魔の手に全身を弄られるシャルロッタ。
真夏は俺を乗せたまま万導達がギリギリついてこられる速度で走る。
「これはまんまにしんどいで。」
「戦場に着く前に疲れて死んじゃうでゲス。」
「待ってと、置いて行かんでと。」
「朝の訓練途中だったでしょ。これくらいでバテてたら戦争終わっちゃうよ。」
真夏は国境の川で一度止まり、4往復して俺達を運んでくれた。
真夏は仲間の事を常に考えている。
こういう所が真夏の人気の秘密だ。
その夜、俺は真夏にくっつきながら焚き火を眺めていた。
3人は疲れきったのかもう寝ている。
真夏はふんわり暖かでくっついているとなんだか安心して眠くなる。
真夏と話していた俺はいつのまにか眠りについていた。
次の日も真夏はひたすら走り続けている。
そして俺も走っている。
真夏は俺にもちゃんと鍛えて欲しいらしく、真夏に乗るのを交代しながら走る事になった。
正直しんどかったが、俺は文句を言わずに走った。
実はほのかと契約してからほのかに俺のスキル『吸収』の効果が流れているらしく、ほんの少しずつだが痩せられる様になったのだ。
さすが火の精霊ほのか。
ほのかに吸われて痩せる。
これぞ燃焼系ダイエットである。
「今日はトーナリ村に宿泊するよ。
早く走らないとまた野宿になっちゃうよ。」
真夏は凄く楽しそうである。
真夏の鼻は凄い。
真夏は既にアレックス達の匂いを捉えているらしく、アレックスの生存を確認していた。
アレックス達の生存が確認出来た時点で、真夏にとってこの全力疾走マラソンはただの遠足かピクニックに過ぎない。
一方で俺達はトーナリ村と聞いて言葉をなくした。
アレックス達と来た時は荷物も多かったが、馬車で10日かかった距離を2日で着くと言ったのだ。
「おい万導。お前困難な戦いに燃えるんだろ、次の真夏に乗る順番俺に譲ってくれ。」
「わいが燃えるんわ戦いだけや。
困難なマラソンに燃えはせえへん。」
そんなこんなでトーナリ村に辿り着いた俺達は宿を取りに村に入った。
宿に辿り着いた所で俺は固まった。
そこには全裸の俺の像が建てられていた。
丁寧な事に賽銭箱とタイトルが書かれた石碑も置かれている。
『トーナリ村兼ハイイーキョ村の英雄ここに眠る。』
トーナリ村兼って何だ。何で兼ねてやがる。
それに確かに宿で寝たけどここに眠るは不吉だ。死んだみたいじゃないか。
俺以外の3人と一匹は不思議そうに像を眺めている。
「これ真夏の飼い主に似てへんか?」
「似てるでゲス。」
「似てると。でも何で全裸と。」
俺は他の宿に変えようと主張したがトーナリ村にはこの宿しかなかった。
俺はなんとか知らないフリをして3バカを宿に入る。
「いらっしゃいませ。お一人様一晩金貨1枚です。飯は付きません別料金です。」
素泊まりで金貨1枚だと!
戦時中だからってボリ過ぎだろ。
俺は色々苛立って3人の前に出て宿屋の店主に告げる。
「随分とぼったくってくれるな。
料金は外の像の賽銭箱から取っておけ。
小国とはいえ国王の像を勝手に建てたんだ。それなりの覚悟はあるんだろ?」
「げっ、なんでここに。」
店主は俺に気づくとすぐに無料で部屋を用意した。特別に真夏も部屋に入れてくれる様だ。
それと同時にあの像が俺である事は3人にバレた。
店主は俺が5日間もこの街を全裸で練り歩き子供達の面倒を見てくれたとか、あの像は股間まで精巧に再現しているとか説明している。
おいシャルロッタもいるんだぞ。
それとシャルロッタも面白がって俺と像を交互に見るのはやめてくれ。
俺達は飯を済ますとまだ早いが早速寝る事にした。
疲れていたのでベットに入るとすぐに寝れた。
「みんな起きて!」
真夏は俺達を起こした。
周りは明るくなりはじめていたがまだ太陽も出ていない時間だった。
「アレックスが出血している。前線が大幅に動いた。」
真夏は背中に3人を詰めて座らせ、まだ寝ぼけている田中を咥えて猛スピードで走り出した。
俺達はものすごいスピードに振り落とされそうになりながらも必死に掴まる。
「ちょっとどこ触ってるとー。」
シャルロッタがなんか言ってるが不可抗力だ仕方ない。
背中に乗っている俺達でこうなのだ。
口に咥えられた田中を思えば、身体を色々触られるくらいで文句を言ってはいけない。
田中は既に口から出してはいけない物を出している。
結果から言うと俺は8時間たっぷりシャルロッタの身体をあちこち堪能…、
結果から言うと真夏は僅か8時間で首都キョトウまで走り抜けた。
諸事情であまり動けなくなっている、田中とシャルロッタに安全な場所を確保させ、万導は好きに暴れ、俺と真夏は焼肉仲間を田中とシャルロッタの所へ運ぶ事にした。




