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姑息な雑魚と秘密の地下室。

俺達は学校の入り口の案内板を見てみた。


世界トップレベルというだけあって結構広いな。


校舎はそれほど広くないが校舎の隣に学生寮、そして周りをぐるりと囲む様に第1〜第14実技場が囲む。


俺達は校舎の中にある事務所を目指して歩き出した。


大きなレンガ造りの建物で古そうに見えるのにとても綺麗で格式高い造りをしている。


「おお!凄い校舎だな真冬。」

「そうだね。なんかカッコいい。」


今度カンナ達を連れてきて技術を盗ませようなどと考えながら、キョロキョロしつつ歩いていると真夏が話しかけてきた。


「ロック気づいてるよね。」


「どうしたんだ真冬?」


「僕達つけられてるよ。」


なんだと。

俺はもちろん気づいてなかった。


学校に着いた初日は特に大事だとニカナーノに言われていたのだった。


さっそくニカナーノから渡されたマニュアルを見ると、まずは田舎者のフリをして校舎に興奮しているフリをしましょうと書いてあった。


…。


うん、今の所完璧だ…。


次に…。

なるほどなるほど。


俺は真夏と相談して行動に出た。


「ちょっとトイレ。」

と言って校舎とは関係ないの方へ走り出す。


そこには5人の学生達がいた。


「ごきげんよう。」

「おっおう、ごきげんよう。

転校生か?」


「はい、俺はロックで彼は真冬です。」

「そうかどこから来たんだ。」


「あまり詳しい話は校則違反になるので言えませんが、俺はとある国の王の六男で真冬は貴族の息子です。」


「そうか、平等な教育の妨げになる様な会話は校則違反だったな。

俺達も似たような者だ、ではごきげんよう。」


ふう、まずは1組目。

つけられている事に気づいたかどうか微妙な感じで接触して、王の六男だとだけ伝えて何も情報を与えなかったぞ。


「やあ、君達転校生なんだね。」

早速2組目が来た。


「相手の出身地を聞くのは校則違反なのにあいつらは困った者だね。」


「いえいえ、悪意があったとは限りませんし。」


「ところで僕達は魔法関係の部活に所属しているんだ。

僕は火属性使い。

君達は何属性使いなんだい?」


「そうなのですか?

実はこの学校のレベルについていけるか少し不安に感じてまして、良かったら火の魔法を見せて頂けますか?」


「いっいや…。また今度にしよう。それじゃあ。」


これもニカナーノのマニュアル通りだ。


親切なふりしてこっちの属性を聞いてきやがった。

あいつ絶対火属性じゃないな。


ニカナーノのマニュアルがあるからいいが、まだ校舎にも着いてないのにこれだ。


何組目かの相手を終えて歩いていると、マニュアルにない行動をする美人女生徒が現れた。


長いフランスパンを縦に咥えて体当たりしてきたのだ。

転んでパンツを見せてくる。


「嫌だ私、恥ずかしい。」

美人女子生徒は言いながらフランスパンを隠した。


俺はいやパンじゃなくてパンツ隠せよ。

と、心の中でツッコミながら手を差し出す。


「大丈夫ですか?」


「あっ、ありがとう。」


「み、見えちゃいました、パン…。」


語尾濁されると、パンなのかパンツなのかわかんねえよ。


「何のことですか?」


「お優しいのですね、ありがとうございます。

もうあなた達をつけている生徒は居ませんよ。

事務所は校舎に入ってすぐ右です。

それではまた。」


それだけ言うと謎の美少女は走り去っていった。


ニカナーノのマニュアルにないパターンもあるのか。

何が狙いだったのかまったくわからなかったし気をつけないとな。


俺と真夏は事務所に着いて手続きをする。


「あのー、入学はロックさん一人と伺ってます。

よくいますがお付きの方を勝手に連れて来ては困ります、入学出来ませんよ。」


真夏が絶望的な顔をする。


「すいません、これをお願いします。」


俺は事務所の人へニカナーノから事務長への手紙を渡した。


奥から呼ばれて事務長らしきおじさんが出て来る。


「ダメダメ、どうせ国王かなんかからの手紙だろ?

うちは平等でハイレベルな教育がウリなんだ。

そういうのは受け付けていないんだ。」

と言いつつニカナーノからの手紙を読んだ。


おじさんは見る見るうちに汗だくになり、顔色が青くなっていく。


「そっ卒業生のニカナーノ君からの正式な推薦状だったのか…。

今すぐ入学を受け付けるからね。」


受け付けの職員は驚く。


「えっ事務長そんな事を勝手に…。」

「いいから早くしなさい。」


おじさんは再びこっちを向いて言う。


「ロック君と真冬君だね。これから頑張って勉学に励んでくれ。それからついでに聞くが、ニカナーノ君からの手紙はまだ持っているのかい?」


「校長先生宛てと寮長宛てが有ります。

本当に困った時以外は渡すなと言われています。」


「そうかい私向けのはもうないんだね?

ならいいんだよ。」


「君達の部屋は一階の角部屋。

昔ニカナーノ君が使っていた部屋だ。

制服は後で取りに来てくれ。」


俺達は無事に寮に着いて、自室のドアを開け中に入る。


バチバチバチバチ。


その瞬間強烈な結界により身体をチェックされた。


何事だ?


警戒しながらも真夏が言う。

「ニカナーノの魔力に似ているよ。」


俺はまたニカナーノマニュアルを確認する。


私が使っていた部屋は強烈な結界が張ってあるから安心だが、人が呼べないから気をつける事。


ベットの下から地下室に行ける。


と書いてあった。


なんなんだニカナーノはやりたい放題じゃないか。


真夏はさっそくベットの下の地下室に入っていったので俺もついていく。


驚いた事にそこはちょっとした広場になっていた。


地下なのに明るく30メートルくらいの芝生になっていて、端の方には3メートルくらいのお風呂までついていた。


真夏はさっそく犬の姿に戻ってくつろぎだした。


俺もくつろぎながら、真夏の毛並みを整えてあげる。


俺達は疲れていたのかそのまま寝てしまった。


ドラゴンが頑張ってくれたので次の日もまだ休みだ


俺と真夏は寮長挨拶に行く。


「おはようございます。」


「おはようございますロックさんと真冬さんですね。

開かずのニカナーノ部屋に無事入れた様で何よりです。」


寮長の話しによると、学校の勉強や生徒同士は平等だが寮はそうでもなく、防犯や勉強の意味を込めて寮の自室を内装したり、入口に結界を張るのは自由らしい。


中には別料金で3部屋借りてぶち抜いて使っている生徒もいるそうだ。


内装は自由。


だから地下室を作った私は悪くない。

ニカナーノのやりそうな事だ。


ニカナーノの部屋がそのままだったのは優秀な成績を納めた生徒に与えられる特権で、普通は後輩に渡すらしいが、ニカナーノには渡すべき後輩もいなかったので、そのまま放置していた様だ。


朝と晩の食事は寮で昼は学校で食べる。


ご飯は食堂で食べてもいいし、部屋に持って行って食べてもいいらしい。


「ニカナーノさんの部屋なら勝手にキッチン位作ってあったんじゃないかしら?」


寮長さんは中々鋭いがニカナーノの部屋にはキッチンはない、ただ広い地下室があるだけだ。


「いえキッチンなどなかったです。ご飯は学生同士の交流の意味も兼ねて食堂を使います。」


「わかったわ。

あと念のため言っておくけど、女子のお風呂場だけは特別に結界強化装置が置かれていて、入浴中の女生徒によって多重結界が作られているわ。覗いたりしたら怪我するから気をつけて。」


「結界強化装置?

なぜ先生達が直接結界を作らないのですか?」


「うちの学校は生徒から学びのチャンスは奪わない方針なのよ。」


覗かれたくない女生徒達は結界を強化したくて勉強を頑張り、男子生徒達はその逆と言う訳だ。


「決闘も認められてるけど、きちんと事務所に届け出ないとただの喧嘩として処分されるから気をつけてね。そこら辺は直ぐに理解出来ると思うわ。」


「わかりました。

これからよろしくお願いします。

失礼します。」


決闘のシステムなど直ぐに理解したくないと思いながら、俺と真夏は食堂へ向かう。


食堂に入ると生徒達の視線が一斉にこちらに向けられている。


俺と真夏はバイキング方式で朝食を受け取りテーブルに座って食べはじめた。


俺達のテーブルには誰も座って来ないから、

俺は警戒していたが、真夏は美味しそうにどんどん食べている。


「ロック君、これすごく美味しいよ。

しかも、おかわり自由なんだって。」

俺は真夏の自由で元気いっぱい食べる姿に癒された。

できれば人化しないで犬の姿で食べて欲しいがそこは仕方ない。


真夏とご飯を食べていると俺と真夏の前に、手紙が置かれていった。


手紙には決闘の申し込みと書いてあるのとそうでないのがある。


俺は手紙を読んでみた。


決闘の申し込みは主にウォッカニ・チン・ギリス・カクリカの生徒で、自分達の傘下に入る事が書いてあった。


その他の手紙は5カ国の平和派とか言う奴らの傘下入りの要請で、決闘しようとしている連中と全く同じ様な事が書いてあった。


残りの手紙は小国連合の様なもので、俺達の傘下に入り、5カ国に負けないで自由な学園生活をと書いてあった。


世界の縮図がこの学校にあった。


本当にここが世界のトップ校だという事がよくわかった。


俺の前には決闘系の手紙が多いのに対し、真夏の前には勧誘系の手紙が多かった。


俺と真夏の立場や実力がもうバレている。


全く油断ならない状況だ。


そんな事を考えていると、急に俺達のテーブルに昨日のフランスパンの美少女が座った。


昨日は美人だなくらいにしか見てなかったが、黒髪のロングの少し古いカットで顔が整っていて綺麗で純和風の大正美人だ。


「真冬君の手紙勝手に読んだら駄目だよ。

気をつけないと立場がわかっちゃうでしょ。」


フランスパンの美少女フラン・スーパンちゃんがいきなり俺に注意してきた。


そういう所からも情報が伝わるのか。


俺の方が偉いから勝手に手紙を見たパターンと俺の方が下だから手紙を代わりに読んだパターンの間くらいの様子で居ないと駄目だという事か。


「で、どうするの?」


「これから二人で相談して決めるよ。」


って、こいつ誰だよ。


何勝手に俺達のテーブルに座ってんだよ。


別に寮の食堂だから座ってもいいんだけど。


俺はこのフラン・スーパンちゃんに名前を聞いた。


「君の名は?」


18話の誤字脱字修正しました。

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