実力対知略。
「ずっるーい。それじゃあいくら切っても死なないじゃん。幻術とか残像って言ってたのに。」
「騙されるお前が悪いんだ。いつも冷静に戦況を見極めろと言っているだろ。」
俺はかなりのエネルギーを吸ったつもりなのに敵は全然元気だった。
「そいつの戦い方は、バカ高い耐久性と何らかの方法による吸収によって、相手が弱るまで待つという事だけだ。
どんな強者かと思えばくだらん芸当だな。
気絶させて捕まえて置けばいい。
卑怯なズル賢い奴らだ。
負ける筈はないが一応他の連中を見に行くぞ。」
再び敵の1人が俺にもの凄い速さで近づいてくる。
そして背後に周り俺の首を絞めてきた。
ヤバイ、落とされる。
意識を落とされれば終わりだ。
俺はスキル『不老不死』と『吸収』の組み合わせで死なないが、仲間の方へ合流されてしまう。
俺の目が覚めたら仲間がみんな死んでいたなど最悪だ。
何とか時間を稼がなければならない。
バカ高い耐久性と何らかの方法による吸収…?
まだだ、まだバレてはいない。
俺は首を絞める敵を自分ごと突き刺し1人戦闘不能にする事に成功する。
「なっ、なんだと、自爆だと。」
敵のリーダーらしき男は動揺を隠しきれない。
くだらない芸当などと自分が敵を見誤った所為で仲間が刺されたのだ。
甘かった。
奴等は口先だけで国から領土を奪う様な奴等だった。
俺達を仲間の元へ行かせない為に自爆しやがった。
水属性魔法使いが慌てて仲間の治療にこちらに駆けつける。
リーダーらしき男は慌てて止める。
「まっ、待て。」
しかし既に遅かった。
自爆した筈の俺に刺された後だった。
「くっ、土属性魔法伸びろチェーン。」
地面から生えた鎖が俺を縛りあげていく。
リーダーらしき男の土属性魔法はレベルが違う。
もはや金属の鎖その物だった。
「その鎖はA級ハンターでも切れんぞ。
他の仲間を見に行った後、必ず2人の借りは返すからな。」
そう言ってリーダーらしき男は仲間を連れて立ち去ろうとする。
確かに鎖は硬くて切れそうもないが、俺は鎖を吸収する。
「全然柔らかいじゃねえか。」
俺はさらにニカナーノ仕込みのハッタリをかまし敵のリーダーを動揺させる。
敵のリーダーは警戒して遠くからいろいろな土属性魔法を使い俺を捕まえ様とする。
俺は吸収しているのがバレない様に、土壁を殴ったり蹴ったりしながら壊しているフリを続けた。
警戒して遠くから捕まえ様と魔法を使う事は俺にとって好都合だった。
実際には気絶させに来たり殺しに来られる方が厄介なのだ。
俺は何度も何度もバレない様に演技しながら、敵の魔法を破壊(吸収)する。
そしてついに真夏達が合流した。
そして俺は言った。
「ここまでだ。例えお前が俺達全員を相手に出来ても、仲間の治療が遅れて取り返しのつかない事になるぞ。」
相手のリーダーは降参した。




