やっぱり異世界は剣だぜ!
あれから丸1日、美味しい川の水と空気や雑草から命を分けて頂いた俺は体だけでなく痛みもスッキリ回復した。
回復した俺は改めて周りを見回す。
焼け焦げた家々、かじられた家畜、そしてたくさんの村人やモンスターの死体。
悲しい事に俺以外の生存者は誰も居なかった。
廃墟となった村を歩き使えそうな物や食べ物を拾う。
完全なる火事場泥棒だが生きていく為には仕方ない。
ついでに剣とお金っぽいコインも拾った。
洋服は残念ながらデブになった俺に合うサイズがなくカーテンを体に巻いた。
火事場泥棒とはいえお金や物を貰ったお礼に村人達の遺体を穴を掘って埋葬した。
それから1週間後。
全ての村人の遺体を埋葬し終わった俺は元気にランニングしたり、剣を振り回して訓練していた。
ここは異世界。
大自然の中の大冒険や仲間達との友情・恋、そしてモンスター達との白熱したバトルが…。
ない、いっさいない。
仲間達どころか村人も居ないし、先の戦闘で野生動物達も逃げたらしく居ない。
拾った食料も冷蔵庫のない世界では腐るのが早く、食べられそうなのは食べ終えた。
それでも俺は元気だった。
そう『不老不死』と『吸収』のお陰で生きているのだ。
『吸収』は以外と優秀で、周りの雑草だけでなく太陽の光や水・空気から栄養が摂取出来るらしく、俺は食べなくても全然平気だった。
家も比較的被害の少ない建物を選び寝泊まりしている。
生命と寝る所の保証を確保出来た俺は、次に本や地図など情報を拾い集めた。
地図はなんとなく理解出来るが残念ながら本の文字は読めなかった。
予想通りあのケチ神は、異世界文字の習得は増量してくれていなかった。
もし言葉も通じなかったらどうしようかと不安にもなったが、考えても無駄なので人に会えた時やモンスターの襲撃に備えて身体を鍛え剣の練習している。
今の俺の目的は1つ。
ダイエットと冒険者ギルドの登録だ。
なぜか2つ言ってるが気にしない。
冒険者ギルドがあるかどうかはわからないがここは異世界。
文字がわからない俺は本も読めないし、どうせする事もない。
こうなったらもうやっぱ剣の練習しかないしょ。
元々友人も少なかった俺は大自然の村の中、一人でも結構幸せであった。