来の自国の発展につながる。
そして何より国境を超えた恋愛や青春の1ページとして大盛り上がりしていた。
そんな時、またしても俺達の前にカクリカの魔の手が襲いかかった。
「俺様は前回の決闘を取り下げてはいない。第二次決闘要請だ。
次に断れば決闘内容はこちらで決めて強制的に決闘となるぞ。」
と太々しい笑みを浮かべながら言ってきたのだ。
俺は答える。
「えっと、誰だっけ?なんの話しですか?」
「カクリカのワルサーだ。
お前達が転校してきた初日に送った決闘申し込みの続きだ。」
今度は真冬が答えた。
「僕に送られてきた決闘は取り下げられてるけど?」
「真冬が強いのを知って決闘取り下げて、ロックだけ狙ったのかせこい男だな。」
「全くだ、ギリスの伝統ある決闘を汚さないでくれ。」
「私はそういうせこい作戦いいと思うよ。
惨めでみっもないけど、勝てる試合をするのはいい作戦アルネ。」
「ええい、うるさいぞお前等!
なんだったらカクリカ対お前達で戦争を始めてもいいんだぞ。」
「いやジョン達を巻き込むのはやめてくれ。
せっかく出来た国を超えた友達なんだ。
それにしても何で今更なんだ、武道大会や文化交流祭で忙しいのに。」
「だからだよ、お前はベッドで見学してな。
決闘は一週間後だわかったな。」
「ああ、立ち会いは真冬・ジョン・ウイン・シルク・リコでいいか?」
「いやカクリカの生徒もだ。
お前の身内だけじゃお前が属性魔法使えるだろうが。」
「最初から俺に属性魔法を使わせないつもりか、自信無いくせに威張りたいとか最低だな。」
「なんとでも言え。
カクリカはお前等みたいな弱小国家とは違うんだ。
万が一お前が俺と相性悪い水属性使いでも、次の日に別の奴に決闘を申し込ませればいいんだよ。」
「だったら武道会前日に見学自由でやろうぜ。ボコボコにして恥かかせてやるよ。」
「ハッタリだな。
俺達カクリカの情報網を舐めるなよ。
お前の弱点は出力不足だろ。
例えお前が水属性使いでもあの出力じゃ俺に勝てないんだな。」
カクリカのワルサーは何が面白いのか爆笑しながら、じゃあ武道会前日見学自由な と言って去っていった。
ギリスのウインは自国の伝統ある決闘を悪用した事に怒り、カクリカのやり方に不満を持つたくさんの生徒が俺を心配してくれて集まる。
そんな中、真冬が俺に聞いてきた。
「僕達が勝った時の条件どうしようか?」
「何を言ってるんだ真冬?」
ここにいる誰もが思ったであろう疑問をジョンが呆れた顔で口にする。
「だって、ロックが勝つでしょ。
その時の条件だよ。
僕のロックが負けるわけないから。」
突然誰もが思っていた事と反対の事を言う真冬に周りは驚き、活気付く。
「そうだな、正義が勝つのがギリスの決闘だ。ロック必要な物があったら言ってくれ協力する。」
「やるからには勝つのが当たり前だ、練習相手が必要だったら俺が付き合ってやるよ。」
「私もワルサーが負ける方が面白い思うアルヨ。」
「中性的美少年の真冬が、僕のロックが勝つ。ですって…。
僕の…!。
さすがお父様の言った通り、面白いですわー。」
一部の自らの特殊性的趣向をさらけ出したリコを除いてみんなが応援してくれた。
俺はみんなの言葉に甘え決闘までの準備に協力してもらう事にした。
「おーい、こんな感じで良いのか?」
ジョンが火属性の魔法を出来るだけゆっくり放つ。
俺はそれに無属性魔法を何発か放った。
「個体差はあるが大体3〜4発で打ち消せるな。」
「ああ、俺の方がワルサーより火力あるからワルサー相手なら3発で打ち消せるだろ。
大きめの攻撃なら5〜6発必要だな。」
次に俺はジョンに何発か撃ってもらい、数で打ち消す練習をしていた。
「なあお前の国がどこかは知らないが、さすがに属性魔法使った方がいいんじゃねえか?
俺はもちろんウインとシルクもお前と同盟するつもりだろうし、リコや反カクリカ同盟の小国連合もそのつもりだろ。」
「だからだよ。
力で勝つなら最初から真冬が全部決闘受けて、条件に同盟と俺との決闘禁止を盛り込んじゃえば全て解決だったんだ。」
「おい、真冬ってそんなに強いのか!」
「ああ。
だけど俺達は心から同盟してくれる仲間が欲しかったんだ。
それにカクリカのワルサーが無属性魔法の俺にボコられた方が面白いだろ?」
「それは面白いな。」
ジョンは笑いながら言う。
「じゃあ練習に付き合ってやるから当日は盛大にやってくれ。」
こうしてジョンは俺の練習に付き合ってくれた。
ギリスのウインには俺が回避しやすい様に出来るだけ大きい決闘場を押さえてもらう。
シルクにはこの決闘がカクリカ対俺の国ではなく、ワルサー対俺である事を風潮してもらうと同時に反ワルサーのカクリカのグループと接触してもらった。
リコは何やら薄い本を作って販売して俺と真冬の味方の女子を増やしてくれている。
それ以外にもシルクと組んで当日にも何かを計画している様だ。
こうして戦いの準備は全て整い当日を迎えた。




