表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/91

大量殺害。

翌日今度は魯から俺達は弓を放っていた。

さすが歴史の国キョトウ。

昨夜で懲りたのか、今朝はしっかり魔法で防御を固めて弓を撃ってきた。


偽砦とはいえ、砦がある事で俺達はなんとか応戦していた。


戦力差を利用して堅実に攻められると非常にまずい。俺達は弓を放つ以外何にも出来ないのだ。


そう俺達には何も出来ない。


だが、俺と真夏個人的には出来る事がある。


スキル『吸収』を敵兵に使っている。

吸収相手が選べる様になった俺達は大雑把に敵軍側からエネルギーを吸っている。


若い新兵達は慣れない戦闘と寝不足で疲れた所に、俺と真夏の吸収だ。

薄く広く敵兵全員から少しずつエネルギーを吸収してやると、敵はやる気や集中力を少しずつ失っていく。


集中力を失った敵が弓の操作を誤り、軽く怪我をする。


しかし、これでは拉致があかない。


何か手がないかと思っていると敵陣から太鼓の音が響いて、見張りを残して兵が退いていった。


ニカナーノに確認させると敵は士気の低下を受けて、昼休憩を取ろうとしていた。


俺は味方に干し肉を3分以内に配り食べ終わる様に支持すると、真夏に飛び乗って敵陣に走り出した。


敵の見張りはまさかこちらから撃って出るとは思っていなかった様で、真夏の速度を利用し、俺と真夏は一気に敵陣中央に飛び出した。


敵が何事かとびっくりして動けない間に、俺と真夏は敵の大鍋をいくつか蹴り倒して逃走する。


俺は何発か敵の矢や魔法を受けたが、それでも真夏にしがみ付き、偽砦煩悩寺に戻る。


仲間に真夏の治療を頼み、俺は自分は血だらけのまま、魯を駆け上がり敵陣を確認する。


疲れ切っていた敵の新兵達はみな、地面に座り込み、無言で地面にぶちまけられた鍋を見ていた。


闘いが激しければ激しいほど、休憩や撤退時には気が抜ける。

指揮官には最も注意が必要な所だ。


闘い慣れた指揮官達は、たった一晩の戦闘と今朝の弓の撃ち合いで兵士達がこんなにも疲弊しているとは考えていなかった。


圧倒的優位な状況に指揮官の判断ミスが生じた。


それは無理もない話しで、経験豊富な指揮官達とはいえ、こんなにも優位な状況、こんなにも新兵だらけの出兵などした事などなかったのだ。


彼等にとっては疲れるどころか戦争をしている感覚すらなかっただろう。

もしかしたら、俺と真夏の吸収も少しは影響あったのかもしれない。


敵兵はゆっくり休める、ちゃんと食事が取れると思っていたのに、水と少しのパンを食べて戻る。

俺達は絶望的な状況の中、計画通りに干し肉と水を取る。


この差は大きな差になった。


敵指揮官もこの状況に焦りが生じ、偽砦煩悩寺に向けて突撃体制をとらせる。


圧倒的人数差で突撃すれば良い、後少しで終わると、兵を無理矢理鼓舞する。


敵部隊の突撃がはじまると俺達は、ずっと使いたかった罠を土属性魔法で発動し、超巨大落とし穴に敵を落とした。


落とし穴には無数の尖った杭があるだけではなく、大量の藁と油が用意されている。


それに敵指揮官が気付いた時には既に時遅し、無数の火矢と11人の火属性魔法使いにより火がつけられ地獄の釜が完成していた。


俺達は元々魔法が使える者が少なく、一番多い火属性使いもやっと魔法が使える様になった素人ばかりであった。


それを補う為に最初から罠を準備し、たった5人の土属性と11人の火属性でこの地獄の釜を作り出した。


これにはさすがに今まで同じ様に多勢に無勢とはいかなかった。


正に地獄である。


超巨大な落とし穴から、たくさんの叫び声と人の焼ける匂いが溢れ出る。


敵の指揮官や経験豊富な隊長達は、適切に偽砦煩悩寺と落とし穴の間で俺達を牽制攻撃する部隊と落とし穴に救出向かう部隊を分けた。


それは今までとは違い、一切油断のない常識的で適切な判断だった。


しかし、それも不味かった。


50人対500人の戦争だ。


50人側である俺達に常識などない。

どこまでも慎重に慎重を重ねて計画され尽くしている。それでも絶望的な戦争だったのだ。


俺達は立派に見えるだけで実は薄い塀と建物の偽砦に火を放ち、敵側に倒した。


薄いとはいえ戦闘に使う以上それなりに立派な物であるが、わざと魯や高い所に油を大量の設置して倒れやすくしていた。


向こうが使う火矢や火属性魔法は全てほのかが防いでいたが、一発でも命中すれば俺達は即大爆発を起こして死ぬ状態だった。

そんな覚悟が今報われた。


薄いとはいえ建物が、燃え盛りながら敵に向かって倒れる。

魯には大量の油を積んでいた。


木の下敷きになって圧死する者、潰されて動けない所を焼かれる者、爆発に巻き込まれる者…。


そして偽砦から大量の火のついた油が、必死に救助活動が行われている、地獄の釜へ流れこむ。


地獄と地獄が混ざって更なる地獄が躍り狂う。


俺達は偽砦を放棄し、北の森方向へ逃げ込む。


俺は走りながら、後の世にも語られる事になる地獄から出た煙りを見て考える。


殺らなきゃ、殺られていた、煩悩寺の変と。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ