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洞窟の中っす




し、しんどかったっす……!

洞窟に入っても外から震動が伝わって怖かったのでどんどん奥に逃げちゃったっす。

しかもここ結構入り組んでたらしく、もはやどこをどう走ったかも覚えてないっす……。

幸いこの洞窟は地底湖に通じていたらしく、出口はわからないけど水は豊富にあるっす。しかもそこかしこにある水晶ぽいのがぼんやり光ってるお陰で、結構明るいのも助かったっす。


天井も結構高いし、随分と広い空間に出られたっす。不幸中の幸いってヤツっすかね?

まあ、食糧がないのでこのままだと餓死するんすけどね……。


「チッチィ! チッチチー」


おや? 気がついたら小さいお方が少し離れた岩場の陰を見て、何やら鳴き声を発していたっす。

いつ聞いても可愛らしいお声っすねぇ。などと思いながら小さいお方の方へ足を運んだっす。



……行かなければ良かったっす……。


そこには明らかに人のものと思える白骨遺体が転がっていたっす。服は着ているけどかなり風化してボロボロっす……。

……う、うぉおおおおお!!! これはアレっすか?! 自分達の末路っすか!? このまま何もしなければこうなるって事っすか?!!

飢え死にはかなり苦しいって聞いたことがあるっす!

嫌っす! 小さいお方が(・・・・・・)そんな苦しい思いするのはダメっす!!


「チッチチィーチチ」


自分が苦悩している間に小さいお方が白骨遺体に群がり何か漁っていたっす。

ちょ! 小さいお方! 仏様には優しくしないと祟られるっすよ!?

そんなことを思っている間に、小さいお方が白骨遺体の懐から金属製(?)の輪っかを三つ取り出したっす。

二つの輪っかは多分ブレスレットっすね。ちょっと幅広で『THE・腕輪』って感じっす。童話に出てくるランプの精とかがつけてそうっす。くすんだ緑の石がついてるっす。あと、緑の石の両隣に何かが埋まってた後があるのでこの腕輪には三つの石が付いていたんすね。



えーと、こっちの一つしかない輪っかは何すかね?

首輪にしては留め具がないから着けられないっすね。となると、頭に被る冠っすかね? ティアラとかサークレットとか言うんすっけ?

これまたくすんだ緑色の石が二つ付いてるっす。ただ、腕輪の石は丸かったっすけど、こっちのはひし形っすね。



「チィチー」


小さいお方が何やらこちらに輪っかを差し出してきたっす。


これは着けろってことっすか? それともただのお宝自慢的なものっすか? はたまた、まさか食べろってことでは……。

そんなことを考えていたら、小さいお方が頭に輪っかを被せてきたっす。

ああ、着けろってことっすか。


オッケーっす! 小さいお方が望むなら立派に装備して見せるっすよ!

意気揚々と冠っぽいのの位置を調整して、腕輪を着けたっす。


あれ? 位置調整した冠っぽいのがずり下がってきたっす。ちょっと自分の頭には大きかったみたいっすね。

ちょうどおでこの辺りに嵌まってるみたいっす。


んん? 再度位置調整をしようとしたんすけどなんか、持ち上がらないっす? というか、持ち上げようとしたまま身体が動かないんすけど!?

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