シャルロッタデース!
「凄まじい闘いやで。」
「ほんとでゲス。」
「いくらあたいでもあれには入りたくないと。」
戦闘狂ハンター達は遠くから真夏の闘いを見ていた。
戦闘狂ハンター達は真夏をニューナンチャラーより先に倒し、そのままニューナンチャラーをも襲ってしまおうと思っていた。
完全に出遅れていた。
そして彼らは目の前の状況に驚いた。
魔獣の相手はせいぜい5人だろうと思っていた。
魔獣はニューナンチャラー12人を相手にしていたのだ。
しかも、3人には魔獣は血だらけになりながらも嬉しそうに見えたのだった。
時は少しだけ戻り真夏と12人はこの場所へ移動してきた直後へ移る。
「なんだこの魔獣は逃げ出したかと思ったらいきなり止まりやがった。」
ニューサウザントクラスの1人が呟いた。
「私の名前は真夏だよ。せっかくみんなが作った街が壊れない様に離れたんだよ。着いて来てくれてありがとう。」
それを聞いてニューサウザントクラスは驚いた。
魔獣が話しただけでなく、街を守る為に移動したなどという。
驚いているニューサウザントクラスに真夏は続いて言う。
自分は群れのナンバー2である事。
群れを守るのは当たり前である事。
同じ群れの中で身分により差別が行われているキョトウの方がおかしい事などなどだ。
真夏の正論の数々にニューサウザントクラスの1人はめんどくさそうに言った。
「魔獣がこんな事考えるわけない。高度で悪趣味な奴隷紋使いがいて言わしてるだけだ。」
真夏は激怒する。
「私は真夏だよ。いい加減に覚えろバーカ!それと真夏の紋は契約紋だバーカ!悪趣味なと言った事必ず謝って貰うからね。バーカ!バーカ!」
真夏とニューサウザントクラスの戦闘が始まった。
というよりも12人の人間による犬の虐待が始まった。
真夏は激怒しながらも頭は出来るだけ冷静に考えて動く。
三蔵さんとほのかちゃんが迎えに来たら、飼い主を助けに行く。
無理はしないで、三蔵さんとほのかちゃんを待つ事が群れの為になる。
絶対に2人を生きて待って、飼い主を悪趣味と言った奴に謝らせる。
真夏が群れのみんなを守るんだ。
そんな真夏の想いは簡単に打ち砕かれ、12人による犬の虐待は続いていく。
真夏は人間よりも生存本能が優れている。
自分ではこの12人に勝てないのは分かりきっていた。
自分だけではない。
他のみんなも勝てないと分かっていた。
万が一勝てても、満身創痍なのは間違いない。
みんながみんな奇跡的にうまくいってもほのかちゃんまでだ。
三蔵さんとほのかちゃんが来てもこの12人相手ではどうしようもない。
真夏にはわかってしまう。
人間が思う無理だとは重みが違う。
自分が野生でいたならば、この12人とは戦わないどころか、近づかないだろう。
それでも真夏は頑張った。
群れを守るんだ。
飼い主がニカナーノさんに作戦をたてる様に言った。
ニカナーノさんが作戦をたてた。
真夏に役割が与えられた。
群れの中の役割を群れのみんなの為に実行する。
至高の瞬間だ。
絶対に生きて役割を果たし、みんなに喜んでもらうんだ。
真夏はもう立つ事すら出来なかった。
それでも目は死んでいない。
私は群れのみんなの役にたつ、みんなに喜んでもらうんだ。
その時真夏の前についに男が駆けつけた。
一瞬三蔵さんかと真夏は思ったが違った。
そしてその男は言った。
「なんでこないな状況で嬉しそうに闘うんや、お前ホンマに戦闘狂やな。」
「私は群れの仲間の為に闘っているだけだよ。闘いが嬉しいわけじゃない、みんなの役にたてるのが嬉しいんだよ。それから私の名前は真夏だよ。」
「仲間の為にやと。戦闘狂と言われ恐れられているわい等でも参加したくない戦闘にただ仲間の為にやと。それは戦闘狂と言われたわいが参加せいへん訳にはいかへんわ。わいの名は万導。この面白そうなんに俺も混ぜろや。」
「万導さん勝手に飛び出しちゃだめでゲス。私の名は田中でゲス。死に場所を探してたはずだったゲスけど、生きるのも悪くないでゲス仲間に入れて貰うでゲス。」
「ワターシハ、シャルロッタデース。
仲間に入れて貰うデース。」
シャルロッタは人見知りで初めての人とはうまく話せないので変な喋り方になっていた。
真夏は訳がわからないまま急に群れの仲間が増えた事に嬉しくなり、少しだけ尻尾を振ったのだった。




