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13.
街のピエロはきょうもひとり。
街の広場で芸をつづける。
あれから姿をみせてくれない。
少女のために、芸を続ける。
きょうは来るのか、来ないのか。
ただいたづらに時は流れる。
街のピエロは芸を続ける。
ある日、少女がやって来た。
街のピエロはうれしくて。
さっそく芸を演じてみせたが。
きょうの少女はいつもとちがう。
きょうの少女はおこっていた。
ねえ、あなた。
なんでふつうにできないの。
どうしていつもふざけているの。
ちゃんとふつうにしゃべってよ。
ちゃんとふつうの服をきてよ。
そのままで。
わたしに話、かけないで。
わたしのところに寄ってこないで。
おねがいだからふつうになって。
あなたのために言ってるの。
おねがいだから。
わたしに恥を、かかせないで。
街のピエロはあまりのことに。
なにも言えずに止まってしまう。
少女も街のみんなとおなじ。
ふつうの人間だったのだ。
少女もピエロをふつうでないと。
軽蔑の目を向けていたのだ。
少女はピエロに背を向けて。
人混みの中に溶けてしまった。




