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13/19

13.


街のピエロはきょうもひとり。

街の広場で芸をつづける。

あれから姿をみせてくれない。

少女のために、芸を続ける。

きょうは来るのか、来ないのか。

ただいたづらに時は流れる。

街のピエロは芸を続ける。


ある日、少女がやって来た。

街のピエロはうれしくて。

さっそく芸を演じてみせたが。

きょうの少女はいつもとちがう。

きょうの少女はおこっていた。

ねえ、あなた。

なんでふつうにできないの。

どうしていつもふざけているの。

ちゃんとふつうにしゃべってよ。

ちゃんとふつうの服をきてよ。

そのままで。

わたしに話、かけないで。

わたしのところに寄ってこないで。

おねがいだからふつうになって。

あなたのために言ってるの。

おねがいだから。

わたしに恥を、かかせないで。

街のピエロはあまりのことに。

なにも言えずに止まってしまう。

少女も街のみんなとおなじ。

ふつうの人間だったのだ。

少女もピエロをふつうでないと。

軽蔑の目を向けていたのだ。

少女はピエロに背を向けて。

人混みの中に溶けてしまった。

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