異世界は魔法より裸でしょ。
ああ、俺また死んだなこれ。
俺は諦めて這いながら女性に近づいていく。
そう俺は、すっかり忘れていたが瀕死であった。
謎の金属とスケスケ薄白布の女性に、血だらけの謎のデブが這いつくばって近づいくのはいろんな意味で危ないが仕方ない。
「おや?、あなたはこの水から命を吸収出来る様ですね。」
すぐ殺されても仕方ない瀕死の覗き魔なのに、異世界は相手の能力チェックからするのが普通なのか確認される。
「はい。」
「そんな能力を持ちながら、瀕死の状態で私の水浴びを見ていたのですか?」
もっともな意見だ。
まさに命を賭けた覗き我ながら最低だ。
「はい。」
俺は不老不死だけど殺される覚悟をしながら答えた。
「なんと!なんという紳士なのでしょう。自分は瀕死状態なのに乙女の水浴びは邪魔しない主義なのですね。」
は?はぁ?
なんかとんでもない勘違いされてる。
でもチャンスだ。
このまま誤魔化せそうだな。
と俺は考えた。
が!しかし、ここは譲れない。
俺は男なのだ。
元々友達もろくにいない即帰宅男にあれだけの裸体を拝ませてくれた女神。
謎の異世界のエロ補正に感謝しつつ、今回は死のう。
不老不死だけど出来るだけ死のう。
と、俺は心を決めた。
「いや違うんだ。俺は貴女の水浴びを邪魔しない様に待っていたわけじゃないんだ。」
「では何故?瀕死の状態で動かなかったのですか?」
女性は心底不思議そうな顔で聞いてきた。そんな表情も綺麗でとてもかわいい。
「俺は、俺は、おもいっきりスケベな気持ち全開で覗いてました。ごめんなさい、ごめんなさい。めちゃくちゃ発情してました。ごめんなさい。」
さあ、その謎の金属で殺すなり、叫んで男を呼ぶなりしてくれ。俺は満足だ。我が異世界に一片の悔いなし!。
「えっ!えっー!そんな瀕死の状態で私の裸を見て興奮してたのですか?もう。照れちゃうじゃないですか。もうもう。」
なんか凄え嬉しそうなんですけど…。
なんか訳の分からなくなった俺は、透ける薄い白い布のおっぱいを見ながらどこがセクシーかエロいか素晴らしいかを熱弁した。
すると女性は、うひよーひょー、ハァーン、にゃはとかリアクションしながらこう言った。
「よろしい。貴方は私の魅力がわかるのですね。実は詳しくは言えませんが私は神なのです。女神なのです。貴方の熱い信仰心に、火を。
私の水浴びを見続けた信仰心に、水を。
そして私の加護を授けましょう。」
そう言うと何やら俺に光を指先から放ち、消えていった。
スキル『火属性魔法』を獲得しました。
スキル『水属性魔法』を獲得しました。
○○女神の祝福を受けました。
謎の声が俺の心に直接響いたのであった。
遂に魔法と謎の声ゲットです。