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科学と愛は冒険の始まり  作者: トレア
第1章 
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1-7 魔王様登場!

「魔王が・・・町に接近中!?」


「はい!それも一人でテクテクと町の門に向かって歩いているとの報告が!」


「落ち着いてサラ。まず本当に魔王様だったのですね?道に迷ってここにたどり着いた行商人の方などではないのですね?」


「いやどんな間違え方だよ!魔王と迷子くらい判別しろよ!?」


「間違いありません!あの風貌は間違いなく魔王でございました!急ぎガルディン様にもご報告を!」


「ただいまお父様は町で女遊びをしている最中でございます。報告をしたところで無駄でしょう。」


「いや、遊ぶのやめてさっさと助けに来てよ王様!?」


この国の王様マジ頼りねえ。さっきまでのあの王様への厚い信頼はどこに行ったんですかね姫様!?


「この国には王様以外に戦える人はいないんですか姫様!?」


「この国でお父様の次に腕が立つのはザイロン将軍ですわ。サラ、ザイロン様にご連絡を!」


「それが王宮の方が、先ほど王様と一緒に鼻の穴を膨らませながら町の方へと向かって行ったという目撃証言が。」


「ザイロンクズじゃねえかあああああ!ろくな奴いねえなこの国!」


「返す言葉もありませんわ♪」

「返す言葉もありませんわね♪」


「開き直んなあああ!自分の国の危機ですよ姫様!?」


「仕方ありません。私たちだけで向かいましょうか。」


「そうですねマイヤ様。私もお供いたします!姫の安全は私が!」


「お願いしますわサラ。勇者様も共について来てくれますか?」


「いいですけど、僕戦い方とか全くわかりませんよ?」


「1人でわざわざ来たということは戦いが目的ではないのでしょう。それに護衛ならサラがいるから大丈夫ですよ。」


「そういえばマイヤ様、こちらの方は?」


「こちらの方は別世界からやってきた勇者様よ。」


「なんか大層な紹介ですね!?・・・僕はタツキです。姫様の言うとおり別世界から来たからこの世界のことがさっぱりわかんないけどよろしく頼みます。」


「タツキさんですね!私はサラと申します。マイヤ様の護衛をしています!」


「サラは私の幼馴染なの。剣術もすごいけどそれ以上に風魔法がすごいのよサラは。」


「風魔法?魔法とかあるんですかこの世界!?」


「え、まさか魔法をご存知ないのですか!?」


「あ、ああ。僕の国には魔法なんてなかったんですよ。そうか、魔法なんてあるのかこの世界は!一回やってみたかったんだよなあ!我が灼熱の炎に焼かれて消えるが良い!みたいなやつ!」


なんだ、ワクワクするな魔法なんて!厨二心をすっげえくすぐるじゃねえか!


「なんか魔王様と同じようなことをおっしゃるのですね勇者様。」

「タツキさんなんか今の魔王にそっくりでしたよ?」


「魔王厨二病発症してんの!?」


「魔王様が何か病気を患っているなんていう噂は聞いたことがございませんが・・・。」


「あ、いややっぱいい。」


魔法がもともとある国に厨二病なんてあるわけないよな。


「あ、でも高二病っていうものがありますわよ?」


「高二病?なんですかそれ?」


「なんかある日突然、「あーー!!!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!」って呪文の詠唱を恥ずかしがるっていう病気が10代半ばで発症するみたいな話を聞いたことがありますわ。」


あ、こっちの世界の人からすると僕らの方が病人扱いされるんだ。厨二病じゃない方がおかしい世界ってある意味終わってる気がするんだが。


「マイヤ様、タツキさん、急ぎましょう!魔王が町に入っちゃいますよ!」


「ああそうじゃん!」

「ああ急がないと!」


厨二病の魔王か、なんか興味湧いてきたわ。



* * *


「姫様!なぜこちらに!?ここは危険です!お戻りください!」


「私なら大丈夫です。護衛も二人ついてますし、魔王様お一人なら、刺激しないためにも私が向かった方が良いかと。」


「し、しかし・・・」


「もし怒られるんだったら私が責任をとりますから。門を開けてください。」


「は、はは。くれぐれもお気をつけを。」


「行きますよ、サラ、勇者様」


魔王が接近中の門にたどり着いた僕たちは、衛兵たちに頼んで門を開けてもらったのだった。すると・・・


「これはこれは愛しの我がラブリープリンセス!ご機嫌麗しゅう。しばらくぶりですが、お元気でいらっしゃいましたか?」


「魔王様、お久しぶりですわ。・・・此度はどのようなご用件で?」


「まあまあそう急かさないでくれプリンセス。そう急かしては、我がメイドオブグラスなハートにクラックがインしてしまうではないか。」


「そのよくわからない話し方は本当昔から変わらないのですねレージベル様。そうやって昔は皆様と一緒にレージ様のことを笑っていたというのに・・・。」


「なんか良い思い出みたいな感じで語ってるけど、俺からするとただバカにされてたってだけだからな!?」


「お下がりください姫様!この者はもはや昔のあの変人レージベル様ではないのですよ!?」


「いや、僕からすると今でも十分変人なんだけど。」


「その名で呼ぶなと昔から言っているだろうサラ!次そうやって呼んだらザイロンに言いつけるからな!」


「好きにすればいいですよ!あんなスケベ親父に言ったところで今頃王様と一緒に町の女性の物色中で聞く耳持ちませんよきっと!」


「ってザイロンってお前の親父かい!!!」


通りでサラも姫様並みの悟りを持っているわけだ。つくづく同情したくなるなこの主従。


「ガルディンもザイロンも昔から女探しの旅だって言っていつも練習を抜け出してたからな。その度にいつもこの私の真眼セイクリッド・アイと聖剣エクスカリバーを持ってお前たちの父親を止めようとしたのだが、いつも奴らの持つ邪眼ダークネス・アイと秘技偉大なる一撃(グランド・インパクト)の前には歯が立たなかった。忌々しき奴らよ。」


「お父様がご迷惑をおかけしたようで本当にごめんなさい魔王様。」

「あのバカ親父に構う方が悪いんですよ姫様!これは魔王の判断ミスです!」


「悪いの俺なの!?」


魔王、なんかいろいろとドンマイだな。


「んで、その魔王さんよ。一応町で騒ぎになっているわけだし帰ってもらっていいですか?」


「む、ユーは一体何者だ?」


「タツキって言います。一応あんたのせいで勇者なんてめんどくさい役目押し付けられてるんで、できれば改心して帰ってくれるとありがたいんですが。」


「改心だと!?改心をするのはあの傲慢な王の方だ!あの王が全て悪いのだ!」


「まだあるんですか王様への恨みエピソード?」


「あれは、あいつが王様になってしばらく経った頃だった。あいつが王様の業務がつまらんだのなんだの言っての家に遊びに来た時に、賭け事をやったんだ。ちょうどその頃、俺らは同じ女性に恋をしていた。だからその女性を巡って俺らは魔法模擬戦を行ったんだ。魔法においては俺に勝てる者などいないからな。それで俺は勝った!勝ったのに、あいつは何を思ったのか次の日にその女と結婚しやがったんだ!許せねえだろ!?」


「はあ、要は女を盗られた恨みと。」


「おまけにあいつ、「仕方ないだろ?こいつは元々俺に惚れてたんだ。なら俺がもらってやらねえとかわいそうだろ?」だってよおおお!?ふざけてんだろおおお!?」


「あーモテますもんねえあの王様。」


「ちなみにその女の人が私のお母様ですわ。」


「あーなるほど。」

「そうだったんですか!知らなかったです!」


「だから俺はマイヤ、お前を手に入れて我が数千年に及ぶグランドクエストにピリオドを打つのだ!」


と次の瞬間、魔王の周りにとてつもなくドス黒い大きなオーラがみたいなもんが出てきた。なんかやべえ雰囲気がプンプンする。


「マイヤ様、タツキさん、お下がりを。」


「え、おい、大丈夫なのかよ?」


「サラ、くれぐれも無茶はしないで。」


「ふん、ザイロンの小娘が。ちょうどいい、お前の父親にも恨みがあるからな。娘に恨みはないが我がセイクリッドアイの餌食になってもらおう!」


「いろいろとかわいそうな人だけど、マイヤ様に危害を加えようとする奴には容赦はしないわよ?」


おお、なんか初戦闘っぽい?






魔王のキャラブレブレでワロス

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