異世界の軍人達。
「おーい、生存者は居るかー?」
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ずっと1人で生きてきた俺が、なぜこんなにもアリスティーナ様に会いたいのかを考えていた頃、村の外から人の声が聞こえてきた。
廃墟村が魔物に襲われた事が首都に伝わり、首都の兵の中から廃墟村救出隊を募り移動して来るまでこんなに時間がかかったのである。
あとでわかったのだが、時間がかかった理由は貴族や商人の思惑が複雑に絡み合ったせいだった。
要はお金と権力である。
「はーい、生存者は俺だけです。」
俺は返事をして、軍の方へと歩いて行く。
ヒューー、バサバサバサ。
えっ?なぜか大量の弓が俺に降り注いだ。
そして弓が刺さり倒れた俺に沢山の歩兵
が駆け寄り水をかけまくる。
「あぎゃーーああぁぁぁあ。」
あまりの痛みに俺は叫んだ。
弓で出来た傷にしみて痛いというか熱い。
「魔法製弓矢3種の命中を確認。聖水もかけ終わりました。人間で間違いありません。」
「よし、弓を抜いて薬草でも塗っとけ。」
「人間確認の魔法の矢と聖水だ。魔物は3種類の矢のどれかで必ず死ぬ。
生きてれば人間だおめでとう。
悪く思うなよ。
人間に化けた魔物だったら困るからな。
それに田舎者のデブならこれくらい平気だろ笑笑笑」
「それにしても生き残りはデブ1人かよ、兵隊には使えんな。
喜べ奴隷商。
お前にやるぞ。」
「うちだって、デブ1匹じゃ赤字ですわ。
あんまり値段つかへんし要りまへん。
普通に街に届けてコネ売っといた方がマシやわ。」
なんなんだこいつらは。
ふざけんな『不老不死』持ちの俺じゃなきゃ死んでるぞ。
と俺が思った瞬間、大地が揺れて隊長らしき男や貴族・奴隷商人など8割以上の兵士達が地面に飲み込まれていく。
そこで俺にシステムが話しかけたきた。
この地割れはアリスティーナ様の怒りだった。
地上で俺と一緒に生活する為に溜めていた魔力を使ったそうだ。
そのせいで、アリスティーナ様はしばらく動けないから、俺は俺で行動しろと言われた。
生き残った兵士達が懸命に救助活動する中、弓のダメージのある俺はゆっくり横になっていた。
そして小さく呟く。
「生き残った兵士が人間で、死んだ兵士は魔物か…。」
一夜明けて次の日。
俺は『吸収』のおかげでそこそこ回復していたが、警戒して治っていないフリをしながら家で寝ていた所に生き残りの中で1番偉そうな兵士が声をかけてきた。
「俺は三ツ星級騎士アレックスだ。
昨日はすまなかった、ポーションだ使ってくれ。
それから話せれば少し話しがしたい。」
と液体の入っている瓶を渡してきた。
「ポーションですか?薬草じゃなくてよろしいのですか?
兵士の皆様にも怪我人はたくさんいらっしゃるのではありませんか?」
「いや、不思議と怪我人は居ないんだ。
死んだか生きてるかの二択だった。
それに生き残った兵士は気の良い奴らばかりだ気にせずポーションを使ってくれ。
言葉使いも気にしなくて構わない。」
俺はこの世界の事を何も知らない。
警戒しながらもアレックスや生き残りの兵士達と話した。
そしていくつか俺の今後の方針と兵士達の今後の方針が決まった。
まず俺はこの廃墟村(なんと本当はハイイーキョ村と言うらしい)がモンスターに襲われた時にやられて頭を打ち付けて一部の記憶を失った事にした。
俺の知らない知識が出た時は記憶喪失と田舎者で通した。
そして兵士達。
まず死んだ兵士達は見事に性格の悪い奴らばっかりだったらしい。
さすがアリスティーナ様。
神の裁きは性格の良い悪いを見分けて裁いたのか。
それにしても8割以上が性格悪い軍とか凄く嫌なんだが。
そして生き残りの兵士達はしばらくここでのんびりしてから首都に帰るそうだ。
死んだ兵士の中には貴族も居て、とてもじゃないが突然の地割れで死んだなどと報告出来ない。
村に巣くった魔物と激戦を繰り広げて辛くも勝利した定で帰る事に話し合って決まったそうだ。




