表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/19

6.


ある日ピエロが広場にいくと。

少女はひとり、泣いていた。

森の広場の切り株に。

腰をおろして泣いていた。

カレシがね。

カレシがね。

さいきんとてもつめたいの。

わたしに会ってくれないの。

美しい少女は泣きながら。

ぽつりぽつりと言葉を漏らす。

カレシがね。

カレシがね。

あんなに愛してくれたのに。

あんな好きだと言ったのに。

わたしに会ってくれないの。

わたしを愛してくれないの。

少女は涙をこぼしつつ。

ぽつりぽつりと言葉を漏らす。

ピエロは少女を笑わせようと。

少女に笑ってもらおうと。

パントマイムをはじめたが。

こんなときに、ふざけないで。

少女は不意におこりだす。

ピエロは少女に笑ってほしいが。

あいにくと。

芸のほかにはなにももたない。

ピエロはひたすらおろおろと。

日のおちるまでうろたえた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ