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戦争前夜

春が来て服屋から密報が届いた。


今度の敵は、外交の使者とは到底思えない軍勢500人。若い兵士が多いらしい。


俺達の土地に本気で攻め込む価値はないが面子もあるという事で、兵士の訓練ついでに俺達を滅ぼしてしまおうという作戦らしい。


そして、それとは別にギルドからA級10人。

今のところギルドは参戦の意思はないし、敵軍も俺達の為にわざわざギルドに金を払ってまで雇うつもりもないそうだ。


ただ前回俺達が女奴隷を注文したと聞きつけて、俺達の国の運営状態や奴隷の扱いなどの様子を見て、どうせ勝利も確実だし、参戦してギルドの評判をあげるつもりの様だ。


どいつもこいつも偉い組織とやらは腐った奴らばかりだ。

自分達の利益だけで動きやがる。

そこに正義なんてない。

ここは元々赤字だった土地で取り戻しても国民の負担が増えるだけなのだ。


敵軍だけでも絶望的な戦力差。


ギルドの参戦だけでも避けたいが、奴らはどうせ勝てると思っている。

例え俺達が良い行いをしたとしても、殺してしまった後、女奴隷を酷く扱っていたと言えば良いだけである。


まさに八方塞がりだが負けられない。


俺は誰に迷惑をかけた訳でもなく、平穏に引きこもりたいだけなのだ。


今は1人じゃない。

真夏や仲間達と幸せにこの辺境国家に引きこもりたいだけなのだ。


俺達は前回よりもかなりでかい砦の偽物を作った。

櫓など一部は本物だ。

櫓には矢の他に油や藁などを大量に積んでいる。

そこで俺は1人の仲間に声をかけた。

「ここはお前の特技の弓と新しく覚えた火属性魔法が勝利の鍵になる。

頼んだぞ。」

仲間は俺が覚えていた事に驚き嬉しそうだ。心なしか偽砦組みの士気が上がった気がする。


「危なくなったら逃げろよ。

焼肉はみんなで食べた方が楽しいからな。」


偽砦の建設を終えた土属性組みが、ちょうど通りかかったので、土属性組みにもありがとう頑張ってくれと声をかけておく。彼等はこれから罠作りだ、戦前の負担がとても大きい。


万全のとは言えないが、出来る事は全部終えた時、また遠くに煙が見えた。

前回もそうだったが彼等は隠す気がないらしい。


煙の量は前回の5倍。

軍隊の炊飯の煙と考えると服屋の情報通りだ。

10倍の軍隊も怖いが、ある意味服屋が1番怖い。


次の日。

半年前と同じ様に全部隊で川を渡ろうとし、俺が文句を言って上陸させる部隊を減らす。


ただ前回と違うのは、服屋の密使がトップでなかった事とやたらと豪勢な鎧の兵士が多かった事だ。


豪勢な鎧は余裕で安全に勝てる戦争だと思って、貴族の息子達が名声を得る為に来ているのだろう。


敵の将軍が前回の芋代だと若くて綺麗な女奴隷を100人連れてきた。


これだけでも明らかに芋代よりも多いのに、さらに大量の酒と食料を渡してきた。


「今夜何があるかわからんからな。

最後の晩餐になるかもしれん。

沢山食べて飲んでおけ。

酔っておればあんまり痛くもないかもしれんぞ。」などと堂々とほざきやがった。


俺は根野菜を渡す。

「芋は連作すると良くないので、今は畑を休ませる意味でも運びやすくて保存の聞く根野菜を作っております。籠城にも使いやすいので軍にもおすすめです。是非ご購入下さい。」


と、少しは農業の知識がある事と無条件降伏はしないと籠城戦の覚悟を示した。


敵の将軍はこちらを睨むと船に帰って言った。

俺は100人の女奴隷達にこう告げる。

「今から奴隷紋を消してやる。

普通に消す事は出来ないから契約紋で上書きする。

俺や国のみんなを裏切らず、犯罪もしないという契約を俺と結んで貰う。

キョトウの軍隊がたくさん来ていて怖いかもしれないが、砦の後方に小屋が用意してある。

俺達が勝った場合はそのままうちの一般国民に、俺達がもし負けたら、それぞれ行きたい所に行き一般人として生きるがいい。」


この対応にギルドは納得した様だが、A級ハンターは違った。


お金にならないと文句を言う者。

ただただ強い奴と闘いたいと言う者。


それにはニカナーノが対応した。

どうせキョトウは自分達だけで勝てると思っているからギルドを使わない。


ギルド本部負担でハンターを雇って元奴隷の女達を戦争から保護すれば、ギルドの名誉にもなるし一石二鳥だ。


闘いたいハンターはキョトウが勝てばどうせ魔獣の討伐依頼が出るし、キョトウが負けた場合は私が魔獣との模擬戦を打診すると言いみんな納得してくれた。


ニカナーノはこういうやり取りの天才だ、安心して任せておける。


おかげでギルドの参戦はなくなったが、敵は500人絶望的な戦力差だ。

単純計算で1人10人倒さなければならない。


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