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自分は一体?(上)

下は明日あたり投稿します。

ぎゃーっす! なんか取り憑かれたっす! やっぱり遺体から物奪ったのが悪かったんす! ごめんなさいっす、謝るっす、物も返すっす! だから呪わないで欲しいっす!! 成仏して欲しいっす! ナンマンダブナンマンダブー!!


手を合わせて祈っていたら、悪霊さんからお声がかかったっす。


『悪霊じャねぇヨ! てメえこノ猿畜生、真理の円環、万能を与えるものトモ呼ばレたこのオレ様を言うに事欠いて悪霊トはドういう了見だ!? ああくそ、ソうかてメえ転生者だったか、クソが! オレ様が如何に偉大な存在か教えてヤラぁ!』


そう輪っかさんが言った瞬間、自分の頭の中に膨大な情報が流れて来ててててて痛いっす!!!!

頭がめっちゃ痛いっす!! 痛いし気持ち悪! うえぇぇ、吐き気が止まらないっす……ああ、これが地獄っすか。

割れる割れる頭が割れるぅううう!!!


『ドうだ! 真理ノ一片を見せてヤッた感想、ハ? あ、ヤッベ猿だかラ脳ノ容量足りなイのか……ほラ、こレくラいなラ理解できルか?』


はあはあはあっ!! 頭の痛みが一気に引いたっす。

んでもって、なんか国とか土地とか知らない筈の知識が増えてるっすね。

怖。いきなり知らない知識増えるとか、猫だか狸型のロボットが持っている不思議道具レベルっすよ。


『キヒャヒャ! ヨうヤくオレ様ノ偉大サが』ドン引きっすわ。

『てメえいい加減にしロヨ、こノ猿畜生! ハあ、わかッたわかッた転生者ドもが食い付きそうナ情報ハ――ああ、こレがいいか。猿畜生、取リ敢えズソこのちビ猿に向かって開示(オープン)ツッてみロ。口に出さずに念じルだけでいい』


輪っかさんは何だか疲れた様子で、自分にそう伝えてきたっす。

念じるだけでいいなら今の自分でも出来るっすね。

一向に身体は動かないすし、今はウキーとしか喋れないっすからね……。

兎にも角にも言われた通りにしないとこの状況は終わらないような気がするので、ちゃちゃっとやっていくっす。

開示(オープン)っす。


すると小さいお方の頭上になんか吹き出しみたいなのが出てきたっす。



・名称:未設定 ・LV:3

・種族:幸福獣(ハルルカン)

・希少種族。数年に一体の割合で進化することがある。

周期が決まっているわけではなく、進化体が現れない

事もある。その為見ただけでも幸福になれるとファー

ル達のジンクスとなっている。また、幸福獣はその珍

しい毛色や食肉としての品質が高い為、非常に高額で

売買されている。



なんすかこれ……?


まるでゲームのような……なんなんすか?


これは一体なんなんすか?! 名称未設定ってなんすか?! LVってなんすか?! 種族のハルルカンってなんすか?! そんな動物知らないっす! そもそもなんでそれが文字でみられるんすか!!


『おいおいおい、猿畜生様チョッと落チ着けヨ』


自分は!!! 猿じゃないっす!!!! 人間っす!! 人間だった筈なんす!!


……一体ここはどこっすか!? なんで自分はこんな所にいるんすか! なんで! 自分は人間だってわかるのに――なんでそれ以外の(・・・・・)事が思い出(・・・・・)せないんすか(・・・・・・)


家族は? 友達は? 住んでた場所は? 国は? 性別は? 自分の名前は? 何もワカラナイ。オモイダセナイ? ああ、あ、あああああああああ!!!

なんで? なんで!

自分は一体なんなんすか?!!


『ッチ!! まサかこンナ不完全ナ状態で送リ込ンで来ヤがッタノか!? 何考えてヤがル! こンナン完成すル前に壊レルじャねえか! 強制介入!! ――担い手への強制介入を実行いたします。同調率十四パーセント、十五、十八、二十パーセントへ到達、精神安定を実行。拒絶反応。錯乱状態からの回復失敗。更なる同調率の向上。失敗。拒絶反応強化。同調率低下。真理の扉解放。情報過多による強制失神(シャットダウン)に成功。――ダぁ! 受け入レ体制が低すぎて同調率が上がリャあシねえ! 何よリ人とナリを決定付けル根幹の記憶が欠けてルだと? 何企ンでヤがル』


処理しきれない圧倒的な情報の波に飲まれて自分は意識を失ったっす。


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