どさくさまぎれに建国した。
ローブは答えた。
「全くその通りだ。功績は勿論認めるが、いくら赤字の土地とは言えその者が他国と協力して戦争を仕掛けてこないとは言いきれんでな。新しい爵位とわずかながらの領地を与える事は約束しよう。」
ニカナーノは続けて言った。
「わかりました。しかしながら我々ギルドも彼には助けてられています。ここは1つ私副長ニカナーノ自らが一肌脱いで、ハイイーキョ村の復興の為、そして彼を監視する為に新しい国にギルドを設立いたしましょう。」
「なんだと!」
ローブと俺は全く同じタイミングで言ってしまった。
「先程、ギルドが十分に反省し実力もあり国に役立つと認めて免罪した者達の過去の犯罪に触れられていらっしゃいました。
ギルドが認めていない身分の差による差別も確認しました。
今回我々ギルドが彼を監視すると言っています。3度目はありませんよ。私はギルド副長です。もちろんこれは世界中のギルドの総意と考えて頂いて構いません。」
ニカナーノの突然の発言によって、世界地図が変わった。
俺はさっさと独立を宣言し、その場に居た名前も知らない貴族と名誉ある国交調印をし、商人に門前の土地や商売の権利を売却、いきなりの事なので全額は今日中に用意出来ないと言われたので、用意出来ない分は、馬車や予備の武具・農具生活用品・布団・作物のタネなどを格安で買い取った。
自体をいち早く察知した老舗洋服屋からその場で圧縮袋を購入、そして何かあった時用にと裏手形を渡された。いきなり裏手形とはさすが老舗である。
俺達はその日の夕方には街を逃げる様に馬車20台という無茶な編成で出発した。
途中、俺達を監視に来たアレックス達にも協力してもらい僅か10日間で、新国境の川まで到達した。
そして今、川を挟んでアレックス達はトナリーノ村側、俺達はハイイーキョ村側に立っていた。
アレックス達とのお別れだ。
「色々ありがとな。」
「お互い様だろ。」
俺はそっと橋に触れ、スキル『吸収』を使った。
俺の力ではすぐに橋は落ちない。
でも、少しずつ橋が緩んで揺れてきた。
そして橋は崩壊し川底へ沈んで行った。
そんな俺を見てニカナーノは言う。
「何やってんの?またすぐに会えるわよ。」
「お前も良かったのかよ?」
「私は見る目があるのよ、あなたの事も才能ありと見込んでD級スタートにしたじゃない。」
「あれはデブ級じゃなかったか?」
「それはなんの話しだ?俺達にも聞かせて下さいよ。」
俺達はしばらく川のほとりで笑いあった。




