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「あのー、此方にはどの様なご用件でいらしたんでしょうか?」


「雲が怪しかったからよ」


「雲ですか?」


「そうよ、雲よ」


「それは、もしかして山の上の雲で?」


「そう言ってるじゃないっ!」


黒光りする肌を持ち紅の瞳の魔王が揉み手をして少女にご機嫌を伺うの図

その光景を玉座で足を組み頬杖をつくアヤカが見下ろす


魔王とは魔族の中での最強の称号である、強い者が王となる

弱肉強食が法である魔族において最も分かりやすい象徴なのである

魔王は生まれながらの魔王であった、特に何かしたわけでも無く最強だった

その魔王が初めて自分以上の強者を見たのである、しかもそれが2人もである

魔王は今までに経験した事がない状況に戸惑う

傅かれることは事は有っても傅くことは無かった

命令することは有っても命令されることは無かった

魔王はどうしていいのかわからない

唯々、シロとアヤカという名の嵐がはやく去って欲しいと神に祈りたくなる


「あのー、それでどれ位滞在されるご予定でしょうか?」


「んーそうね、邪神が封印するまでかしら」


「邪神を封印されるまで、いらっしゃるので?」


「だから、そう言ってるじゃないっ!」


魔王は不思議に思う、邪神は百年前に女神に滅ぼされたはずであると

その勢いに乗った王国の教会が先導して魔族に戦争を仕掛けてきた筈だと

それが今の百年戦争の歴史の始まりだと若い魔王は聞いていた

神の名を冠した他種族への一方的な虐殺行為、それを始めたのは王国側である

現にいまだに幾百もの人以外の種族の魔族領への亡命を受け入れている

勇者と巫女は向こう側の人間である、歴史が違うのだろうと魔王は理解する


邪神は女神に相対する神として作られた存在である、と言われている

邪神の使命は定期的に復活して世界を滅ぼすことである

女神への信仰が高い世界なら女神が降臨し邪神を滅ぼして世界を救う

女神への信仰が低い世界なら人類が自らの力で邪神を退けなければならない

異世界から人を雇い入れるなど本来ならばあり得ない話である

しかし、あの女神はそれをした…無理を通して道理を引っ込めたのである


「あと一つ、宜しいでしょうか?」


「なによっ」


「邪神はいつ頃に復活するのでしょうか?」


「えっ?」


「えっ?」


「なんであなたが驚くのよ?」


「もしかして、知らないので?」


「知らなくてもいいでしょっ」


「いや、よくない」と魔王は言いたかったが、アヤカが怖いので黙ることにする


アヤカは魔王を眺めながら玉座の肘掛けをコツコツコツと人差し指の爪で叩く

苛立たしい、実のところアヤカは魔王が邪神を復活させるものだと考えていた

ところがどうやら違うらしい、しかもいつ復活かと聞かれたくらいである

ホントに邪神が復活するのかと疑問に感じてくる

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