表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染☆LOVE!   作者: 前田渉
1/1

宏樹と詩織

「おはよう」


なんか煩いな~。


目を覚ますと幼馴染の詩織が僕のベッドの上に飛び乗って馬乗りになってる。


飛び跳ねてるからスカートが捲れてブルーのギンガムチェックが見えてる。


「お前は女の子なんだろう」「見えてるぞって」僕が言うと、「見えてもいいんだよ」「宏樹には秘密はないの」「宏樹は無制限見放題なんだよ」とか訳の分からないことを言ってる。


「どうして制服着てんだよ」と思った。

今日から学校は夏休みのはずだったけと考えていたら、「水族館に一緒に行く約束だよ」って笑った。僕は全く覚えていない。


昨日の夜に両親と詩織とご飯を一緒に食べた後に部活で忙しくて今まで出来なかったゲームに熱中してて明け方まで起きていた。


そう言えば水族館に行くとか行かないとかの話しをした気もする。前から一緒に行きたいと言ってたのを思い出した。


詩織の祖母と僕の祖母が姉妹で住んでる家が隣同士。親戚だからご飯も一緒の時がよくある。

小さい時から詩織は僕の両親のことをお父さんとお母さんと呼んでる。


両親も喜んでいるけど正直うざったい。中学から私立の女子高に進んだこともあって男とつき合ってる感じはなかった。僕が中学から私立の進学校の男子校に進んだから、対抗して猛勉強をして進学校のお嬢さん学校に入学したらしい。そんなことを詩織のお母さんから聞いたことがある。宏樹が私の為に女の子いない男子校に行くことにしたんだから未来の花嫁の私が共学に行くなんてあり得ない。家庭教師を二人もつけて頑張ったとか本当に理解出来ないことを言ってる。妄想癖があるんじゃないかと時々心配になることがある。


僕の母親は宏樹がしっかりしないと詩織ちゃんを取られちゃうからねとよく言ってる。いつでも取ってくれって感じだ。別の僕のものじゃないしね。


詩織は四月二日生まれで僕が翌年の四月一日生まれの同級生になる。約一年離れてるから子供の時は体格が全く違った。小さい時まではそうだった。今では僕の身長が175で詩織が155だから20センチ僕の方が高い。今じゃ妹みたいだけど小学生の低学年まではお姉さんって感じだった。僕の面倒をよく見てくれた。僕には六歳上の姉がいる。詩織には四歳上の兄がいる。四人で兄弟のように育った感じだった。


小学五年の夏休みに事件が起きた。僕にとってはショッキングな事件だった。近所の友達と公園で遊んでいる時にそれは起こった。詩織の足が血だらけで白いソックスの色が変わるくらいだった。泣きじゃくってる詩織が見られるのが嫌で「見るな」「絶対に見るな」って叫けびながら詩織を抱っこして家まで連れて帰ったのを覚えてる。詩織のお母さんがいなかったので僕の母親と姉が対応した。僕は部屋から追い出されてなにがなんだか分からなかった。今ならその理由が分かる。部屋から出てきたと思ったら姉と一緒にお風呂に入ったりした。その時に詩織のお母さんが帰ってきて母親とひそひそ話しをしてた。詩織のお母さんから「ありがとう」って言われた。僕は怪我は大丈夫って聞いたら「大丈夫」だって耳打ちされた。


詩織がお風呂から出て着替えて出てきた。「ありがとう」「嬉しかった」そう言ってた。この日を境に詩織とはあんまり遊ばなくなった気がする。特に僕からは誘わなくなった。お互いの部屋で会うことも少なくなった。中学から別の学校になったのもあるかも知れないけど遠い存在に感じるようになった気がする。


中三になってから急に詩織が接近してきた。中学ではバスケ部に入った。全国大会にも出場して地域じゃちょっと有名になった。女の子のファンも出来てバレンタインにはチョコをたくさんもらったりもした。それを聞いた詩織が面白くなかったらしくて毎日のように顔を出すようになった。今まで我慢していたとか言ってた。女の子からいくのははしたないとか思ってたからだってさ。そんな話しを昨日の食卓でもしてたし詩織は少し胸が大きくなったと見つめていた。


制服同士で水族館に行くってどうも約束したらしい。制服でデートしたい。だから嬉しいとか言ってる。確かに真面目な学校同士だからなかなかつき合うのは珍しいとは思った。時計を見たら九時だ。寝たのが五時だからまだ眠い。この時間に母親が起こしに来ないのは変だと思った。流石に部活は引退したし夏休みだから寝かしてくれているんだと感謝してた。また寝よう。と思ったら詩織がいきなり怒った。


「水族館」行くんだからねって煩い。面倒だからお金がないって言うことにしようとした。「悪い」「お金がないから行けない」そう言うと詩織が「大丈夫」お父さんからたくさんお小遣いをもらったから平気とか抜かしてる。なんでお小遣いなんだよ。それより母親はなにしてるんだって聞いたら「今日からハワイ」だって!「ハワイ!」「そんなの聞いてない」そういうと詩織は昨日言ってたよって答えた。


姉は大学に入学して一人暮らしを始めた。両親が旅行なら、なんで詩織が家に入れるんだと思った。後で聞いたら詩織には家の合鍵を渡していたらしい。本当におかしな家庭だ。海外に一週間旅行で家を空ける。宏樹のことは詩織ちゃんに任せたとか置手紙があった。今日から家に詩織が泊まるか僕が詩織の家に泊まるかのどっちかにしろと書いてあった。詩織のお父さんとお母さんはそれでいいのかって思った。詩織が「だってハワイには四人で言ってるんだよって」答えた。


詩織のお兄さんも中学から鹿児島の全寮制の私立に行っているから僕と詩織しかいないじゃないか。本当にとんでもない親同士だ。間違いがあってもおかしくない年齢だぞ。なにを考えてるんだ。それに詩織は「水族館」「水族館」って歌を歌いながらぐるぐる回転してるからパンツが丸見えだったりしてる。本当に変な奴だ。渋谷とかでもスカウトされるくらい可愛いって自分で自慢してるのも変だとは思うけと本当に変わってる。ただ、可愛いのは間違いない。


~ 続く ~



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ